Last Update : 2001/05/15  戻る

鳥海山&月山
2001年5月3日-5日
メンバー:作野他5名

5月3日(高曇後晴)〔鳥海山・祓川口〕
前日天王台を16時30分に発ち、常磐道-磐越道-山形道をひた走り酒田23時06分着。酒田健康ランド「湯遊館」にて1500円(温泉、仮眠)で仮眠。同所を午前6時に発つ。ここから見た鳥海山は確かに雪が少ないように見える。しかし、頂上付近まで雪はあり、滑るのには問題なさそうである。どっしりした鳥海山の大きな裾野をぐるりと回り、祓川ヘ登る道に入ってブナの保護林に入った辺りから残雪が出始めた。
 午前7時30分に祓川の駐車場着。駐車場は未だ5分の入りであった。祓川口側には雪がたっぷりあった。



朝食を済ませ8時35分出発。祓川ヒュッテの「スノーモービル禁止」の看板を見、脇の藪からの鶯の声を聞きながらシール登高である。前方には点々と登山者、遥か前方には七高山が聳えている。風は無く、高曇りで薄く日光がさしている。雪はザラメ。絶好の登高条件である。
 1435mで一本取り、七ツ釜避難小屋を9時55分に通過し、1730m付近で二本目の小休止。ここは前回来た時日本海側からの風雪一吹きで撤退した所である。この辺から晴れてきた。氷の薬師を越えて舎人坂の手前で一息入れて七高山12時15分着。日本海側から「氷の薬師」辺りにかけて雲が沸いてきた。日本海は雲に隠れて見えない。風が少しあり寒い。昼食の一部をそそくさと済まし、記念撮影のあと13時スキー滑降開始。舎人坂は斜度があるが雪質はよく快適にとばす。気持ちよく滑っていたら「氷の薬師」手前の斜度がゆるくなった所でスピードが出すぎたため後傾になり転倒した。1840mの地点で大休止とし、背負ってきた缶ビール2本を全員で少しずつ飲み、お湯を沸かしてコーヒーを楽しむ。この辺はガスの境界で時々ガスが流れてくる。これから下は雪質がグッと悪くなっていた。重い雪の中スキーを滑らし13時55分祓川の駐車場についた。

〔コースタイム〕
祓川8:35→1435m9:20/30→七ツ釜避難小屋9:55→1730m10:18/30→
1965m11:08/35→七高山12:15/13:00→1840m13:05/30→祓川

5月4日(晴れ時々曇り)〔鳥海山・湯の台口〕
今日はロングコースである。大台野道を標高775mの所まで車で入る。そこから見る鳥海山は遥か彼方である。確かにこちら側は祓川口に比べて雪が少ない。



伏拝岳直下は雪が切れている。また幾筋かハイマツ帯が見える。出発して間もなく潅木の密に茂った所に突入した。難渋しながらもそこを越えると樹木も少し大きくなった切り開き帯に入る。ここは歩き易く正面に鳥海山が迫力をもって迫ってきた。1005mで一本とる。
前方に滝の小屋が指呼の間に見える。少し行くとガスがかかってきた。ガスの中コンパスとトレールを頼りにシール登高する。一時雪面が切れハイマツ帯に突入しかかった。最後尾から方向を修正される。雪が繋がっている所が若干下にあったのを見逃して上へのルートを急ぎすぎたのが間違いであった。1285mで小休止。少しガスが晴れ下方右手ハイマツ帯のはずれに滝の小屋が見えた。
ここは八丁坂。程よい斜度の中斜面が河原宿のある台地状の所まで続く。頻繁にガスが我々を包みホワイトアウトになる中、高度計とコンパスを頼りに高度を稼ぐ。1520mで小休止。振り返ると河原宿の小屋が右手に屋根のみ見えた。この辺で沢を挟んで右へ行くか左へ行くか悩んだが、右の雪渓は左のより頂上に近いと判断し、右のルートを選んだ。相変わらずガスが頻繁に行き交いホワイトアウトの時間が長くガスの晴れ間が短い。最後の急斜面にかかる時は全く見えない中、あえぎあえぎ登る。斜度が急激に増してくる。遂に私はシール登高を辞めツボ足に切り替えた。他の人はシールで完登した。外輪山直下で雪は切れた。2100mであった。そこにスキーをデポし、伏拝岳を往復した。ガスが晴れ、新山、鳥海湖の方が綺麗に見えた。日本海側は雲海で、海は見えなかった。写真撮影のあとガスが再び来ないうちにと14時滑降開始。最初の急斜面は雪がズサズサであまり快適とは言えなかったが、河原宿を過ぎて、八丁坂の所は快適そのもの。中斜面で、雪は締まったザラメで思うように大パラ、中パラ及びヴェーデルンが決まり、それぞれ満足。滝の小屋で大休止としようということになり滝の小屋に向かう。滝の小屋は立派な2階建ての小屋である。冬季使用料400円とか。近くの斜面では少年ボーダーが練習していた。
大休止のあとは切り開き、ブナの密林と往路を戻る。途中振り返ると滑った雪渓が見える。湯の台口は滑り甲斐のあるコースだと改めて思う。元の位置に戻ると道路上の雪は朝に比べてかなり融けていた。

〔コースタイム〕
大台野道775m8:08→1005m9:02/10→滝の小屋の上1285m10:00/05→河
原宿の上1520m10:44/45→1620m11:15/25→1850m12:00/1208→雪渓の
終わり2100m13:04→伏拝岳13:30→2100m14:00→滝の小屋14:20/15:05
→大台野道775m15:40

5月5日(晴)〔月山・姥沢岳〕
朝8時鳥海山荘を発ち、一路月山口を目指す。月山口着9:30。スキー客が多い。雪も多い。仕度をしてリフト上10:40。こちら側から見る月山頂上付近にはさすがに雪は無い。姥沢岳には20分の登りである。頂上で小休止の後石跳び川への降り口に向かう。ロープをくぐり目的の斜面についた。下を覗くと見えない。慎重にスキーを滑らしていくと約40度の斜面が現れた。雪質は湿雪ザラメ。なんとか滑れそうである。石跳び川床に何人か人がいるのが見える。心臓が締めつけられるような高度感であるが、思いきって斜面に飛び込む。雪は重いがなんとかスキーを廻せる雪である。急速に高度を下げる。所々クレバスが出ているが、避けながら慎重に滑る。11時37分沢床(1135m)についた。大休止とし、コーヒー、トン汁を作り、昼食とした。その間湯殿山側稜線に人影が現れボーダーがその急斜面を滑り降りてきた。われわれの滑った斜面より遥かに急である。皆感嘆の声。その後、沢の中心を滑り、自然観察センター(810m)に12時46分着。手軽で高度感のあるスキーを終了した。

〔コースタイム〕
リフト上10:40→姥ヶ岳11:00/15→石跳び川沢床(1135m)11:37/12:30→志
津(810m)12:46

作野記

 


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