Last Update : 2001/05/27  戻る

立山
2001年5月18日-20日
メンバー:作野他8名

5月18日(快晴後晴れ)〔雷鳥沢〕
昨日20時50分頃常磐線・天王台駅前を車で出発、関越・上信越道・オリンピック道路をひた走り午前2時少し前扇沢着。扇沢駅のベンチでシュラフにもぐり仮眠。電車組も合流し、午前7時30分の始発のトロリーバスに乗る。途中、黒部平で少し待ち時間が有ったので、外へ出てみた。快晴の青空の下、東一の越しからタンボ平が眼前に広がる。後方は鹿島槍の双耳峰から針ノ木まで屏風のように後立山連峰が聳えている。素晴らしい景色である。


                  上写真:雷鳥沢

 9時25分室堂着。室堂から見る雄山、大汝、真砂、別山乗越への稜線には雪がついていない。今年は雪が多いと聞いていたが、2年前に来た時より少し雪が少ないようである。雪解けが早いのであろう。今日から2泊するみくりが池温泉に不用の荷物をデポし、10:20雷鳥沢に向けて出発した。雷鳥荘あたりの歩道は雪が付いていなかったので、浄土川よりをトラバースし、10:35雷鳥平に着いた。今日は平日のため人が少ない。2〜3パーティが雷鳥沢を登っている。雪は緩んでいるが、スキー靴の人もいるので、アイゼンをつける。10:50出発。最初の歩きは体調を整えるため30分歩いて2370mで一本とる。ここで、1人体調不良のためご主人がエスコートして宿に戻ることになった。残り7人、2590mで一回休んだ後、雪渓の末端(2715m)に13:10着。ここから見る雄山、浄土山、その間の奥の方に黒部源流ノ山々(黒部五郎、薬師岳等)が見える。


                   上写真:雄山

目を移すと国見、天狗その麓の室堂、さらに右に目を移し、大日岳が少し小さくなった雪庇を載せて聳えている。大景観を欲しいままに昼食とした。昼食後、別山乗越に空身で登り剣沢からの剣岳の勇姿を拝み、悦に入る。

 雷鳥沢の滑降は快適の一語に尽きる。わずか15分の快感である。途中撮影会をして、15:00雷鳥平着。ここからの登りがこたえる。疲れた体に鞭を入れ、16:05みくりが池温泉着。生ビールで乾杯!

〔コースタイム〕みくりが池温泉10:20→雷鳥平10:35/50→
2370m11:21/30→2590m12:20/40→雪渓最上部2715m13:10/14:45→雷鳥
平15:00/10→みくりが池温泉16:05

5月19日(晴後曇り後霰後風雨)〔御山谷〕
本日が今回のメインである御山谷である。事前の天気予報ではこの日が一番良さそうであった。朝、晴れてはいるが雲が多い。今日の登りはせいぜい1時間半。後は快適な中斜面の御山谷が待っているという思いで7:45みくりが池温泉を勇躍出発。途中、室堂山荘にいる登山指導センターの係の人に御山谷の状況を聞いた。「下部は水流が出ており、丸木橋は流されている。渡渉が必要である。かなり苦労しますよ。この時期、御山谷はもう遅い。タンボ沢は未だ大丈夫です。」とのアドバイスを受けた。山スキー初心者を含む我がパーティであるので、今日は御山谷を大岩までとし、登り返すことに決めた。昨日体調不良の人も今日は行けそうである。ゆっくり歩く。途中、浄土山のカールが右に見える頃からガスが降り始めてきた。雄山の頂上がガスで覆われる時間が長くなる。2560mで小休止の後、一の越し9:30着。既に上空は雲で覆われ、槍ヶ岳・穂高岳は見えない。残念である。眼下に広がる広大な御山谷。まだ、この時点で後立山連峰には日が差していた。
 10:15待望の滑降である。約20度の快適斜面を豪快にとばす。少し気温が低いので雪質も最高のザラメ。左手は雄山から東一の越しへ(夏道は完全に露出している。)、右手には龍王岳、鬼岳、獅子岳の岩稜が迫り、目の前は後立山が屏風のように聳え、景色も圧巻である。瞬く間に大岩の手前(約2375m)着10:30。ここで、サブリーダーを含め3名がどうしても御山谷を完走したいと降りていった。私を含め初心者を含む5名は予定通り登り返すことにした。登り返し1時間半で一の越し山荘着。
 この頃から、霰が降り出した。顔に当たると痛い。山荘内で昼食を済ませ、外へ出ると一面のガスである。コンパスを室堂に合わせ、ポールを頼りに下山開始。はぐれないために、数回転しては止まる、を繰り返した。浄土川を渡る付近で少しの間ガスが晴れたが、またガスの中を延々と続く斜滑降である。途中雷鳥の夫婦が現れ、我々の周りを一周、サービスしてくれる。室堂山荘が見えるところに来ると幸運にも少しガスがはれ、みくりが池温泉が見えた。軌道修正しそちらに向かう。みくりが池の畔まで滑りこみ、13:50今日の山行を終えた。(宿での話し。「右岸を詰めるが、今まで経験したことの無いようなデコボコの洗濯板に乗っているような滑りで、快適とはいえない。高巻はほんの少し、1m程度であった。ボーダーがいたが、最後の右岸斜滑降の連続には辟易していた。
最後、やはり渡渉で苦労した。水量が多く丸木橋は無いので、他のパーティと協力して流木を拾い集め手渡しリレーで足場を作り渡ったが、かなり時間を費やした。風雨とガスの中、みくりが池温泉17:05着。)

〔コースタイム〕みくりが池温泉7:45→2560m8:50/9:00→一の越し
9:30/10:15→大岩手前(2375m)10:30/45→2550m11:25/30→一の越し
12:11/13:10→みくりが池温泉13:50

5月20日(曇り後晴れ)〔弥陀ヶ原へ〕
かなり疲労が蓄積してきた。今日は帰る日。富山県側へのルート周遊券のF氏夫妻とは別行動で、室堂から弥陀ヶ原への長い斜滑降で太ももの筋肉がパンパンになる。唯一期待した、天狗山からの滑降もブッシュに阻まれ、中間からの滑降となってしまった。しかし、天狗の麓、美松からの弥陀ヶ原の眺めは素晴らしく、気持ちいい。また、斜滑降を繰り返し、9:10弥陀ヶ原ホテル着。9:25のバスで室堂に戻り今回の山行を終えた。

〔コースタイム〕室堂8:20→弥陀ヶ原9:10

作野記

 


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