ら・ねーじゅ No.242
1996.1月号
四町四反の沢
1995.11.25(土)
白沢光代 他1名
ヤビツ峠を越え、塩水橋の手前からさらに林道に入る。天王寺尾根の登山口まで
は舗装されていたが、後はパジェロミニでも辛いような悪路。丹沢の谷の「キュウ
ハ沢出合いに駐車スペース在り」の文を信じて進む。6、7台分の広さが在った。
鉄ばしごの付いた大きな堰堤を4つも越えると、ゴルジュの中に滝が6個連なり
中々見事だ。一箇所は、恐々と越えた。大滝の手前でキュウハ沢と分かれ、四町四
反の沢に入る。丹沢の谷では初級・人気度星3で、ナメが美しく本谷川では最も遡
行価値が高いと誉めている。
我々には荒れた沢に見える。ゴーロの隅にナメがあるという感じだ。遡行図の滝
の高さと現実が食い違いすぎて、現在地が分からない。マスキ嵐沢は遡行図通りだっ
た。さすが最新の記録と思ったのに。掲載の写真もキュウハの滝ではないか?水量
は今年が異様に少ないらしい。地学の先生曰く「昨年夏の渇水の影響で湧き水が少
ないから」
我々にとって最後の二段にでる。右はかなりの水が落ちていて上部はハングの岩
で沢はさらに右に折れて見える。左は川床はむしろ右より大きいが、水は全く無い。
脆い岩場を巻いて右に登ると、いきなり水流が消えた。降りるのは恐いので、鹿の
足跡がある左の岩崩の斜面を登る。左に涸れた沢が見えているが降りずに、そのま
ま急斜面を登る。脆く斜度はきつい。追いあげられるように登る。
遡行図の最後の(2:1)で、水流があったため右を選んだのが間違いだったら
しい。この沢は水量が無さ過ぎて美しさ半減なのか。尾根に出る。薮は浅い。しか
し丹沢主脈まで登りでがあった。右手上方に竜が馬場の笹原が見える。竜が馬場に
は登山者が大勢いた。さすが連休だ。
丹沢山から天王寺尾根に入る。はじめは階段が整備されていたが、堂平へ道を分
ける辺りから、フカフカの腐葉土のような道になり、足裏の感触が心地よい。「キュ
ウハの出合に直接出る尾根への分岐にはプレートの案内板がある。」との本の記述
に探すが見つからない。この辺りは間伐がされていて、伐られたばかりの木が沢山
倒れている。小林さんが「プレートがついた木が切られているのかも」と言う。2
万5千図の1129mのピークに赤い印をつけた木があった。あれが分岐の印だっ
たらしい。
1050mのピークから天王寺尾根と別れてはっきりとした踏み跡が付いていた。
1129mまで登り返すのが面倒なので、踏み跡をたどるがしだいに不明瞭になる。
動物の踏み跡を頼りに尾根を下る。道路に降りるところが崖だったらの不安を持
ちながら木に捕まりつつ降りる。水の無い小さな沢に降りるとそのまま道路に出ら
れた。キュウハ沢の出合の少し前だった。沢は今一だったけど、紅葉の静かな丹沢
が味わえたので良いとしよう。明るい内に舗装道路まで出たいと休まずに急ぐ。ヤ
ビツ峠の次の展望台から夕焼けの富士と相模湾を見た。
コースタイム
新松田(8:30)=>ヤビツ峠(9:30)=>キュウハ出合(9:50)−>
四町四反の沢出合(10:30)−>崩壊地(11:05)−>
竜が馬場(12:50〜13:20)−>キュウハ出合(15:30)=>
ヤビツ峠(16:30)