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ら・ねーじゅ No.242
1996.1月号


藤嵐沢                           
                  1995.12.3(日)
                      白沢光代 他1名



 短く手軽な沢のつもりで選んだ。「丹沢の谷」では中級・人気度星2である。  

 出合は大滝橋から10分程度、アプローチ短し。だが始めから水量ゼロで堰堤が 
延々と続くのにはびっくり。堰堤には全て巻き道がある。ゴーロの後のF1、20 
mに感激した。見事なS字状で、水もほんの少し流れている。水量がゼロに近いか 
らフリクションで登れるけど、水量が多ければビショ濡れのシャワークライムにな 
りそう。2段目は右から取り付いたので沢芯にトラバースしなければならない。恐 
くて少し登ってからやっとの思いで移る。                   

 この後はフリクションで登るナメや傾斜の強い滝が次々現われるが、水量が無い 
ために易しい流芯にコースを取れるので登れる。水量がある時には、きれいだけど 
難しそうだ。真夏だったらシャワークライムに挑戦するのも良いかもしれない。  

 岩が好きな小林さんは「ここは近くて楽しい沢」と満足そう。私は「沢を続けた 
から登れるけど、シーズン始めだったら恐くて駄目かも」と思う。岩はかなり脆い。
登ったら欠けたり、掴んだら剥がれたりした。                 

 小林さんが突然「遡行時間4時間になっている。大丈夫かなあ」という。私も説 
明を良く読んではいなかった。短いはずだから2時間、長くて3時間と思っていた 
のである。しかしマスキ嵐沢(遡行時間1時間45分。標高差400mになってい 
る)より標高差が200mも多いのだ。でもなんとかなる。権現山からの下山は簡 
単だと登ることにする。                           

 ルート図は正確である。ただF2のグレード2級は過少評価で3級上ぐらいに思っ
た。                                    

 巨岩の横のチムニーの上では沢は別れている。左の窪みが大きいと思って取りつ 
くが、登るとすぐ薮になる。違ったらしい。しかし、降りるのは難しく仕方なくさ 
らに登る。右手に沢の切れ込みが見えるので、笹に捕まりつつ強引に降りる。再び 
沢に戻れた。                                

 しばらく乾いた岩のクライミングを楽しむ。「丹沢の谷」の沢全体が滝のようで 
もある、の表現もうなづける。マスキ嵐沢より狭く、傾斜もきつく、崩れもひどく、
安心して休める所が無い。                          

 再び薮になる。始めは易しかったけど密生した背よりも高い熊笹に変わる。仕方 
なく上へ上へと行く。時に踏み跡らしき物が現われるけど、また無くなる。    

 山頂近くで登山道に出た。前回つまらなかったので山頂は割愛しすぐ下る。マス 
キ嵐沢の詰めの鞍部から少し登った小ピークは、日当たりも良く風も無く絶好の休 
憩所で、のんびり缶ビールを飲む。                      

 今回は誰にも会わなかった。ただこの沢は完全に南向きで、日当たり良く真冬で 
も登れるかもしれない。下山コースは北側で初冬の寒さが身にしみた。霜柱が融け 
ずに残っている。                              


 コースタイム                               
出合(9:56)−>F5二条の滝(11:25)−>巨岩の間のチムニー    
(11:46)−> 登山道(13:06)−>小ピーク(13:15〜55)  
−>自然教室(14:40)                         



 来年はモロクボ沢に行きたいと思っているが流程が長い。           
 アプローチがとても長いが水ノ木沢も美渓だという。             


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