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ら・ねーじゅ No.244
1996.3月号


東吾妻山                         
 ’96.1.5〜6                        

                      武部 慎


 4日のうちに車で入り、高湯のユースホテルに泊まった。強風のため、東北新幹 
線も止まりゴーゴー風がうなっている。                    


5日(金)晴れ、曇り、快晴、晴れ                      

 準備をして、高湯のバス停へ向かう。ここで大きなドジをしてしまう。吾妻スキー
場の一番下のリフトは止まっていた。....                 
 ちょうど、バス停の前のワゴン車が出発直前だったので、乗せてもらった。リフ 
ト2本を乗り継いで、シールを付ける。                    

 家形山周辺は雲がかかったり、現われたりで気を引き締めていかなければと思い 
つつ、行ける所まで行って戻るかとも思った。                 

 KO山荘の分岐からは、遠くに稜線が見えている割には意外と早く稜線に着いた。
風が強く五色沼周辺は雪が付いていない。風に飛ばされないようにツボ足でトラバー
スをする。湖の縁から10m離れていても、アッという間に風に押されて、湖の崖 
に落されそうで必死だった。再び一切経山の稜線を越える為にシールを付け、樹林 
帯に入ると風がなくなりホッとした。急な樹林帯を抜けると広い緩やかな登りがえ 
んえんと続いており方角に注意して進む。ここがコルのはずだと確信を持てる所に 
着くともうガスでまっ白。                          

 進みたい方角は、岩がゴロゴロでスキーではムリ。大きく右側から行こうとする 
と、なんとなく前に尾根が見える。いったいここはどこ?と不安にすらなってくる。
下りといえども、ガスで雪面がわからないのとルートを間違える可能性がある為、 
しばらくシールのまま滑る。やっと雲の中から抜け出かかると、遠くに山が下の方 
に見えた。ガスの為、遠近感がわからず、下がよく見えないので、それが吾妻小富 
士だとわかるのにかなりかかった。                      

 そこからシールをはずしシュカブラの斜面を滑る。急斜面に入るとすっかり視界 
がきき、赤い酸ケ平避難小屋は見えホッとした。                

 小屋から沢沿いになるが、風が強くシュカブラの発達がものすごい。段差が30 
cmもあるようになり、ついにスキーをはずしツボ足で下る。ほどなく大きなくぼ 
地になったので右岸の台地に出て、スキーを付けた。ここから浄土平へは快適なス 
キーだった。浄土平からシールを付けずに吾妻小富士まで行けるかとも思ったが、 
あまかった。                                

 小屋を通り過ぎて天場に来て、やっと小屋を見つけた。小屋の客は僕一人だった。
夜は部屋の中から、月見で一杯。きれいな満月だった。             


6日(金)晴れ、曇り、晴れ                         

 天気も良く、樹林帯は風もなく東吾妻山を目指す。西に向かって登るが、結構遠 
い。吾妻の小富士、一切経、高山と今日は良く見えて昨日の緊張感がない。樹林帯 
を抜け山頂近くになると風が強い。山頂は吹きさらしで、飛ばされそうだった。わ 
ずかに越えた所で一休み。ここは全く風がこない。これから滑るルートを確認して、
新雪を滑りだす。なかなか木が多くて大変だ。烏帽子平周辺はほとんど進まないが、
なんとか林道に出られた。高山へのルートは明瞭だと油断していたら、トレースに 
連れられいつの間にかルートをはずしてしまったが、なんとか元に戻れた。    

 高山からは尾根上がルートなのだが、トレースがあり太陽も当たって新雪でない 
ので山腹を行くことにした。新雪を滑れて良かった。分岐を越えた所で、わずかに 
登りになる所があったが、シールを付けずにハの字で登る。やっと土湯への尾根道 
に入ったことを確信すると、もう2時を過ぎていて遅いせいか雪が少し重くターン 
できない。ほとんど滑り抵抗ゼロなので、水平に滑るような感じになってしまった。
何度も転びなかなか前に進まない。                      

 下部になるとものすごく狭くなり苦労する。一部シールを付けて滑ったが、もっ 
と早くシールを付けるべきだったと思う。                   

 林道に出ても雪があり、スキーで滑る。但しアイスバーンで前のデコボコトレー 
スが固まっているので、なんとずっとプルークで制動をかけながらの滑りで、なか 
なか大変。でも歩くことを考えれば、ずっと速いので助かった。スキーが使えなく 
なってから30分程歩いてバス停に着いた。                  


 コースタイム                               
1/5                                   
スキー場上(10:40)−>五色沼北(13:00)−>乗越(14:10〜  
20)−>浄土平(15;10)−>吾妻小屋(15:50)          

1/6                                   
吾妻小屋(7:50)−>東吾妻山(10:30〜40)−>烏帽子平(11:  
20〜50)−>高山(12:40〜13:00)−>林道(15:30)−>  
バス停(16:30)                            


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