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ら・ねーじゅ No.246
1996.5月号


北アルプス                               

 ’96.3.16                             

栂池〜天狗原〜白馬乗鞍スキー場    

  藤田英明、手塚                



 15日(金)の夜行アルプスに乗り、白馬に向かう。直前の天気予報では土曜は好天、日曜日は崩れてくるとの予報。今回は日曜日の定例山行で大渚山に行く前付けとして企画したものだが、うまく天気が持ってくれるかどうか。

 早朝白馬で下車、好天を確認。快適な春スキーが期待できそうだ。6時のバスに乗り栂池には7時前に着くが、8時半にゴンドラが動きだすまでかなりの時間がある。ゴンドラ駅で待つつもりがシャッターが降りていて入れず、やむなく開いている喫茶店を見つけ落ち着くがコーヒー400円にはびっくり。こんな事であれば白馬駅で朝食を取ってから栂池に来れば良かったと思う。

 一番先頭のゴンドラに乗り   駅へ、栂の森リフトが動きだすまでまた20分ほど待たされる。ここでパトロールに声をかけられ、天狗原までは雪崩の危険があるので林道をはずさずに登って欲しいと注意される。確かに昨日都内で降っていた雨がこちらでは雪になっていたようで、湿った新雪が20cmほど積もっている。動きだしたリフトに乗りようやくゲレンデ最上部に到着。見慣れた白馬三山のパノラマが広がる。林道の入り口まで少し滑るが、ゲレンデは硬く圧雪されていないところは湿雪であまりいいコンディションではない。

 シールをつけて圧雪された林道を登って行く。途中ヘリで登ったパトロールが目印の旗竿を整備しながら滑ってくる。天狗原からの下りには見事なウェーデルンのシュプールが・・・さすがぁ。このシュプールのついた急斜面の下で休憩するが、結構風が強くじっとしていると体が冷えてくる。休憩もほどほどにさらに登る。天狗原直下はウィンドクラストしていたのでスキーアイゼンをつける。このあたり、手塚さんによるとバーンの下に空洞があるような感じで気持ち悪いと言われたが、私はそんな感じは受けなかった。硬い急斜面をジグザグに登り、ようやく天狗原に到着。ひっきりなしにやってくるヘリで登ってきた連中でにぎわっている。ここから栂池に滑るだけならおもしろくないのだが、ゲレンデスキーヤーにとっては天狗原にくるだけで満足なのだろう。天狗原ではゆっくりひなたぼっこのつもりが、風が強く寒い。天気も晴れてはいるが、薄雲がかかったような空で徐々に下り坂になっている様だ。明日登る予定の大渚山を探すが、いまいちはっきりしない。妙高・火打の手前のはずだが・・・。シールをはずし方向を確認して下り出す。このルートにはオレンジ色の道標がところどころつけられており、それをたどっていくことになる。山の神への尾根筋を行くが、斜度が無いうえにスカブラと硬いバーンが交互に現れ思うように滑れない。今回手塚さんも私も’95年モデルのイエティを履いていたが、この板はトップベントが少なく、浮いてくれないためスカブラに突っ込んでしまい苦労する。ところどころにある小ピークを北にまきながら高度を下げるが、北面は樹林が混み気味でトラバースも苦労する。山の神を過ぎ、尾根から西南西にはずれての下りは、やや重い雪ながらもまずまず気持ち良く滑れる。この頃には空はすっかり薄雲が覆ってしまい、春の天気の変わりやすさを実感。指導標も抜け気味になり、慎重にコンパスで確認しながら滑る。1550〜1600mのやや急な斜面を下り、先のルートを見る。当初雪崩を嫌って、稗田山を越える尾根ルートで白馬乗鞍スキー場に滑り込むつもりだったが、やせ尾根で滑りつらそうで途中に登り返しもある。右下には黒川沢源頭がなだらかな斜面を描き、オイデオイデとささやいている(ルート図集にある夏道の沢ではなく、1/2.5万図にある黒川谷)。手塚さんと相談し、日の雪なら大丈夫と判断、沢に滑り込む。見た目には緩い傾斜で易しく滑れそうだったが、雪質がベタベタで、両側から落ちた雪がたまっているところに突っ込むと身動きがとれない。沢の底はなだらかだが、両サイドは急斜面で、何ケ所かでぶりや全層のひび割れが見られ心穏やかではいられない。とっとと下ってしまいたいが、なかなか思うように滑らせてくれない。ようやくスキー場に合流。リフト1本分ゲレンデを滑って今回の山行を終えた。

 このルートは行く前は楽勝と考えていたが、上部のスカブラ、下部のモチ雪に悩まされ予想以上に時間がかかり疲れてしまった。ザラメになればもっと気持ちよく滑れるのだろうが。

 なお下山後は大糸線で穂高に移動、多田さん・岡坂さん・山崎さんと合流し、多田さんの温泉付き別荘に泊まり大渚山に備えたが、夜半過ぎから風雨が強くなり、結局そのまま帰京することになった。3名の方、穂高までのドライブお疲れさまでした。

コースタイム
栂の森ゲレンデ(9:05)−>天狗原(11:00〜11:45)−>山の神(12:40)−>黒川沢源頭(13:45)−>白馬乗鞍スキー場(14:30)
【概念図】


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