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ら・ねーじゅ No.246
1996.5月号


仙ノ倉山・シッケイ沢               

 ’96.4.14 快晴                       

                 作野 他1名 


 今年は豪雪で、上越のスキー場でも久々に3〜4mの積雪に見舞われ、天神平では今だに4m90cmの雪があるとか。この時期においてさえ郡大ヒュッテ前の吊り橋は柱の上数十cmを残して完全に埋まっていた。それに加えて4月に入って冬型気圧配置がたびたび現われ、この2〜3日前にも真冬並の様相を呈し、各地に雪を降らしているとのニュースに接し、今回の山行に当たっては雪崩の不安が多いにあった。

 前日までの冬型は去り、今日は移動性高気圧に覆われ雲一つない快晴に恵まれた。しかし、気温は低く、風もない絶好の登山日和りとなった。

 6時25分小学校前から出発。シールを着けて歩き始めると”意外や!”道は除雪されてた。前に河内沢を遡行したのと打って変わって、別荘が道の脇にあり、そのせいかと納得した。今日は数パーティが入るようで、準備している脇をすり抜け河内沢に渡る橋を渡りヤカイ沢の見える所に至った。真白い平標山の稜線が屏風のように連なり、真青な空にそびえる姿は圧巻である。当初の予定を変更してヤカイ沢に沿って雪原を進み、右手の小尾根に取り付き平標山直下の稜線(1900m位)に飛び出した。雪は思っていたより締まっており、くるぶし程のラッセルですみ助かった。稜線に立つと素晴らしい景色が展開した。目的の仙ノ倉は未だ奥にあり見えないが、平標山と最初のピークの鞍部から先は雪が吹き飛ばされていて、まだらになっているが、笹穴沢は純白でスーと下に落ち込んでいる。雪崩に注意しながら鞍部までトラバースしたが、雪はここでも締まっており不安は感じなかった。ピークを2つ越え、11時25分仙ノ倉山頂に立った。大方の登山者は平標に向かい、仙ノ倉に来たのは我々が最初であった。360度の大展望を楽しみ昼食とした。風が北西から吹き寒い。気温が上がらないうちにと、長居せず、12:00丁度にシッケイ沢滑降に入った。初め1747mピークの手前から沢に入る予定であったが、頂上直下から左俣右岸よりに入っていった。上部1/3は素晴らしい締まり雪で快適な滑降が楽しめた。中1/3は少し湿雪であったが、雪質も落ち着いており、斜度が少しゆるくなった分快適に回し沢床に着いた。ここで右俣側の尾根基部に動く黒い物体を発見。熊である。”こんな雪崩の巣でマズイ!”と思ったが、熊はゆっくりと餌を探しながら尾根を上がっていく。その間10分位かこちらの存在を知らせようと大きな声で2人で話し合った。下1/3は水雪に近くスキーを回せない。12:40毛渡沢との出合いに着き、ここで大休止をした。ここから先は毛渡沢沿いに、郡大ヒュッテを経て土樽駅まで、カカトを上げての歩きが待っていた。

コースタイム
火打峠(6:25)−>1270m(7:43)−>1550m(8:35〜55)−>稜線1880m(9:50〜10:15)−>仙ノ倉山頂(11:25〜12:00)−>シッケイ沢1350m熊に出合う(12:25〜35)−>毛渡沢出合い(12:40〜13:30)−>郡大ヒュッテ(14:40〜50)−>毛渡橋(16:25)−>土樽駅(16:50)

【概念図】


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