Last Update : Jun 23, 1996  戻る  

ら・ねーじゅ No.247
1996.6月号


鹿島槍ケ岳 東尾根        
 ’96.4.27〜28   計6名               


 去年の雪辱戦。大谷原のスキー場への分岐でゲートがしてあった。サンアルピナのスキーセンターの軒下にシュラフを広げた。寒くない。

4/27(土)快晴
 大冷沢の橋を渡る。林道から赤布のある取付きの斜面だけ、最初は雪が消えていた。去年の雨の中の憂鬱な登りを思うと、明るい感じがする。足取りも軽くといきたいが、一人付いて行くのが精一杯。このところの運動不足を痛感する。

ザイルを出して苦労した個所も、今年は雪が奇麗に残っており、楽に通過。二の沢の頭で、今年も設営。軽装の先行する3人パーティーを見送る。

風もなく、暑い日差しの中、のんびりする。暇に任せ、交替で雪を掘り起こす。不必要にも思われたが、万全の耐風対策。天気図を取っても、明日の快晴を約束してくれてる様だ。

 緩い等圧線と安定した高気圧で、全く問題ないと思われたが、上層の寒気団のせいか、夜中、雷鳴と雨と風で、目が覚める。


4/28(日)曇のち快晴
 やや風が続き、鹿島槍の上部は雲に覆われて、少し気が重くなるが出発。一旦下りになり、そこから先、急な雪面を、まだ雪の締まった早い時間にアイゼンを効かせて登る。グサグサの雪なら時間が掛かりそうだ。第一岩峰の取付きは雪が切れていた。

やがてナイフリッジとなり、正面に第二岩峰が現れる。強い風が時々吹いてくるので緊張する。丁度真ん中あたりが、ハングしており重い荷には、きつい。腕力、膝、使えるものは何でも使って兎に角登ってしまう。

またナイフリッジとなり、風に煽られないよう慎重に登る。荒沢の頭から切れ落ちるルンゼも高度感を醸し出す。北峰から吊り尾根に出て一息。

南峰への最後も、岩稜に取付くまでの少しの間、急で緊張する。標識のある南峰で記念写真。標高差にして1,750m。長大な尾根と言っていい。ポピュラーなクラシックルートだけに引きつけるものがある。

布引の尾根に出ると、風もなくなり暑くなる。赤岩尾根もしっかりトレースがついており問題なかった。高千穂平の手前で、急に空腹感となり中休止してもらう。西沢を今、滑り降りたパーティーがいた。

西股出合は、去年は水流部を渡渉したが、今年はデブリで埋め尽くされ、逆に中心部の方が盛り上がっている。その圧巻は感動的でさえある。大冷沢も中低木がなぎ倒されて、河原一杯に広がっていた。

大町温泉郷で汗を流して、馬刺、ワサビの花などを肴に、祝杯。今日はお祭りで、夜も賑っていた。夜中の空いた中央高速を使い、3時間半程の所要時間で帰った。                            


コースタイム
4/27
大谷原(6:00)−>二の沢の頭(11:00)

4/28
起床(3:30)・出発(5:05)−>第一岩峰−>第二岩峰−>−>JP(9:30)−>鹿島槍南峰(10:25〜30)−>−>冷池小屋−>西股−>大谷原(16:05)


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