ら・ねーじゅ No.252
1997.1月号
モロクボ沢 96/7/6(土) 晴れ
鈴木鉄也他1名
丹沢か奥多摩近辺、近場の沢登りの誘いに、未だ足を踏み入れたことのない西
丹沢と勝手に決めた。行ったこともない所だけに、どんな沢があるのかとルート
図集をざっと目を通す。食指が動くほどの案内は今ひとつ。そう言えば、白沢さ
んが昨年、何本か遡行した記事があった筈。最後に水の木沢かモロクボ沢を登っ
てみたいと書いてあった。だが、水の木沢は谷歩きというより、ヤブこぎコース
で、ひどい密生のため登頂コースはとらぬ方がよいという記事を見つけ、それで
はとモロクボ沢を探す。
「モロクボ沢」、あった。畦ケ丸、シャガクチノ丸の稜線を境に中川川の源流
のひとつと、もう1本は、道志川のモロクボ(室久保)沢には、山道が延びてい
るようで、たぶん中川川のモロクボ(室窪)沢だろうということで出掛ける。
出発前日に決まったことで、どうにか手に入れた5万分の地図1枚を頼りに、
行くのだから、かなりいい加減なものだ。その地図も入渓まもなく、落してしま
い捜し拾いするのに、少し戻ったりして、珍道中が始まった。
手白沢分岐の出合から、沢に入るものの、堰堤やキャンプ場の中を出たり入っ
たりで渓相も、単調な感じで、これは失敗ものかと思ってしまう。4つの堰堤を
過ぎると、いきなり大滝が現れ、驚かされる。荘厳な水しぶきをあげ、ほぼ垂直
に切り立った滝に、思わず見入ってしまう。
攻略するとすれば、右側だろうが、道具なしでは手も出そうにない。左側に急
だが巻道があり、滝の落口に出られる。その後も、小滝や、ナメ滝が続き、最初
の平凡な渓相とうって変わって、評判どうりの沢であった。2名の釣り師と出会
う。地図から見た感じで、最後の詰めは、ヤブこぎを覚悟したが、予想に反して
というか、名前の由来を思わせるような、急な窪地、モロ
クボといった所をは
い上がる。すんなり登山道に出て、見通しの効かない畦ケ丸の頂上で一休み。西
沢の下棚を見学して、車を置いた西丹沢自然教室の前に戻った。
中川温泉に入り、帰りは道志川の釣堀で半日遊ぶ。夜、偶然走った道でホタル
が奇麗に飛び舞う場所を見つけた。
コースタイム
西沢出合6:50−手白沢出合7:25−大滝−第5堰堤8:37−
水晶沢出合10:10−稜線10:36−畦ケ丸10:42/57−
西沢出合11:50