ら・ねーじゅ No.252
1997.1月号
湯桧曽川
大倉沢
96/10/12(土)〜13(日)
鈴木鉄也、(大木)
体育の日が用事と重なり、少し大きな沢の予定が、また計画倒れ。
ここのところ、毎週末が雨天混じり。今回も予報があてにならなくて、ヤキモ
キしながらも、間近になって、9月に行きそびれた大倉沢をと、口にしたものの、
北岳バットレスとか、北鎌尾根やらと、事前に誘われた手前、誰も話に乗ってこ
よう筈もなく、一旦は諦めかけたが、大木さんが同情してくれた。土日だけの利
用で、またしても出発間際の予報まで、雨だったが、出掛ける。
結果は、紅葉と、白いスラブと、何れも快適に登れる滝と、楽しい沢登りであっ
た。贅沢を言えば、もう少し晴れて、青い色が混じれば至福であった。
10月12日(土)曇り
朝方まで降っていたが、土合で、又降り出してきそうな雲行きを伺いながら、
行ける所までということで、一ノ倉沢の駐車場まで車で移動した。
湯桧曽川沿いの新道に降りて、武能沢から入渓。さらに小1時間程で、見覚え
のある十字峡だ。正面の50m、抱返り沢を見上げて、右の対照的にこぢんまり
とした、大倉沢出合の滝を登る。当然ながら、水量は1/3となる。5・6m位
の滝や、10m、15mと、飽きない間隔で滝が出てくる。
大滝40mを越えると、滝はスラブ状となる。ブロックの残骸は、ちらほらと
は残るが、沢筋を埋めているのは、二俣下あたり程度である。
その両俣の間には、大岩が鎮座している。左俣は、スラブの下に連続した滝を
抱え、すぐ右に曲がる。曲がった先でゴルジュの中に5m程の滝。左壁を巻くよ
うにシュリンゲが垂れ下がっていたが、滝芯に近い右を登ることにした。滝上の
右側に大きな丸岩が突き出ている。右壁と、その丸岩の間に3個ほど岩が詰まっ
ていて、それを利用して最後は、はい上がる。取付の中段に、残置ハーケンがあっ
たが、手で抜けてしまった。空身で登ってから、ザイルでザックを引き上げた。
黒っぽい滝で出合う左の沢を分けると、一段とゴルジュが狭くなる。そこを抜
ければ、スラブ状の大ナメ滝となる。やがて、赤ザレた感じの大スラブが左に見
えてくる。スラブ帯の終わり辺りで、右の小さな流れを分けて、左の本流に入る。
25mの滝だ。右側を登って、途中から左に移り、滝上に出た。
スラブ状、階段のように波打った連瀑帯となるが、快適に登る。
水量4:5、左が10mの滝で出合い、池のある場所に出る、支流のようであ
る。水量の少し多い右俣に入る。
その上で再度、空身で登ってから、ザイルを出して、荷物を引き上げる。両岸
が狭く、右壁を登ると途中に残置ハーケンにシュリンゲが垂れ下がっている。樋
状の所が、少し滑りそうな感じだ。
その先で、5:4の水量で再び、二俣となるが、本流を詰める。そろそろ水が
消えそうになるので、ポリタンに水を補給した。さらに、水の全く流れていない、
沢を左に分けて、水の流れる右沢を登ったが、カレ沢の方が、ずっと登り易そう
だ。
急な熊笹帯を少し登る。真っ直ぐ上まで熊笹が見え、左に紅葉した草原状の平
地が見えた。左にトラバースして、暫く寝そべった。
うまく登らないと、草付は、足を取られて疲れる。ほんの少し、ハイ松帯を登
ると、稜線の縦走路に出る。
笠ケ岳の避難小屋は、先客が居り、白毛門の山頂でビバーク。夜、雨が結構降っ
たが、中までは濡れずに済んだ。シュラフカバー1枚だったが、思ったより寒く
はなかった。
コースタイム
一ノ倉沢出合6:25−武能沢出合7:20−十字峡8:30−
4段25m9:20−大滝40m10:00−二俣10:25−
大ナメ帯11:20−25m出合の滝11:45− 5m滝12:30−
源頭草付13:30−稜線14:25−笠ケ岳避難小屋15:15/45
−白毛門16:20
10月13日(日)曇り
ガスのかかった、山頂から、草露でズボンをグショグショにしながら、白毛門
を下る。
一ノ倉沢出合に置いた車を取りに行く。紅葉見物の観光客で、道路が混みだし
た。湯桧曽温泉で、汗を流して帰った。
コースタイム
白毛門6:25−登山口8:00−一ノ倉沢出合9:00