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ら・ねーじゅ No.256
1997.6月号


白山                            

                         1997年5月4日〜5日 
                         L岩毅、西川克之、武部慎 

5月4日 晴                                
 越後駒ケ岳を目指して、午後2時東京駅で待ち合わせて出発した。5時半、六日 
町あたりから見るといかにも雪が少ない。稜線は黒々としている。判断しかねるの 
で、大湯まで入って見上げると、小倉山付近はとてもスキーになりそうにない。頂 
上近くでやっと可能というところか。白山に転進を決め、再び高速に乗り、車中で 
コンビニの弁当を食べながらひた走る。富山県〜石川県で寒冷前線の雨とぶつかる 
が、午後12時近く市ノ瀬に着いたころにはやんで、好都合かと思うとそうでもな 
く、夜中にまたかなり降った。道は市ノ瀬の先の柳谷川の橋の手前で通行止めになっ
ていて、そこの駐車場にテントを張って寝た。                 



5月5日 朝小雨のち晴                           
 6時に起床した時はまだ小雨が残っていた。7時過ぎとりあえず出発する。まも 
なく雨もやんで、だんだん晴れてきた。ショートスキーをザックに着け自転車のパー
ティーに追い抜かれる。スキーを担いで雪のない車道を延々と歩いて別当出合に着 
いた。道は雪がないが、別当出合休憩舎の周辺は残雪がある。砂防新道に入り、林 
道と登山道が交差する1500mの小屋でシールに替えた。12時ごろ甚之助ヒュッ
テあたりでは上部は雲が次々とわき出して、ちょっとあやしげな様子。連休で登山 
者休で登山者は多いが、驚くべきは他の山と違って20代が大部分である。南竜ケ 
馬場のコースを登る人も多い。                        

 甚之助ヒュッテの上の急斜面を登るとトラバースし急な沢になる。私はトラバー 
スの手前で、武部さんも沢の手前の夏道が出ている所でつぼ足にしたが、岩さんは 
シールで通した。黒ボコ岩を通って弥陀ケ原に出ると、晴れ渡って正面に頂上御前 
峰が見え、傾斜も緩いが、この先も相当長い。ひたすら足を運んで頂上直下の溶岩 
柱御宝庫に着いた。実に長い登りだった。市ノ瀬が850m、頂上が2702mだ 
から、1850m以上の登りである。スキーをデポして頂上に登ると、御岳、乗鞍 
はもちろん北アルプス全山が見渡せる。家に帰ってから、13年前の記録を見ると 
「八ケ岳、甲斐駒、北岳、荒川、赤石まで見える」と書いてあった。そんなに見え 
たのかという気もするが、書いてあるのだからほんとうだろう。その時も朝は午後 
より断然見通しがよかった。                         

 御宝庫から滑りだす。雪質はザラメで悪くない。弥陀ケ原の大斜面、黒ボコ岩の 
下の急斜面とトラバース、砂防新道の尾根と、どんどん下って1500mの小屋で 
スキーは終わりしばし休止。立ち止まるとムシがうるさい。またスキーを担いで延々
と帰り道を歩いて、午後7時近くにやっと駐車場に到着。よく滑り、よく歩いて、 
満足した。白山の場合はリフトやロープウェイといった文明の利器が全く使えない 
上に、この時期は車道も途中までしか開通していないので、山を堪能するために好 
条件を備えていると言えよう。                        
 これから、また長い家路がある。もう新幹線にも間に合わないので、福井に抜け、
北陸道、名神、東海を走り一人ずつ順番に家を経由して帰った。武部さんは6日の 
午前2時半、私が家に着いたのは午前4時過ぎで空は明るくなりかけていた。   
                               (西川 記) 


【コースタイム】                              
市ノ瀬7:12 −> 別当出合8:45/9:15 −> 1500m小屋10:
10/10:20 −> 甚之助ヒュッテ11:52/12:20 −> 黒ボコ 
岩13:40 −>御宝庫14:40/15:00 −> 御前峰15:10/  
15:25 −>御宝庫15:30/15:45 −> 1500m小屋16:30
/16:50−>別当出合17:30/17:40 −> 市ノ瀬18:55   

ルート図省略(後日掲載)                          


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