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ら・ねーじゅ No.260
1998.3−5月号


会津駒ケ岳 中門岳             
                       1998年4月19〜20日 
                                鈴木鉄也 


 初の会津駒ケ岳は視界もない雨模様のスキー滑降だった。ずーっと蟠りのまま、いつか晴天を狙って再訪したいと思っていた。

 だから土曜日のカミナリ混じりの不安定な予報を嫌って1日ずらし、日曜日に登り始めることにした。

4月19日(日) 晴れのちガス

 全国的に初夏を思わせる陽気になるとのこと。樹林の切れる所まではその晴天を期待できるように、晴れ間が追いかけてくる感じだった。

 大戸沢岳から源六郎沢への斜面が視界に広がってきて、最高の1日になると思いきや、ガスが広がり出し、当りに木が見えなくなるとホワイトアウトとなるかすかに残るトレースを追うと駒ノ小屋に到着。ガスの中は風も強めだ。西側のツガの木際にテントを張る。吹き溜まりのような所の雪を削って、大きなブロックを積み重ねて風除けにする。午前中は少し不安定な気候だと言っていたので2〜3時間もすればガスも晴れ、風も止んでくるだろうとテントの中で天候待ち。時々、人の声が小屋の傍から聞こえてくるが、昼を過ぎると、その気配さえなくなる。

 日没間際でやっと視界が良くなるが、風はビュービューと音を立てている。


コースタイム
登山口駐車場6:00→駒ノ小屋9:25


4月20日(月) 快晴

 日没間際でやっと視界が良くなるが、風はビュービューと音を立てている。

 風はまだ治まらないが、視界は良さそうなので駒ケ岳山頂へ登る

 上空はブルースカイだが、遠い山脈の高さにシルクのスクリーンを立てかけたように、紫雲が立ち籠り、少し気掛かりだったが中門岳へ滑り込む。

 広く緩やかな起伏があるが、まだ少し堅めの雪に、あっという間に滑ってしまう。

 中門岳から西に派生する尾根に入るともう雪質はザラメとなり、ルンルン気分で滑って行く。尾根の高みを辿るより、北側の斜面をうまく使うと広く快適だ。

 1750mの標高を過ぎると、斜度が落ち木も少し混んできたので登り返すことにした。とは言え、中門沢に滑り込む、幾つかの可能性の高い斜面を確認し、次回へと夢が広がる。スネークスキンを強めに貼り、1時間程度で中門岳へ登り返した。広い山頂を一回りし、中間点となる2094mまでシール歩行。

 もう、暑くなってきた。ここから御神楽沢1750mの合流点まで、評判通りの滑降を堪能できた。

 駒ケ岳の登山口過ぎと、中門岳西尾根と、そしてまたカモシカと出会う。声でも掛けたい気分だ。

 1750mで御神楽沢は、流れが出てくるが、横断は全く問題ない。 正面に続く樹林の斜面を登り始める。汗が吹き出してくるが、日影を選んで登ると楽だ。

 駒ケ岳は、照り返しが強く、日影もないのでフライパンの上に居るようだ。源六郎沢へ一滑りして、テントのある駒ノ小屋へ戻った。月曜日だというのに、樹林帯の下りで2パーティーとすれ違う。テレビ塔の手前で下ノ沢寄りの斜面から夏道へ戻るのに、また一汗かく。テニスコート脇の駐車地点までも、スキーを担いで、最後の大汗をかいての下りとなる。

 駒の湯で一人ゆったり温泉に入り、駒ケ岳、中門岳周辺のスキーでの稜線漫歩を楽しんだ充実感に浸る。


コースタイム
駒ノ小屋6:15→駒ケ岳6:30/40→2094m6:55→西尾根1750m7:15/25→2094m8:38/55→御神楽沢1750m9:08/30→駒ケ岳10:30→1850m10:45→駒ノ小屋10:55/11:25→林道12:10→登山口駐車場12:30

【概念図】


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