Last Update : Aug 30, 1998  戻る

ら・ねーじゅ No.260
1998.3−5月号


妙高焼山周辺                
                        1998年4月29日〜5月1日 
               メンバー:鈴木鉄也、(荒木4月29日〜30日のみ) 


4月29日(水) 快晴、上部はガス
 笹ヶ峰の先で、道路に雪が残り、少し戻った黒沢に架かる橋の所に車を停めた。林道はジープなら入れる程しか雪がなく杉野沢橋までスキートラーゲン。

 シールを着けて歩き始めたら間もなくカーブの所で崩壊地のようになり板を外す。その先もう一ヶ所、岩場をトラバースするような箇所がありまたスキーを外す。

 滝沢からは、すっかり雪の消えたジグザグの登山道を、板の引っ掛かる木を気にしながら僅か登れば、台地状となる。テントを張った。

 その先の尾根は見るからにして黒々で、とてもスキーどころではなさそうだ。大地の真中の沢に雪が残る。上で少し雪が途切れるが、尾根の方に出ればまた雪が多くなる。

 細く残る尾根筋の雪を使って小さなアップダウンとなる。また広くなるが急になるものの雪が多く快適に登る。再び細い尾根を登りきり、樹林帯の広い尾根となりスキー向きの斜面となる。そのまま天狗原山に続く白い斜面が延びているが、今日は生憎そこから先はガスの中で、雨も降って来る。1950mで切り上げて滑降することにした。

 下は天気も良く、初日の滑降を楽しんだ。

コースタイム
笹ヶ峰7:30→滝沢出合上台地10:30幕営→1701m11:15→1950m12:50/13:10→幕営地14:00


4月30日(木) 快晴
 金山谷は、下はもう難しそうだが十分まだ滑れそうだし、金山のエリアもまだ真っ白である。とは言ったものの、雪は例年になく少ないし、上でガスられたら厄介なので、朝起きて快晴以外は取り止めと決めていた。
>  予想に反し、雲一つない上天気。焼け山北面までガンバロウと出発。薬師岳に繋がる1750m辺りで荒木さんが体調不良を訴える。連休後半は天気が良くなさそうだし、ここまで来て惜しいが致し方ない。時間的にも十分焼山北面まで今日中に行けそうだし、あまりにも天気が良すぎて残念だった。妙高高原駅で荒木さんを降ろし、一人笹倉温泉へ向かう。

 直江津の海鮮市場で生のうに、サザエと毛ガニを1パイ買い求め、あけび平の入り口まで車で入り、1人では贅沢な食事をする。地元の人が車で上がってきて、「スキーどころじゃないんじゃないの?」と言わんばかりに、「雪がないから他へ移動したら」と言われた。電話をかけに戻り、焼山温泉の傍で車中で寝る。

コースタイム
出発6:15→1701m7:30→1780m9:00/11:30→笹ヶ峰駐車地点13:30→焼山温泉17:00


5月1日(金) 快晴
 全国的に雲が出始めるとのこと。当初より休養日と決めていたこともあり少し遅めに起きたら、今日も快晴である。519m地点の橋のかかる笹倉温泉キャンプ場に車を置いて出発。行動食とツェルトをザックに入れ、地図も「湯川内」の一枚だけにし、夕方には天気も崩れ始めるだろうから日帰りの予定とした。

 つづら折りの林道は途中まで車で上がれたようだった。アマノ平の先が急になる右側が雪が途切れ、左に旋回して行く。こちらも雪が消えている。斜めに木の生えた斜面をてこずりながら汗だくで登る。

 さらに雪の繋がっていそうな空沢山よりへ大きく左旋回して行くが上で結局スキーを外した。

 やっと北面スロープの広々とした台地に出ても、雪が少ない分ブッシュがひどく時々歩くスキー板が引っ掛かる。賽の河原ほど深くはないが坊々抱岩までに6〜7本あるカレ沢横断とヤブ登山のような潅木帯の横断に閉口してしまった。

 最初は、上に上がった方が沢も浅くて木の間を行ける。もう1850m辺りまで登ってしまった。

 途中の大きなカレ沢は細い木に何とか捕まりながら降り、登り返しもここしかないような急な斜面をどうにか這い上がった。もっと低い地点から回り込んでおくべきだった。

 ヒーフー言いながらも、急な方斜面の先に大きな坊々抱岩が見える場所まで到着。ここまで上がるともう引き返せない。天気は1日持ちそうだし、ツェルト1枚あれば1ビバークくらいは可能である。金山谷を滑って下の緩い尾根末端辺りに日没まで到着すれば、明日少し位天気が悪くてもと欲が出てくる。

 緩い肩に出て、またブッシュだらけの斜登行をして行くと、水無谷の最源流となる滑降向きの沢筋の登りとなる。富士見峠への最後の登りである。妙高山の地図を置いてきてしまったことを悔やんだ。もう足のマメが潰れそうで痛い。沢筋の頂点に出て富士見峠に回り込む。金山一帯はまだたっぷりと雪に覆われている。裏金山手前までは、所々雪が消えている。この分では金山まであと2時間は必要だ。稜線でのビバークは明日の天気から見れば控えるべきだ。金山谷の滑降時間が読めないだけに苦慮する。登った天狗原山の尾根も滑れる。少し迷ったが、見下ろす地獄谷が真っ白に、さらには裏金山谷の間の広い尾根に取り付けそうな所も見えたのであっさり予定変更。

 暫し、広い谷を気ままに滑る。傾斜が強くなる手前で、次の尾根に登る。こちらも広い斜面が続き滑降を楽しむ。真川の緩い谷筋は既に水流の見えている状態なので、尾根の最も張り出した部分を目指す。ほんの最後で雪が途切れた。合流点のスノーブリッジで裏金山谷を渡り、少し滑ってから次の金山谷の間の尾根へ雪の斜面を上がる。

 上がった所が小さな枝尾根で、再度雪が途切れ板を担いだが、間もなく赤い印のある夏道と出合う。

 随分と判りにくい道だが、無事に金山谷にも降りられ、天狗原山へのベースにした台地に到着。

 2〜3日前に白かった所も、だいぶ黒々として、雪融け水も多くなっている。笹ヶ峰には電話もなく、キャンパー以外、帰る車も無さそうだ。仕方なくトボトボと歩いていると、ワゴン車が止まってくれ駅の近くまで載せて頂くことになった。

コースタイム
出発7:30→1350m11:00→坊々抱岩13:00→富士見峠14:00/14:05→金山谷出合15:30→杉野沢橋16:50→笹ヶ峰17:45



                                   (鈴木記) 

                                  電子化 作野 


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