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ら・ねーじゅ No.261
1998.6−7月号


乗 鞍 岳                      
私の98GW山スキー行顛末記

                         1998年5月3日〜4日 
                           メンバー:作野他3名 

〔プロローグ〕それは強い南風で始まった。                  

5月3日(日) 大雨後曇り                         

 天気予報は前々日から「GWの前半、日本列島はメイストームで大荒れ。」を告げてい 
た。私の目論見では、朝鮮半島にある発達した低気圧から出る前線は、5月2日には長野 
北部を通過し3日は曇りの予定であった。しかし太平洋の高気圧が意外に強く、低気圧の 
動きが半日遅れた為、栂池は3日未明から大雨に見舞われた。             
 そこで、当初計画の雪倉岳は諦め、今日は温泉巡りと決め込んで温泉探しをしたところ、
姫川温泉に決まった。しかし温泉に入る前に木地屋から蓮華温泉にいたる道にはどこまで 
雪があるか確かめようということになり、平岩から道を遡ってみたところ、今年の雪の無 
さにびっくり!なんと、なんと、白池を通り過ぎ、八丁坂もヒワ平の近く(標高1200 
m位)まで行ってしまった。蓮華温泉からの下山者に先の状況を聞いたら、「下山にはす 
べて車道を使うよう指導されて、ここまで約2時間を費やした。」と雨に濡れて疲れきっ 
た様子で話しをしていた。たまりかねて、「平岩までどうぞ。」ということで、3人の登 
山者を送り届けたが、今年の少雪は並大抵のものではなく、土地の人によると30年ぶり 
の雪の無さだとか。私の仲間もヒワ平から朝日岳を見てその雪の無さにビックリ! 普通 
ならこの季節真っ白なのに斑模様だったと言っていた。                

 さて、姫川温泉で湯に浸かったが、その旅館は95年の大雨で宿の下が洗われ露天風呂 
が流失してしまったとか、姫川温泉も何かうら寂しく感じられた。湯に入りながら、明日 
は日帰りで乗鞍岳に行こうと言うことになり、民宿を予約しようとしたがGWの最中、温 
泉付きの民宿は皆満員で、民宿組合で紹介されたのが、私が初めて山スキーで乗鞍岳に行 
った時に泊った「桜木荘」であった。一泊7000円で、たらふく山菜の天ぷらと馬刺し、
岩魚の塩焼き他盛りだくさんで、朝食も豪華で大満足であった。            


〔乗鞍岳山スキー報告本文〕それは約20分の快感であった。          

5月4日(月) 晴れ                            

 低気圧の通過後天候は急激に回復し、今日は晴れの予想が出ていた。朝起きると乗鞍岳 
は全山朝霧に覆われていた。8時11分観光センターを通る位が原山荘行きのバスに、ゲ 
ート手前の三本滝の所で乗ろうと、7時半に宿を出たが、三本滝に行って驚いた。人がい 
っぱい(既に一台では乗り切れないほど)バス停に並んでいるではないか。みんな考える 
ことは同じで、観光センターから乗ると1800円取られるが、ここからだと1100円 
なのだ。8時25分頃バスが来たが、既に少し下からの乗客を乗せていた為とても我々の 
所まで順番が回って来ない。2台目、3台目のバスは臨時にバス会社が出したのであるが 
これは下で既に満員、三本滝ではひとりも乗せられない。そこで我々は先の3台のバスが 
位が原から帰ってくるまで小一時間待つ羽目になり、ようやく9時30分頃バスに乗れ、 
10時前位が原山荘についた。一時はどういうことになるかと思ったが、予定より1時間 
遅れの10:03位が原山荘前を出発した。雪は前6月初め来た時より少ない位である。 
既に道路は肩の小屋付近まで除雪されているのか、ない。這い松がいたる所に出ていて、 
途中一ヶ所スキーを脱いで這い松帯を抜け位が原に達する。肩の小屋雪渓下のトイレのと 
ころは道路が露出しているのでスキーを脱いで渡る。ここまでちょうど約50分かかった。
一休みしてこれからのルートを見る。朝日岳と剣が峰のコルからの雪渓が登りも下りもよ 
いように見え、大勢の人も登っている。2800m位までシールで登る。その上は急斜面 
となりツボ足に切り替えスキーは引張って登る。朝日岳と剣が峰のコルに12:05着。 
ここで大休止、昼食とする。対面のコロナ観測所、肩の小屋その他回りの景色も最高。時 
折ガスが岐阜県側より湧いてくるが絶好の登山日和。昼食後、剣が峰を往復する。3回乗 
鞍岳に来ていたが、今回が初めての頂上でありようやく登れたと言う思いがした。頂上小 
屋付近の鞍部からの雪渓も滑り応えが有りそうであり、大勢の人が滑っていたが、出だし 
は相当急で、下の方は這い松が出ていたので、今回は朝日岳と剣が峰のコルから滑ること 
にした。13時20分滑降開始。上部の急斜面はザラメで快適な滑りが楽しめた。途中か 
ら若干重い雪になったが快適にトイレまで3ピッチで滑り降りた。13時26分トイレ着。
そこでスキーを脱ぎ道を横断し、小休止の後一気に位が原山荘手前の道路まで滑った。1 
3:39位が原山荘手前の道路着。2:00PMの臨時バスにて三本滝に2:30PM着。
今年のGW山スキーを終えた。                           

 コースタイム                              
位が原山荘前 10:03 → トイレ 10:48/11:05 →      
朝日岳と剣が峰のコル 12:05/39 → 頂上 12:50/12:59 →
朝日岳と剣が峰のコル 13:09/20 → トイレ 13:26/30 →  
位が原山荘前 13:39                          


〔エピローグ〕それは朝帰りで終わった。                   

 乗鞍高原ゆけむり館の乗鞍岳が眼前に見える露天風呂で汗を流す。滑ったコースもよく 
見えた。満足感をたたえ、PM6時頃、松本I.C.にはいり、更埴ジャンクションに向 
かった。途中、シルエットの北アルプスが美しい。しかし、それも束の間、未曾有の大渋 
滞に巻き込まれてしまった。長野道−関越道経由で帰ったのであるが、途中広域農道を使 
って渋滞を避けたりしても結局東京に帰り着いたのがAM4:00となってしまった。  

                               (作野 記) 


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