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Oct 15, 1998
ら・ねーじゅ No.263
1998.10−11月号
天狗原山
1998年5月3〜5日
メンバー:武部 慎
5月3日(日)
非常に雪解けが早い年になった。妙高山山頂ですら黒いが笹ケ峰からは天狗原山の半分
から上は白かった。杉野沢橋から真川沿いに進もうとすると先ほどまでずっと雨が降って
いたのでであろう、ものすごい濁流で道が崩れていて引き返し少し高巻き気味に行こうと
思ったが20分位進んでやぶこぎでまた戻ってくるはめになった。結局杉野沢橋に泊まる。
真川沿いに偵察に行くとやはりこれがルートで間違いではないが、ものすごい増水であっ
た。靴は濡れる。
5月4日(月) 晴れ
昨日よりかははるかに水量は減り、靴は濡れないですむ。少し行くとへつるところが出
てきた。その最後の1歩が10cm程水に浸かって水中の岩をスタンスにして陸に上がる。
ザックが重いから跳ぶことはできない。おまけにスキーもある。ちょうどここの水量は深
く水流もばかにはできない。高巻きに決める。踏み後に従っていくと10m位登り、雪は
消えてホールドはなくそのわりには急で高度感もあるところをまずトラバースしてから細
かい凹凸の岩を降りて雪の末端に出て雪上を駆け下りる。こういうルートでまず始めのト
ラバースで、スキーを手に持っていたからスーと滑らす。狙い通り3mで雪の上に止まる。
1歩進む。どうも足首が曲がらなく落ちそうなのでザックを滑らす。ところが始めは滑っ
ていたのが3回転もしてはずみながら落ちていった。ぎりぎり水に落ちないで済んで助かっ
た。やっと空身になってゆっくり降りれた。次の難関は滝沢。この水量もぎりぎりのとこ
ろでスタンス確保のため大きな岩を2,3コ放ってバランスを取りやすくして渡った。急
斜面を登り1400mの台地に着いて雪があってホットした。 でも積雪量は数cmから
10cm。夏道沿いに進みテント場を決め、食料などをザックから出す。軽量化を行って
偵察に出かける。10分で行き止まり。雪は消えた。戻って夏道を行くが、とてもいい道
とは言えずスキーを持って(ザックに付けても)行くルートではなかった。小さな沢に沿っ
て踏み後がありそれを辿る。唯一雪が続いているルートであった。部分的に雪の層が薄い
ところもあり緊張する。しばらく行くと雪が安定して(流れる水の音は聞こえるが)シー
ルで登る。ところどころ石や木の枝がたくさんあるので脇に寄せながら登り、スキー場と
した。もう石などは落ちきった感じだ。 標高差150mで小さな滝となり行き止まりに
なった。今日はここを滑ってはボケーとしていた。
5月5日(火) 晴れ
とりあえず昨日のところへ行く。昨日よりも雪の層は薄くなっているのがわかる。ザッ
クを置いて1本登って滑る用意をしていると滝で行き止まりのはずなのに、上から人が降
りてきた。結局その人に感化されてザックまで滑ってから上に登ることにした。滝で左岸
のやぶを始めは木にぶらさがってなんとか乗っこす。ひどいやぶで何度登るのをやめよう
かと思ったことか。標高差100m以上のやぶこぎで稜線にでると雪がありほっとする。
さっきの人のトレースはない。ここから少しシールで行くがすぐに雪がとぎれ稜線上はす
ごいやぶとなった。スキーはたばねて持って北側から巻いてまた稜線に戻ってシールで登
り、雪がとぎれ稜線上はすごいやぶとなりの繰り返しだった。山頂直下の急斜面は黒い中
に何本かの雪の縦線があるが、そこをスキーで滑るなんてとてもできない。で、上に登ら
ずに1800mから北東に雪の斜面を滑ることにした。1640mまでわずかながら快適
であった。ここからはスキーはもう使えない。さて、登り返すか、金山谷を渡って隣の尾
根に出て(約50mのヤブこぎ)その尾根を下って(雪は付いている)夏道に出てテント
に戻るか。とりあえず、スキーを持って降りた。しかし、どうも金山谷は水がでていて渡
れそうになくやはり登り返すことにした。稜線近くから大トラバースして近道をした。稜
線からはせっかくだからスキーをできるだけ使った。(標高差50m)1701mのピー
クの先でやぶこぎの入り口に到着し気合を入れ直す。この下りでルートを間違えると沢に
降りれなくなるので心配であったが、無事に取りついた地点に戻れ木にぶら下がりながら
沢に降りられた。少し下ってからいつものコースをスキーで滑った。もうこのコースも明
日は危なくて滑れない。昨日と今日とでは雪解けで大分変わっている。テント場に戻り回
収して杉野沢橋に戻った。今度は10cm真川の水量が下がり、難関のへつり場は足を水
にぬらさなくてへつれた。ここではスキーとザックを別々に運んで突破した。
コースタイム
5月4日 杉野沢橋 6:30 → 1400m 9:30,10:00 →
偵察、沢筋でスキー15:00
5日 1400mテント場 7:00 → 沢筋スキー場下(アタック開始)8:00
→ やぶこぎ終了 9:30 → 1800m 11:00(滑走) →
1640m 11:15 → 稜線に復帰 12:10 →
やぶこぎ入り口 12:45 → 沢筋スキー場下 13:20 →
テント場 13:40,14:20 → 杉野沢橋 16:00
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