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小出俣沢、大穴沢                   
                            1998年10月3〜4日 
                          メンバー:鈴木鉄也、岩崎正隆 

 例年にない降雨が続き、週末にかけての天気予報にやきもきしながら遠出を諦めて、日 
帰りで出掛ける。土曜日のうちに水上から川古温泉へと向かったが、峠越えの仏岩トンネ 
ル手前で土砂崩れの心配ありという表示に通行止め。国道17号へと迂回した。     

10月4日(日) 晴れ、一時雨のち曇り                   

 千曲平までの小出俣沢林道も大雨による道路崩壊がすさまじかった。運動靴がグショグ 
ショになった林道終点で渓流靴に履き替え、ナメ床が奇麗に続く本流に降りる。     
 大穴沢の核心部である三段大滝まではそこから小1時間だ。手前の阿能川岳から直下す 
る右沢は去年は水無し状態だったが随分と水が流れている。              
 正面8m滝は手掛かりが豊富で易しそうに見えるが、見た目よりは遥かに微妙な登りを 
強いられる。昨年よりもやはり水が多い。次の滝は90度右に屈曲し、傾斜が増して乾い 
ていればフリクションで右際ルートを取れそうだが、さらに右の潅木帯へと逃げる。   
 三段目は少し土の付いたフェースを左上し、岩を乗越して終了。           
 すぐ上の滝つぼのある、流心に大きな木が埋まった滝。へつるようにして途中の木につ 
かまる。                                     
 穏やかな流れとなり、先に九の字状に曲がった滝となる。暫く進むと、12〜3mはあ 
りそうな衝立のような滝となるが右の岩盤の発達したガリーから登る。5m以下の滝が続 
き1,160m付近の二俣となる。                         
 右が心もち水流が多い。初めはここが大穴沢の右左俣分岐かと思った。        
 ゼフィルスの小泉さんが右俣遡行の記録を書かれているので今回は左俣を予定したので 
左に入る。                                    
 単純な感じの流れから、少し広めの樋状の流れが連続するようになり、5〜6mの顕著 
な滝や2m滝と続き少し狭まった所で段差のある二条に流れ落ちる滝となる。右から回り 
込むと上はm分流となっていた。どうやらここが二俣のようだ。右俣のスラブ滝が見えた。
左俣に入るとやがて大岩がゴロンゴロンした滝が続き左に黒い滝が出合う。周りの樹林一 
辺倒の景色から岩肌が目立つようになると傾斜も幾分か増し、80m位の四段に別れた滝。
数えようによってはその前後も連続した段差のある滝となっている。少し濡れながらも快 
適に登る。やがて行く手を阻む左からの滝を巻くように正面の草付へと上がる。     
 その先、渓相はクボ状となり右上の草付のテラスで小休止。沢床に戻った所で、ザイル 
等を置いて小出俣山を目指す。小雨が落ちてくる。                  
 水枯れとなり熊笹が被う。ガレ場や草付を回り込んで、苦しい熊笹の掻き分けを少し行 
くと稜線に飛び出す。                               
 赤谷川への降り口になる稜線や阿能川岳も少し見えていたがガスが立ち込め、視界が効 
かなくなった。                                  
 ノンビリする気にもなれず、下ることにした。時々強い雨となり心配になるが、水が濁 
ることはんかった。                                
 最後の大滝の下で、岩崎さんが足を挫いたようだが、難なく元の場所に戻った。    

 紅葉最盛期にはまだ間がありそうだ。右俣を下降しようと思っていたが急に崩れだした 
天気に早々と同じルートを降りた。下降路が悩む所だけに時間、装備、天気やらでその場 
での選択となる。                                 
 小出俣沢の分流であるマチホド沢は渓流の素晴らしさを凝縮したような見事な沢である。
比較するのも愚妹だが、本流となる大穴沢を去年、途中まで入渓してみて、是非、上まで 
遡行してみたいと思った。                             
 小綺麗な衣装で技を競うゲレンデを違って、大穴沢も喜怒哀楽を渓ごとダイレクトに表 
現しているようで、私が最も好む渓谷の雰囲気を持った沢の一つであった。       


 コースタイム                                  
川古温泉 5:15 → 林道終点 6:20 → 大滝 8:00 →        
1,160m分流 8:55 → 二俣 9:10 → 稜線 11:15 →     
二俣 13:00 → 大滝下 14:00/15:00  → 川古温泉 17:15 


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