Last Update : Mar 7, 1999  戻る

南天山縦走と両神山                   
                        1998年10月31〜11月1日 
                              メンバー:鈴木、岩崎 

 いつもながら鈴木さんのお供には骨が折れる。いや本当にひびぐらいはいっていたかも 
しれない。腫れがひどくて2週間も湿布をしていたのだから。             

 秋に上越方面の沢登りを計画していたが、予定していた湯桧曽川本谷が、大雨のため中 
止となった。そこで鈴木さんが以前から狙っていた、小出俣山の大穴沢へ行ったのだが、 
問題の下降中に不覚にも右足首をしたたか打ってしまった。              

 3週間たって、白沢さんと広沢寺へ岩トレへ行けたので、まあ大丈夫とみた。ゲレンデ 
は混んでいたが、良く晴れた秋の日に、岩場にザイルを伸ばしてゆくのは本当に気持ちの 
良いものだ。広沢寺は整備されたいいゲレンデだった。                

 かねてより秋に西上州や上武国境あたりの静かな山行がしたいと思っていた。バリエー 
ションとしては妙義山の他、赤岩岳や二子山の岩登りが知られているが、鈴木さんが南天 
山へ行きたいというので同行した。ちなみに南天山は埼玉県大滝村にある。       



南天山縦走                                    

10月31日(土)                              

 10月30日(金)の夜、鈴木さんの車で秩父の奥の中津川をめざす。        

 中津川で夜を明かし、神流川沿いの雁掛トンネルの手前で左に入る林道の入口に車を止 
める。朝食をとったのち、林道を1時間ほど進み、右から入る山吹沢を渡ったところで、 
左の河原へ下りる。対岸には赤布が垂れているが、登り口が分かりづらい。       
 
 少し右へ行った山腹を登るが、尾根上に道があると思われ、鈴木さんが左上してルート 
を見つける。南西にのびるほぼ尾根通しに急登し、1時間少々で南天山の西の肩に出た。 
反対側から来る一般ルートと合する。このあたりの紅葉は言われていたほど悪くない。左 
に進み鎌倉沢の道も合わさり山頂(1483m)となる。思っていたより晴天となり、両 
神山から赤岩岳の岩稜、南側には奥秩父の山並が展望できる。東側にはこれから辿る山稜 
がごつごつとして連なっている。鈴木さんは以前ここまで登っていたが、悪天の為、縦走 
を中止していた。                                 

 山頂から尾根づたいに急な登降を繰り返し、いくつかの岩場を越えてゆく。全山錦しゅ 
うに染まった静かな山稜を辿る。気温も上がり、半袖シャツになるが、ヤブが絡んできて 
腕が痛い。                                    

 1347mピークは岩峰になっていて、頂上には三角点があり、測量用の三脚がなぜか 
置かれたままになっている。ここからの下降が今日の縦走のハイライトなのだが、山頂東 
側から北東へ、廃坑となっている大黒へ下るルートが新しくできたようで、ピンク色のテー
プが所々に下がっている。我々も一度そのルートを下降したが、鈴木さんがコース紹介に 
ある正規のルート?(あくまでもバリエーションルート)へ行きたいと言うので、もどる 
ことにする。                                   

 山頂から北側の岩稜を下りだすが、踏みあとも今までほど明瞭ではなく、すぐに細い岩 
稜になる。左側は絶壁、右側は急なルンゼだ。ザイルを出して確保しながら20−30m 
程クライムダウンした先が、15m程の懸垂下降となる。岩は脆く、立木も枯れたものも 
あって、あまり人にお進めできるルートではない。ただ懸垂中の岩場には岩茸がびっしり 
生えていて、鈴木さんが食用に採取する。これは意外な収穫であった。登り返したピーク 
から今下ってきた岩稜を振り返ると、これぞバリエーションルートといった迫力で、私に 
とっては緊急下降を強いられた時のいいトレーニングになた感じだ。          

 車のある雁掛トンネルめざして、北東へ下る。まだ脆い岩場もあり、沢すじは行きづま 
るので尾根を下るが、河原に出るまで気は抜けない。                 

 明日も天気がよさそうなので、沢から両神山へ登ることにした。           

 雁掛トンネルを抜け、小倉沢をさかのぼり、落合橋の駐車場にテントを張る。さっそく 
先ほどの岩茸を調理する。 醤油で煮ると美味しく食べられた。中華スープに加えると、 
ちょっと薬膳風のスペシャルスープが出来上がった。 昨夜は寝不足なので、食後早めに 
就寝した。                                    


 コースタイム                                  

大黒 7:30 → 山吹沢出合 8:00 → 南天山頂 9:30/10:00 → 

1468mP 11:00 → 1347mP 12:00/12:30 →      

大黒 15:20                                 



金山沢から両神山へ                            

11月1日(日)                               

 駐車場から沢へ下り、下流へちょっともどって左から合わさる金山沢へ入る。紅葉につ 
つまれたなかにナメが続き、水は清らかにサラサラと流れ落ち、しばらくは日本庭園を思 
わせる美しい沢歩きとなる。ただ濡れたナメの上の落ち葉は滑りやすく、意外なところで 
悪かったりする。                                 

 上部のナメは200mはあるだろう。滝上で二股となり、左へ入る。しばらく登り、赤 
布があるところから沢を離れて左側の斜面を登るが、まだ沢づたいに行ったほうが良かっ 
たかもしれない。斜面の上は両側から壁がせまってくるが、その間を抜けて、尾根の上へ 
出られた。                                    

 たどり着いた両神山頂はハイカーの山で、狭い山頂は大混雑。ただ紅葉は綺麗で、赤岩 
岳へのびる山稜はほんとうに見事な色づきだ。                    

 八丁峠へ縦走して、車のある落合橋へ戻ることにする。途中の1660mピークから見 
た、大キギとキギノ沢の切れ込みはすさまじかった。                 


 コースタイム                                  

落合橋 7:30 → 二股 8:40 → 尾根上 9:40 → 山頂 9:50/ 

10:20 → 八丁峠 11:50/12:00 → 落合橋 12:30      

大黒 15:20                                 


                                  (岩崎 記) 


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