Last Update : 2012/01/20  戻る

乗鞍岳

1999年1月4−5日

メンバー:岩崎、武部

正月休みに乗鞍岳へ出かけてみた。乗鞍岳で滑るのは久しぶりで、90年の暮れに野麦へ抜けて以来となる。その時も一緒だった武部さんと、休暇が同じだったので出かけることができた。

初めの計画では、1日目に位が原の下まで登ってテントを張る予定だったが、山頂往復だけだったら、スキー場を朝出れば大丈夫だろうということと、乗鞍高原スキー場の横の国民休暇村に宿が取れたので、安易な方に決めてしまった。

1月4日

年末から続いていた冬型の気圧配置が緩みだし、5日には晴天が予想された。

練馬を6:30に出発し、順調に走って10:30にスキー場に到着。スキー場まで道に雪はあまりなかったが、気温は−5℃で、風が強く雪が舞っている。

休暇村の駐車場で身支度をして、レストハウスで昼食を取る。上部は吹雪いている様子だが、明日の為にトレースを付けるということで、位が原を目指すことにする。

リフトを3本乗り継いでゲレンデ上部へ。視界はあるが風が強い。積雪もまだ1mくらいで、ツアーコースもかなり籔が出ている。特に登り出しの急斜面は、コース取りにコツがいる。結局この日は2時間ほどかけて、位が原下の2400mまで登った。ここまで来ると寒気がすごい。新雪で気温も低く、期待した滑りだったが、意外に重く、思うように回ってくれない。雪ももう1mくらい欲しいところだ。

1月5日

朝起きると、部屋の窓から乗鞍岳の剣ヶ峰が朝日に輝いて鮮やかに見えた。風もおさまったようで、木立ちも揺れていない。

休暇村は正月料理でちょっと割高だったが、ホテル並みの施設で全く快適な一夜だった。

正月明けのゆっくリズムとその快適さゆえ、出遅れてしまい、リフトを乗り継いでゲレンデ上の着いたのが、予定していた9:00を大きく遅れてしまった。9:50に出発。それでも昨日と比べて雪も締まっているので、順調に登ることができた。単独のボーダーを追い越し進んでいると、外人の二人組のボーダーがえらい勢いで追い抜いて行った。なんとそのうちの一人はランニングシャツで歩いていて、それでも汗びっしょり。すごいパワーとスピードだ。

ツアーコース沿いに位が原まで登ると、風も出てきた。スキーアイゼンを着けて、シュカブラがうねる斜面を行く。今日は、穂高連峰から八ヶ岳、南アルプス、中央アルプスと一望でき、雲ひとつない最高の天気だ。

肩の小屋直下の斜面は、雪上車のルートを示す竹竿が続いて立っている。絶好の登頂日和なのだが、1時を回り、山頂往復は時間が厳しいので、肩の小屋までとする。小屋の脇で昼食を取っていると、中から人が出てきた。この小屋に名古屋大学の天文観測の人たちが冬季詰めているらしい。今日はその交代日で、雪上車で上がって来たということだ。

肩の小屋からの滑りは、出だしは雪の着きが悪くいやらしいが、その下は快適な斜面が位が原まで続く。ただシュカブラの発達がすごく、その段差は20〜30cmもあるので、気をつけなければならない。位が原から下は藪も多く、回転しにくい雪質で苦労する。スキー城まで戻ると3時で、やはり山頂へ行っている時間は無かった。4月位になれば日帰り往復も十分可能だろうが、この時期ではかなり厳しい行程となる。

という訳で、武部さんは天神平では須滑りを済ませていたが、私にはちょっとハードな初滑りとなった。スキー場下にある温泉施設、湯けむり館でひと風呂浴びてから、帰途に就いた。

(岩崎 記)


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