針ノ木岳周辺 蓮華岳大沢
1999年5月23日(日) 晴 《概説》 5月末にもなると、滑降可能なルートは限られてくることから、豊富な積雪量のある針ノ木岳は各地から多くのスキーヤーや登山者が集まり盛況を呈しています。 これに対して針ノ木雪渓に出合う大沢は殆ど人を見掛けませんが、針ノ木雪渓以上に快適な滑降が楽しめます。 《行動概略》 扇沢駅〜針ノ木大雪渓〜針ノ木峠〜蓮華岳手前〜大沢〜大沢小屋沢〜扇沢駅 扇沢駅に車を止め、駅左に付けられた登山道を歩く。登山道はところどころ舗装道路を絡むが、やがて左手から林道が入る。この林道は、谷の右岸へ向かっており、これを辿り谷の篭川本流に懸けられた砂防ダムを超える。ここで、この林道をたどらず、そのまま登山道を辿ると大変なので注意がいるところだ。 林道を忠実に辿ると、やがて谷は雪で一面被われる。これをたどり、大沢小屋付近に着く。行く手前方左には、今日滑る大沢右俣の全貌が見えるので、注意深く雪の状態を確認する。 ここからは、最奥の堰堤を右から越え、同志会のテントを確認して、針ノ木岳大雪渓を一歩一歩坦々と登る。多くの人が登っているので登りやすい。谷は、マヤクボ沢出合付近で一旦緩やかになるが、これ以後針ノ木峠まで急登が続く。 針ノ木峠からは、ほぼ夏道をたどり大沢右俣の滑り出しに出てスキー滑降に移る。 滑り出しの斜面は、蓮華岳寄りから滑るものと、その手前から滑るものと2通りあり、その中間がブッシュで画されているが、手前の斜面を滑った方が広く快適な滑降を楽しめる。 広い斜面を滑降後、谷はインゼル状となっている。ここは、どちらの斜面を滑っても良いのだが、左は斜面が広いものの急であり、右は斜面が比較的狭いものの傾斜は緩くなっている。ここを過ぎても、相変わらず快適な斜面が連続する。やがて、谷は中間部で一旦狭くなり、石もところどころ雪面に散乱しており、短い区間ではあるが慎重に滑る。 これを過ぎると谷はまた広くなり、針ノ木雪渓末端の出合まで快適な滑降が楽しめた。 最後は、スノーブリッジを渡って林道に出て扇沢に戻った。 滑ってみると、予想もしていなかったほど快適な滑降を楽しめる秀でたルートであり、シーズン最後の山行としては大変な収穫であった。 【同行者】 鈴木 高 他5名 【コースタイム等】 扇沢駅(7:20)大沢小屋付近(8:20)針ノ木峠(11:45/12:20)蓮華岳手前(13:15/14:20)大沢小屋付近(15:30/16:00)扇沢駅(16:40) 【山行適期】 5月上旬〜6月上旬 【1/25000地図】黒部湖 記:酒井正裕 |