Last Update :Sep 6, 1999
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  9月定例山行  丹沢 水無川 新茅の沢             


1999年9月5日(日)晴れ 

メンバー: L:岩崎 正隆、SL:小森宮 秀昭、蔵田 道子、森 雄広、鈴木 岳、橋本 幹生(記)


  8:20 渋沢駅 タクシー
  8:40 新茅橋
   *モミソ沢出合の懸垂岩にてザイルワーク(約1時間半)・確保技術、基本動作、懸垂下降
 11:00 沢登りスタート
 12:00/13:30 大棚下 
 15:00 鳥尾山
 16:20 林道
 17:30 大倉
 18:00 渋沢駅


 岩崎(L)以下小田急新宿駅 7:01発急行に集合して出発。渋沢駅で倉田さん、 森さんの2人と合流した。8:20 タクシー運転手との相談の上、林道に入っても らえることを確認してタクシー2台に乗車して出発する。結局林道に入って一 番始めの丹沢国定公園の看板の辺りでタクシーからは、降ろされてしまった。 料金は約2000円。
 近くの竜銘水で水筒に水を入れ、林道を歩き始める。空は快晴で暑くなりそ うだが、林道入口でも空気は下界とは大違いでさわやかである。森さん、鈴木 さん、橋本の3名の沢登り初体験組にとっては、暖かく、天気がよいのは幸いだ。

 新茅橋で朝食、装備装着、準備運動などをして、岩登り練習場所の懸垂岩に ついたのは 9:30。すでに大学生らしき先客多数がロープをセットして練習し ている。橋の手前でもヘルメットをかぶった一団と会うなど、大賑わいである。 大学生らしき一団には、ちょっと年配でラフなスタイルのおじさんが睨みをき かせ、ロープの絡みなどに注文をつけていた。
 8の字結び、プルージック結び、カラビナプルージック(バッチマン)結びと ハーネスへのロープセットの指導を受けた後、岩崎さんが支点にロープをセッ トして、練習を始める。練習は、メインロープにカラビナプルージックで結び 付けたシュリンゲで確保しながら登るもの。シュリンゲ末端をカラビナ(安全 環つき)経由でハーネスにセットする。登りはそれほど難しくはないが、下降 は足探りでホールドを探しながらシュリンゲをずり下げなければならないので、 ちょっと面倒である。私は降り方を知らなかったので、いわゆる懸垂下降と同 じようにプルージックの摩擦で降りるものと勘違いして、危うくそのまま下ま で落ちるところだった。

 ひととおり練習を終えて、11:00 頃沢歩きを始める。10分も歩かないうちに F1 が現れ、最初の滝を無事通過。あまり考えずにとにかく手足を動かしてい れば登れてしまうので、私のような初心者にとっては楽しい。
 F3 は高さ5mほどで右側は手がかりなく、左側はやや水をかぶっている。小森 宮さんに続いて私が登ったが、水にぬれるまいとあせって 2m くらいの高さか ら手を滑らせて落下。幸い水がショックを吸収してあまりダメージはなかった ものの、結局パンツまでずぶぬれになってしまった。
 12:00 頃 F5 の大滝に到着。12m はさすがに高い。高校生が練習していたが、 かなり苦労している様子。下で見ている分には、なぜあのホールドに気づかな いのだろうと思うが、これは岡目八目ということを後でいやというほど思い知 ることになった。蔵田さんと鈴木さんは高巻くことにして、初心者組では森さ んと私が挑戦した。
 ここも岩崎さんが先導してロープをセット。滝の近くで待っていると飛抹を あびる寒さで体がかじかみ、緊張が高まってくる。岩崎さんの確保で登り始め たが、登ってみると、下で見るのとは大違いで、安全なホールドをつかんだま までは一歩も動けず、無闇に動けばトップロープで宙づりになってしまう。な んとも情けないと思いながら腕を伸ばせば、袖から脇腹にかけて水が流れ込み 顔に水がかかって息をつく間もない。そのうちにプロテクションにロープが引っ かかって全く動きがとれなくなってしまった(それまでプロテクションを外す ことをすっかり忘れていた)。一度ロープを緩めてもらい、カラビナを外して ピトンにしっかり差し込まれたシュリンゲも回収したものか聞こうとして後ろ をふりむいたとき、体勢が崩れ、手が滑って3mほどバンザイ状態で落ちてしまっ た。またしてもずぶぬれである。ずぶぬれはよいが、ロープを緩めてもらった まま後ろを向いたのは、全くの不注意だった。
 小森宮さんにアドバイスを頂き、再度挑戦。下から見て覚えのあるホールド には立てるが、その先はやはりなかなか動けない。とはいうものの、手と足で 体を押し上げれば確保ロープがつり上げてくれるのでなんとなく上までたどり 着いてしまった。途中一箇所シュリンゲをつかんだことを除いても、自分の力 で登った気のしない登りだったが、とりあえず上まで行けた。
 上から次に登った森さんを見ていると、私よりもずっと早く滝の半ばまで 出たが、そこから下降。あとで聞けば同じように動けなくなったが、ロープに 引き上げられて登っても意味がないので下降したとのこと。私は非常に恥ず かしくなったものの、上まで登るのと降りるのとでどちらを選ぶのかと言われ れば、上まで登る方を選ぶ。性格の違いだろうか。

 大滝をからは小さな滝と沢、ガレが交互に現れる沢を登る。先頭の蔵田さん が小さな蛇を見つけた。ボールペンほどの太さの腹が赤い ヤマカガシが水たまりを泳いでいる。あまり知られてはいないが、 ヤマカガシには毒があり、噛まれて死んだ人もいるらしい。もっ とも、 ヤマカガシは積極的に人を襲うことは絶対ないといっていいほどおとな しい蛇だからこちらからちょっかいを出さなければ安心である。
 堰堤を越えて、川の流れが一度ガレの下に潜ったところで休憩。この先は安 全とのリーダーの判断によりハーネスを外す。さらに進むと再び水が現れるが、 じきにまた涸れて、ガレ場になった。滝につけられた地元遭難対策協会の標識 はF10が最後だっと記憶している。
 流れに水がなくなり、暑さにあえぎながら登っていくと、大滝を登っていた 高校生が高さ5mほどの大きなクラックの入った岩をザイルを使って登っている。 先生の話ではここは簡単に見えるが難しいとのことで、私は巻き道をとる。と ころが、巻き道を間違えて踏みあとに入ってしまい、落石を起こして登攀中の 人に迷惑をかけてしまった。

 その先、浮き石の多いガレ場を緊張しながら登り、烏尾山小屋に出たのは 15:00 頃。雲はだいぶ多くなり、しのぎやすかったが、日の当たる下界はまだ まぶしい。各自着替え、食事などして小森宮さんを先頭に下るが、ペースはけっ こう早い。小森宮さんは、昔は飛ぶように下っていたというが、どれほどのス ピードだったのか。
 三々五々濡れた服を着替えたりして林道を歩き、昨年完成という立派な「風 の大橋」を渡って大倉バス停に到着。「風の大橋」と河原の公園の整備に合わ せて、大倉のバス停と公衆便所もきれいに新築されていた。脇の売店は前のま まである。
 渋沢駅での待ち時間にリーダーが下山の連絡を済ませ、有志はビールを楽しんで 新宿駅にて解散した。

 個人的には事故につながりかねない間違いを何度も起こし、反省すべき点は 多いが、興味はありながらも踏み込めなかった沢入門ができたことは有意義だっ た。

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