Last Update :Dec 10, 1999
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月山

月山八合目より入山、姥沢へ下山が岩根沢口へ下山

1999年9月25日(土) 台風通過後の強風と雨 
メンバー:菅沼単独

 夜行の列車がほとんど無くなり、夜行で山へ行くのが難しくなってきた。仕方が ないので夜行バスを利用する。前夜池袋西口発の酒田・鶴岡行きに乗り鶴岡で降り た。到着は午前6時30分頃だった。鶴岡の街は台風特有の厚い雲が西から東へ相当 早く流れている。台風が通過した後なので仕方がないか。早く雲が行ってしまうのを ただ願うだけだ。7時発の月山8合目行きのバスに乗る。乗客はもう一人の登山者の みだった。バスは途中羽黒山神社を経て狭い道をどんどん登る。6合目付近から天候 が怪しくなり、雨が降ってきた。8合目に着いたときにはもうどうしようもない天気 になっていた。風雨を避けレストハウスで時間調整をする。ただ休むという場所がな く少し居づらい感じで、カッパを着て出発の準備をする。タクシーできた4人組が出 発の用意をし、雨の中を出ていった。こまできたらどうしようもないのでカッパを着 て出発の支度をする。

 レストハウスを9時過ぎに出発する。すぐに弥陀ヶ原の湿原で木道が続いている。 湿原のはじに御田9原参篭所があり、そこでお参りをする。大事に持ってきたレキの ストックを持っていないことに気がついたがもう遅い。道はさほど傾斜はなく置石が あって靴が濡れない様に登る。それでもしばらく登ると右足がビチョビチョになって しまう。風雨は一向に収まらない。道が掘れている部分を登るときは風が気にならな いが、広い草原状の所では時々ものすごい風が吹く。仏生池手前では歩くことができ ない程の風が吹きまくっていた。岩陰で風をよける。このあとは4人パーティーと前 後しながら、仏生池小屋へ登る。ここで時間調整・天候待ちとする。4人は11時頃 頂上へ向かうが、僕は時間もあるし、天候が回復しないしでもう少し停滞する。

 相変わらず強い風と雨が降っているが、11時30分頃、年配の団体さんが小屋の 前を通過して頂上へ向かって通り過ぎた。これをしおに、ずぶ濡れを覚悟して12時 少し前に出発する。風は少し収まったようだが、まあ相変わらずだ。ガスの中なので どこが頂上だかがよく解らない。傾斜がやや急になり、尾根の上を登るようなり、頂 上直下のやや急斜面を登り、12時30分頃、頂上神社に到着した。ガスで何も見え ない。三角点は別のところらしいが全く見えない。神社の物置で昼飯をとり、外はガ ス・雨だし、全身がビショ濡れだしで、今日の行動をどうするか考えた末、姥沢へ下 山し、帰京することに決めた。

 1時少し前に下山を開始する。神社の少し下にある月山頂上小屋の横を過ぎ、姥沢 への道を進む。広い尾根状になり湿原にはロープが張ってある。ガスと雨で予定の念 仏ケ原方面の道は確認できなかった。ロープのコースが二手に分かれていて、指導標 には湯殿山・ 姥沢とあったので、稜線は風雨が強いので左の巻道を下ることにした。本当は右の道 の指導標で左の道の指示ではないらしいことが後から解った。

 その結果、ここで大きな間違いを犯してしまう。南東へ下る大雪城への道と、少し 下の牛首から下る姥沢への近道とを勘違いしてしまい、一路大雪城の方へ下ってしま う。最初は道もはっきりしていたのだが、だんだん細くなり、お花畑に消えてしま う。途中に2ケ所小さな雪渓が残っていた。ここは雪渓の道で、雪が解けて草原に なっているので道がはっきりしないようだ。道がはっきりしない部分には、黄色とク ロのロープが引いてあり、それに従って下る。視界が悪く回りの様子が良くわからな い。足元にはリンドウの花が咲いている。稜線付近の草原部分を下りきると道が鮮明 になってくる。小さな岩場を下り潅木の尾根を下るようになる。少し下に分岐があっ て、清川行人小屋と月山への指導標があった。どうも2、3年前に手入れをした道の ようで、刈り払いされた道になる。

 途中から少し変だとは思っていたがここまで来ると完全に道を間違えたことがはっ きりした。いまさら元の道へ行けるはずもなく、このままこの道を下ることにする。 左手後方には清川小屋が良く見え、なかなか立派な小屋のようだ。下るに従いだんだ ん視界が良くなってぜんぜん違う道を下っているのがわかる。遥か遠くに月山ダムの 水面が見えかなり遠くまで歩かなくてはいけないことを知らされる。1300メート ル付近からは傾斜が緩くなり、尾根のアップダウンが続きいやな感じにさせられる。 大分疲れが足にきてしまい少しフラつき気味に下る。2ケ所程で足を滑らせ道をはず してしまった。それでもただ歩くしかなく、休まずにすたすたと下る。道に対する疑 問は解決したが、この道がどこまで下っているのかが見当もつかない。次の鞍部には きっと下る道があるのでは、と何回も期待を裏切られつつ下り、やっと3時頃登山道 工事の看板にめぐり合えた。それによるとこの道は本道寺登山道・岩根沢登山道とい い、それぞれ麓の国道から月山を目指す登山道らしく、そんなに多くの人が登る道で はないらしい。

 ここで、遠回りだが林道へ下れる岩根沢コースか、このまま山道で本道寺へ下る コースのどちらかを選ぶ決断をしなければならない。もう3時だし、あと2時間程で 暗くなり始めることなどを考えた末、岩根沢コースを下ることに決めた。この後の林 道へ出るまでの 1時間が尾根の上に付けられた道のためアップダウンが続き長く大変だった。途中か ら人の足跡があり少し安心する。やっと林道に出たときには頂上から丁度3時間後 だった。林道には大きな駐車場があった。みんな車でここまできて登るのかと知らさ れた。ここから4キロ下ったところに林道の分岐があって、営林署の頑丈な小屋が あった。中が汚くてとても泊まる気にはならない。もっとも入口にはカギが掛かって はいたが。人家は遥か下で相当遠く延々と林道が続いている。奥多摩とかでは造林小 屋とかがあるのだが、ここ豪雪地帯には皆無だ。足もだんだん限界が近づいてきてい るようで、はかどらない。林道を6キロ程下ったところで、もう5時を過ぎているの に、なんとこんな時間に車の音がする。軽トラックであることを祈ったが、ハジェロ だった。ここは何としてでも乗せてもらわなければならない。もう歩けない。それは 今日中に帰ることはもちろん、明るい内に人家へ下れるかどうかがかかっているの だ。

 気持ち良く乗せてもらえ、間違った話などをしながら、あっという間に舗装路に 出、しばらく下った所に岩根沢集落があり、国道とは大分距離があるようだった。車 だとあっという間だったが。結局間沢のバス停まで乗せてもらうことができた。30 分ほどだったろうか。5時30分頃にバス停に着いた。30分程待ち山形行きの急行 バスに乗った。辺りはもう真っ暗だった。山形から最終の新幹線で帰京した。

 今回は久しぶりに緊張させられたハイキングになった。どうも月山とは相性が悪い ようだ。もっと注意をしなければとだだ反省の月山だった。

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