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ズミ沢から滝子山

2000年1月16日(日帰り)
メンバー:梅原秀一(単独)
天候:晴れ時々曇り

 山スキーシーズンの前に気軽に登れる雪山に行こうと思い立ち、近年まったくはいていない皮製の登山靴を引っ張り出した。手入れを怠ったせいで皮がカビだらけのうえ穴まであいていた。そこでこの機会に、初めてプラクチック登山靴を買った。これなら手入れもいいかげんで大丈夫であろう。暖冬気味だがすでに1月。標高1600の滝子山ならきっと雪上を歩けるに違いない。プラスチック登山靴ってはき心地はどんなもんか、楽しみであった。
 立川6時43分始発は登山向きの電車らしく、登山者で満席だった。7時56分笹子着。ジョギングシューズをはいてジョグ開始。登山靴には、雪道になるまでザックの中で待機してもらおう。しかし重い。室内の筋力トレーニングを嫌う私には、これが唯一の筋力アップトレーニングになると思い我慢した。
 登山道はズミ沢沿いになると、水害の影響だろうか所々少々荒れている。しかし非常に美しい沢であった。原生林に覆われた沢のナメ滝は、この冬枯れの季節では重々しく荒涼としているが、紅葉の盛りであればきっと華やかなことだろう。
 滝子山山頂へは、北側から回りこんで登る。後ほど山頂より眺めると、なるほどと納得するが、南西面はかなり険しいからである。しかし、これまでブナやナラなどのすばらしい森林を楽しんできたが、標高1200あたりでは大規模な伐採が山容を痛々しくさせていた。
 山頂直下に鎮西が池という小さな水溜りがある。保元の乱の鎮西八郎源為朝の愛娘が隠れ住んだ地であるそうだ。ここでやっと消え残った雪を見た。それも1平方メートルほどだ。北斜面にもかかわらずその程度だった。結局はプラスチック登山靴を筋力トレーニングの負荷として背負って走ったということだった。よい練習になりました。神様ありがとう。あーアホラシ。
 三つ峠が間近に大きく見えたが、全般的に雲が多く富士も南アルプスの展望も得られないので、早々に南東の尾根を下山した。南面は自然保護地域に指定されていて、よい雰囲気の森林の中を下ることができた。
 初狩の町に12時下山。日の出鉱泉に電話して道順を尋ねた。駅前から20号線を1キロ強下った道路沿いにあった。普通の農家の家屋に隣接された厩(うまや)を改造して風呂をこしらえた、といった印象を受けた。おんぼろの笹子温泉の方がまだ温泉らしかった。
 プラスチック登山靴の性能テストはできずじまい。次のチャンスを待とう。勿論、八ヶ岳程度に出かければこの暖冬でも雪があるのだが、どうもピッケルだのアイゼンを使うのは億劫になってしまった。今度、東京で冷たい雨が降ったり雪がちらついたりしたら、翌日に電撃的に近場の山でこの靴を試すことにしよう。

記:梅原

 


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