Last Update : Feb 18, 2000  戻る

雨ヶ立山、布引山

日程:2月11、12、13日
場所:雨ヶ立山、布引山
ルート:宝川温泉→ 小屋付近キャンプ→ 雨ヶ立山、布引山→小屋付近キャンプ
→宝川温泉
天候:11日 BC:曇り→夜:雪
    12日(雨ヶ立山中間)終日ほぼ晴れ
    13日(布引山)BC:やや雪→山頂部:雪→林道部:曇り
参加者:武部    →リーダ
    鈴木(鉄)
    清宮
    松田
    藤田
    長谷川(太)
    橋本(幹) →装備担当
    槙田    →食料担当
    鈴木(岳) →山行報告担当

11日
初日、集合時間は宝川林道終点14:15である。本日のメニューはテント設営、ビーコントレーニング。
車組の長谷川(太)と私、鈴木(岳)は8:30浦和を出発。連休の初日ということも
あり関越は東松山ICから30kmの大渋滞とラジオで聞き、下道を行く。渋川伊香保からすいていた関越にのる。途中昼食などとり、集合時間前の13:40に到着する事ができた。
電車組の武部、清宮、鈴木(鉄)、橋本(幹)はタクシーで14:15に到着し、めでた
く合流。
シールを張り付け、身支度を整え14:30発。テント場予定地は宝川温泉と林道途中のトンネルの中間点にある平地部。途中ニホンカモシカ?に合う。なぜか逃げずにこちらをじっと見ている。だれも写真をとらない。
15:30テント場に到着。山小屋があることに気づく。山小屋の中は土間であり宿泊用として利用するのは厳しい。後続組が分かりやすいよう山小屋前にテント3張りを組む。人の出入りはあるが11、12日共に7人宿泊。「テント多し」との声があったが、ザックをテントに入れられるので快適。
4:00よりビーコントレーニング。道のすぐわきに探索用ビーコンを埋めた。ツボ足
では深くもぐってしまう。誘導法を試みるが回り込むために道の脇の少し高くなっ
ている所を乗り越えなくてはならず、なかなかたどり着けない。2人コンビで探す方
法も試みた。(2人直角に進みそれぞれ最も強く反応する場所を探しその地点から直交するところにビーコンあり。)
5:00松田現地合流。
5:30より各自で用意した夕飯に取りかかる。7:30より清宮氏個人でちゃんこを用意
していただき、小屋で飲み会となる。おいしいちゃんこありがとうございました
。小屋は暗くて寒い。早めに撤収し9:00就寝。

12日
5:00に起床の予定がだれも起きず5:30に起床となる。
武部リーダ用意のおいしい雑炊をたべて、7:30出発。出発前に輪かんパーティ7名が後方にいることに気づく。
武部リーダ曰く「よくこんな(おもしろくない?)山のぼるなー」
夜はずっと雪であった。約20cmの積雪。
9:00に雨ヶ立山登り口の板幽沢橋に到着。昨晩はかなり雪が降ったが、晴れて暖かいせいもあり、この時点ですでに雪は重くなっていた。小休止の後登り始める。主に杉林で、藪もこく木を払いながら登る。途中小休止を交え、11:00に1100m近辺の藪が薄い場所を見つけ雪訓場所とする。雪が柔らかいためスキーで登り降りし斜面を固める。ヘルメットをかぶり、アイゼンはつけず準備完了。武部リーダが講師となり、まずはキックステップで登り降りの練習をする。雪が固くないため所々もぐる。5回ほど登り降りの練習を行う。降りる時の方が難しいと感じた。耐風姿勢は5分ほどでおわり、次にピッケルストップの練習となる。尻もちついた形で滑り始め、からだを回転させてピッケルを打ち込んで停止する方法をかなりの回数練習した。急な斜面が短いためすぐゆるい部分になる。また雪がへこむため膝で止まってしまうことも多かった。ほんとに止まれるかどうかは、やはりてかてかの斜面でやってみないと解らないと感じた。その他ピッケルストップのバリエーションを2つ教わ
り数回練習し12:30今日の雪訓終了。
布引山のさきっぽが顔を見せる。雨ヶ立山を登るには時間が無いため滑り始めることに決定。その前に小休止。出発する間際、BCで見た輪かんパーティを小さいくぼみをはさんで向こう側を登ってくるのを見る。話し声から女性もいることが解った

滑降を開始するが、雪が重たいのと、木が濃いため快適ではない滑降となる。誤って初沢の源頭部を越えてしまい再度沢をわたることになる。雪がかぶっていても下は水が流れていたり、かなり深いこともあるらしい。早い段階で気がついて良かったが滑降中のルートファインディングは注意が必要であろう。藪をかき分けながら落ちて来て板幽沢橋のたもと2:00となる。結局雨ヶ立山は見えずじまいでどんな山かは不明のままであった。
板幽沢橋のたもとで今日合流予定の藤田、槙田に遭遇。2人はこれから少し登りに行くとのこと。
2人と分かれて林道をクロスカントリー。わずかながらの下り斜面で助かる。3:00BCに到着。到着と同時に山小屋の屋根につもった雪が落ち、危うくテントに直撃するかと思われた。冬はテントを張る際、屋根の下や、大きな木の下にテントを張らないよう気をつけるべし。今日は清宮と松田は山をおりる。お気おつけて。晴れているため、シュラフを乾かしたり、水が流れているので、水を作ったりと時間を過ごす。4:30先の2人がBC到着。夕飯の準備にかかる。今日は食担槙田が初めて作るシチューである。大変おいしくいただきました。(山で食べる食料はよほどまずくないと大抵おいしく感じる。)
大テントでお酒を酌み交わし8:30就寝。

13日
目覚ましを持っている槙田が真っ先に起き4:30起床。
先日は大根の葉と鮭の雑炊であったが、今日は昆布とサクラエビの雑炊で槙田の担当である(またも初挑戦)。今日は味がすこし薄めで先日ののこりの鮭雑炊の素を加える。作り方にもよるかもしれないが先日の雑炊の方がおいしかったか?雑炊の素の違いか?
夜は少ししか雪は降らず積雪5cm程度?今日は雪がぱらついており、多少先日より寒い。
準備を済ませ6:30BC出発、7:30板幽沢橋に到着。今日は橋を越えて布引尾根から布引山を目指す。
今日はラッセル訓練(といってもさほどもぐらない)。皆が順に先頭を勤める。判
断の難しい部分では鈴木(鉄)、藤田が先頭となる。(最適ルートを取ったベテラ
ンが下手なルート取りの新人を追い越す形となるだけの話)杉の植林畑を過ぎたあたりから尾根にとりついていく。登るほどに降雪が激しくなってくる。杉の植林畑
上部1150m?と巨木が生えている限界1400mあたりで小休止。1450mあたりで一面真っ白な世界に突入。武部リーダからセッピに注意とのこと。小さなピーク1470m?があり気づかず登ってしまい少し降りることとなる。あたりの布引尾根上の南端のピーク1620mに11:00到着。吹雪いているため布引本山?は目指さず滑降開始となる。滑降前に長谷川が何か袋状の物がとばされ転がっていく。セッピから落ちるので追ってはいけないと武部リーダ。山の厳しさをかいま見る。
降ったばかりということもあり雪質は良く、パウダースキーイングとなる。木が生
えてない斜面が一部あり、木に束縛されない自由なシュプールを描く。杉の植林畑
までくると雪は重くなりまた雪もやむ。下部は一部バラの藪があるため突っ込まな
いように気をつけるべし。
12:30布引沢橋のたもとに到着大休止となる。橋本氏曰く「弱層テストやりませんで
したね」。次は弱層テストの雪訓をやりましょう。
ここでザックをおろした所、私のピッケルのカバーがないことに気づく。やぶの滑
走で落としてしまったらしい。藤田氏によればピッケルのカバーは何回も落として
いるとのこと。最近は自作した物をかぶせ、テープで固定しているとのこと。私は
その場しのぎにテーピングテープを先端に巻く。
滑り終えて小休止。
1:30にBC到着撤収開始、2:00出発、2:30林道除雪地点に到着。ここで12日に見たパーティーに遭遇。老若男女混成で十数人はいた。大宮、所沢、春日部ナンバーであり埼玉の山岳会らしい。
温泉に入ることになり7人を鈴木(岳)のギャランで2回に分けて送迎。れいくハウ
スと言う温泉に立ち寄る。入湯料700円なり。露天であり内風呂はなくさむい。露天
は最初あついがだんだん心地よくなる。洗い場2人分。温泉の食堂で各自ビール、定食等をとり一服。4:40のバスにのるためバス電車組と車組はここで解散。ちなみに車組は関越乗らず下道のみで9:30浦和でした。

今回はツボ足、耐風姿勢、ピッケルストップがメインの雪訓であった。ツボ足、耐
風姿勢は経験を重ねる内に身に付いていく物だと思う。ピッケルストップはかちか
ちの所で訓練する等しないとほんとに止まれるかあやしい。また、ザック、スキ
ーを背負った状態では様子は変わると思う。斜面がかちかちの日はスキーせずにピッケル使って練習し身につけていくよう心がけたい。
今回はなだらかな所や尾根を滑ったため雪崩の危険性はあまりなかった(たぶん
)。今後、雪崩の危険性がある場所で雪訓を計画し弱層テスト等の訓練をする事が望ましい。

谷川、朝日から連なる端の山の山行であったが上部は奥利根の山々の厳しさとすばらしさをかいま見た様な気がする。帰ってから山スキーのルート集で、清水→巻機→宝川のルートが気になった。


コースタイム

11日
14:15宝川温泉林道除雪最終点駐車場集合

14:30発

15:30小屋(BC)

12日
5:30起床

7:30発

9:00板幽沢橋

11:00 雨ヶ立山途中の1100m付近
    雪訓開始

12:30大休止後下山開始

2:00板幽沢橋

3:00小屋(BC)

13日
4:30起床

6:30発

7:30板幽沢橋

11:00布引尾根南端のピーク1600m
   下山開始

12:30板幽沢橋

1:30撤収BC発

2:30温泉

4:30温泉解散

 


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