Last Update : Jun 14, 2000  戻る

乙妻山

2000年3月11日〜12日
メンバー:L西川、武部、藤田、鈴木(岳)、長谷川(太) 5名

3月11日(土) 薄曇り
朝の新幹線に乗り、長野駅からタクシーで戸隠大橋に入り出発する。林道にはしっかりトレースがある。曇っているが、雲は薄くて日が差し、佐渡山の鞍部への登りで汗をかく。ブナ林の中の広い鞍部に着いてテントを張ってから、佐渡山を往復する。頂上直下で下りてきた人の姿が消えたと思ったら雪庇の割れ目に落ちていた。幸いに浅く自力で出てきた。
頂上で、明日予定の乙妻山北東斜面を観察する。今週水曜までは降雪がなかったが、木金で新雪が30cm降ったので、層ができていると考えられる。しかも今夜も降雪が予想される。沢を登るのはやばいのではないか。側の樹林伝いに行くのは、すっきりしたルートがとりにくい。尾根を登るのは大変で頂上まで届きそうにない... と、ここから見る限りでは安全確実なルートが定められない。夜はおでんを食べた。

3月12日(日) 曇り
4時起床。予報通り雪。朝食を食べ明るくなるころには、雪も止み、とりあえず出発
する。
氷沢川の左岸に林道があるはずだし、仮に林道が不適でも沢沿いに行けばよい、前に五地蔵山から下った時の印象では、沢は浅く谷は広く平らで、何の手間もなく通過した、と思って氷沢川に滑り降りると、これが間違いだった。沢を越す小さなアップダウンが何度もあり結構手間取る。ここは佐渡山トラバースルートが正解だったか。
しかし沢の様相は、前の印象とまるで異なる。これはどういうことだろう。昔の苦労
は忘れてしまうから、山スキーを続けていられるのだろうか。林道も見つかったが、雪がうねっていて通りやすくはなく、上の急斜面をトラバースして、北東斜面の手前でやっと合流した。
北東斜面を登りだす。下部の樹林帯を抜け、傾斜が急になる手前の1680mで弱層テストをした。上30cmが新雪でその下が固いという予想に反して、層はなく雪質は均一で安定していると見た。
2020mで若干傾斜は落ちる。ガスで視界がないから、ここで下ろうという意見もあったが、もう少し行ってみることにする。左の小尾根に乗りあげるようにして上の斜面に移る。
頂上直下までは先行トレースに従って登ってきた。稜線に出るのはやはり鞍部からだろう。そのためには大きく左に回りこまなければならない。しかしトレースは急斜面にジグザグを切ってひたすら上へと向かっている。その先はさらに急で、シールで通せるようには見えない。
トラバースするには上がりすぎたが、今からでも鞍部を目指したらと考えたが、このトレースは今まで妥当なルートどりなので、トレースに従って行くことになった。しかし、シールが後ずさりしないようにとたたきつけると、足元の雪面に亀裂が入る。
亀裂以上のことはなさそうなので、そのまま登り続けると、案の定、最後はつぼ足になって稜線に出た。
スキーをデポし、稜線を一登りで乙妻山頂上に立つ。ガスに巻かれないうちに早く下ろうと写真を撮ってすぐ下山開始する。


上:乙妻山頂上 下:乙妻山稜線 左後ろは高妻山 乙妻山北東斜面上部

鞍部から大斜面に滑りこむ。たしかに噂に違わぬ素晴らしいコースだ。この日の雪はいささか重かったが、どんどん下る。
氷沢川を登り返してテント場に戻り、大橋へ下山する。安くあげようと大宮で新幹線を下りて帰京した。
(西川 記)

コースタイム
3月11日(土)
戸隠大橋1140m 11:50 -> 1320m 12:35/12:45 -> 佐渡山鞍部1580m 13:45/14:20 ->佐渡山1828m 15:05/15:50 -> 佐渡山鞍部 16:05

3月12日(日)
佐渡山鞍部 6:10 -> 氷沢川の北東斜面出合1360m 7:30/7:45 -> 1680m 8:30/8:55 ->2020m 9:40/10:00 -> 稜線2280m 11:00/11:10 -> 乙妻山2318m 11:20/11:23 ->稜線11:30/11:35 -> 1740m 12:00/12:15 -> 氷沢川の北東斜面出合 12:30/12:40 ->佐渡山鞍部 13:43/14:45 -> 戸隠大橋 15:20

ルート図

 


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