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大地森
(東北山スキー交流会)
2000年3月26日(日)
メンバー:菅沼、小森宮、藤田、鈴木(岳)、作野(当会5名を含め総勢21名)
天候:雪

春先には似合わぬ強い冬型の気圧配置の為、昨日の栗駒山は猛吹雪であった。恒例の東北山スキー交流会「山スキーと温泉の集い」の催しにおいて、当初の栗駒山を越え須川温泉往復コースは取りやめになった。
しかし、地元の「東北写真家集団」早川さん等のお骨折りで、急遽駒の湯「くりこま荘」を素泊まりの格安の値段で予約いただき、温泉と夜の交流会を楽しむことができました。
交流会では、仙台YMCAの深野さんから含蓄のある「世界谷地」の地名のついた由来や、あごろしやま揚石山(上下山とも書く。)の読み方、及び早川さんから栗駒山のブナ林の保存についての有意義なお話を聞けた。

さて、夜が明けて朝の露天風呂に浸かっていると主催の奥田さんが入ってきて、「今日はどうですかね。昨日よりはましですか?」とのことであったが、結局、栗駒山は取り止めになり、大地森(1154.9m)になった。

7時30分宿を車で出発し、昨日通った林道のドン詰まりでスキーを履く。8時30分出発。第2世界谷地に9時10分頃到着。ここからは雪煙の栗駒の頂上が見えた。また、これから登ろうとする大地森が正面に見える。その姿は、樹影が濃い。頂上尾根に雪庇が見え、その直下だけが白い。「おいおい、ここが滑れるのか?」と思ったものだ。

第2世界谷地からは夏道通しに行く。最初のうちは、幹の細い若いブナ林であったが、夏道を離れ右手の尾根に向かっていくに従って30cmから50,60cmの大木の林が現れ、その中にはミズナラの大木やナナカマド(福島登高会の若林さんに教えてもらった。)も混じった豊かな林となっていた。ブナの大木の下はその枝がはっているせいか雪質はやさしく、木々の間隔はスキーで滑り降りるのに絶好の間隔になっていた。途中、いろいろの形をした木々が写真の題材になるのか早川さん達は盛んにシャッターを切っていた。

尾根に取り付くと斜度は急に増し、深雪のラッセッルはきつい。コモさんも途中からラッセルを引き受ける。しかし、強い人もいるものだ。ヤセ尾根を直登する人もいる。後ろの人はシールが後ずさりして困ったとのこと。11時10分頃山頂に着いた。風が強い。このようではやはり、栗駒山は無理だったと思う一方、これから滑る大地森の雪質を思うとこちらの方が良かったとつくづく思った。風で寒いので、アンパン一つをかじり早々に滑り出す。

森の中は、やはり絶好の雪質の深雪であった。木々の間隔もターンに最適の間隔。久しぶりの快哉の声が出た。「ホイ、ホイ」と調子を取ってターンをこなしていく。瞬く間に標高差300m程を快適に滑る。私にとっては、近年稀に見る快適スキーであった。
他の会の人もうまい。皆足に自信のある人だ。アッという間に第2世界谷地に着いた。ここからが、長い長い(今までの快適さに比べて)歩きの為のスキーをこぐ課業が待っていた。12時30分頃出発点に戻った。

その後、駒の湯「くりこま荘」に戻り、一風呂浴びて帰路に着いた。その途中、車に乗せて頂いた「東北写真家集団」の西さんから貴重な話を聞いた。それは、雪の少ないときのイグルーの作り方である。
ザックを置いてその上に工事現場で使うブルーシートを掛け、その上からスコップで雪をかけ、ザックを取れば、イグルーになるというもの。フォーストビバークの時雪が豊富にあれば雪洞を掘れるが、雪が無い時には試してくださいとのこと。ただし、どの程度雪を固めれば可能か練習が必要ですとのことでした。

記:作野

 


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