Last Update : May 12, 2000  戻る

富士山
2000年 5月3,4日
武部 慎(単独)
 
5月3日 曇り、晴れ 御庭口から
 始めはずっと天気がよいと思って鳥海でも行こうと思っていたが、東北は3日から悪そうで関東の方が良さそうなので、近場となり昨年に続き富士山にチャレンジしてみた。寮を4時半に出発車を飛ばす。スバルラインの御庭口からはもう雪はある。が、晴れなのに風が強く車が揺れる程である.とても山頂までは行けそうも無い.気が抜けると急に眠くなり車の中でお休み。確か昨年もこんなだったっけ。一人だから気楽??? ちょっと眠って気を入れ直しとりあえず御庭小屋へ登る。気持ちがいい。今日の天場はどこにしようかと、小屋から空身で散歩がてら探す.決めてから木がなくなるところまで行って滑ることにした。今日は富士山をのんびり見て楽しむ日。天場は道路から標高差100mのところにした。一旦車に戻ってパッキングして荷揚げ。
御庭口 9:30―――小屋10:00、11:00―――天場決めのための散歩12:00―――荷上げ完 14:00

5月4日 晴れ、 曇り 御中道から
 今日の予報はくもり。だが、ここは朝から雲の上。絶好のチャンスと思い山頂を狙う。でもさすがに朝で北面のせいもあり、また斜度も須走口よりも急なため昨日登った所よりも前でアイゼン、ピッケルになる。シリアイゼンも付けて万全を期す。板は引っ張る。自分の兼用靴TR9は改良しているがぜんぜん歩きにくくちっとも進まない.3000mを越えて白砂流しのカールに入っていくと、あれ、なんと雪がアイスバーンでなくシュカブラ気味ではあるが、締まっているのである.西日が当たらないためである。東の尾根側はアイスバーンで途中はそのまだら。3200mまできて、もう登っても滑れるか疑問に感じてきたが、そのまま板を引っ張って登ることにした。3500mまでくるともうそこが山頂なのだが、今まで安心していた雲が突如として襲ってきた.でもすぐに晴れになり、まだ山頂を目指す。ところが周期的にやってきて視界がそのたびになくなる。降りる決断をする。スキーに履き替えて視界が利くようになるのを待つ.しかし、そうこうしている内に今度は厚い雲の中に入ってしまい、アイゼンで降りる決断をする。3200mまでくると雲も薄くなって多少は視界も利くようになった.さっきの標高である。また、スキーに履き替え、次の視界が利くようになるのを待つ.さっき天場の方がかすかに見えるのは30秒で、すぐに次の雲がやってきてホワイトアウトになっていた。その繰り返しであった。ところがスキーに履き替えてからはいつまでまっても天場の方がかすかに見えてこない。これ以上待つのはムダ。あとは急斜面を滑る度胸だけ。3000mまでくると雲から抜けてきてホッとする。ここからは、軽いジャンピングターンでシュカブル気味の締まった雪を快適に滑る.なかなか木がでてくるところに到達しない。だんだん雪も腐ってきたので、途中のんびり休んで筋肉を休める.あとは一息だ。
 今日も同じところに泊まろうかとも思ったが、下山した.荷下げも2回、もったいないかなせっかく運んだのにとも思った.明日は南面。
天場(2350m)6:00―――2550m 8:00―――3500m 1:00、
2:00―――3300m2:30,3:00―――天場 3:40―――道路4:00
天場 4:40、5:20―――道路5:30

5月5日 曇り富士宮口
 せっかく来たのに朝はまたしても風が強い。また、車で寝てしまう。登ろうかと思うころには雲が来て靴に履き替えることなく降りることにした。9:00の天気図をとると明日からは今日よりも悪そうなので帰ることにした。

 


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