Last Update : May 9, 2000  戻る

雪倉岳&金山沢源頭部
日程:2000年5月3日〜5日
メンバー:L.作野、矢野他5名

5月3日(曇り時々晴)〔栂池から蓮華温泉〕

前夜東京を午後7時30分に発ち関越・長野道・オリンピック道路経由道の駅に午前零時30分頃到着した。寒気を伴った低気圧が日本海にあり寒冷前線が通過するとの事で、途中雷雨交じりの驟雨があったが、たいした事もなかった。

朝起きると周囲の山々からガスが上がりつつある。一部、青空も覗いている。午前7時20分頃栂池ロープウェーの駐車場に到着した。ここで、旧会員の坂井氏と伊藤さんに会った。朝日岳に行くとの事であった。ロープウェーの始発は7時30分であったが、朝食等を取って8時20分頃ゴンドラに乗車、8:40前山頂駅についた。

山頂駅からシールを着け9:00勇躍出発した。今年は雪が多く山頂駅から十分な雪がついており、林道も全て雪で覆われていた。10:15/30成城大学小屋で小休止をした。ここからは白馬三山がきれいに見えた。山も真っ白である。天狗原の祠前に11:45着。昼食を摂る。
天候も落ち着いていたので、この頃からヘリコプターが次々と到来し、ボーダー、スキーヤーを天狗原に降ろし始めた。9500円/回との事。

昼食後12:15振り子沢に向け出発。振り子沢への入り口で、左の山からの雪崩を警戒して、真中から沢に飛び込んだら、雪面が突然無くなった。雪庇である。いきなりエクストリーム・スキーをやる事となり着地に失敗、3回転半の大転倒をやってしまった。参った。以前にはここには雪庇などなかったのに。早々の転倒で意気消沈し、慎重に下ろうと決意する。

あとは、順調に振り子沢を下り、蓮華温泉に13:45着。この日はロッジからシールで10分程上の露天風呂「仙気の湯」に浸かる。天気は良いが「朝日岳」の上部は雲に覆われていた。しかし、周りの山々がよく見え大満足であった。久しぶりに命の洗濯が出来た。

〔コースタイム〕ロープウェー山頂駅9:00−>成城大学小屋10:15/30−>        天狗原11:45/12:15−>振り子沢1630m13:12/30―>        蓮華温泉13:45


5月4日(晴・強風)〔蓮華温泉から雪倉岳往復〕

明方から宿の窓がガタガタ・林が風を受けてビュービューという音がすさまじい。晴れてはいるが、雪倉岳の山頂は雲に覆われ、雲は天空を激しく流れている。行けるところまで行こうと、6:55ロッジを出発した。7:55瀬戸川に降り立つ。そのスノーブリッジはしっかりと着いていた。上空は風がゴーゴーと吹きすさんでいる中、雪倉の滝上8:55通過。滝は完全に埋まっていた。10:40標高2100m付近(這松と潅木が僅かに出ているところ)に達したところで、ガス帯に覆われ、霰混じりの風がすさまじく前進するのに大苦労することが見え見えであり、雪面も氷化し始めているので、撤退を決意した。(後で聞いた話であるが、某ボーダー氏は頂上まで行けたがアイゼンで登り、下りはガリガリのところを滑ってきたとのこと。)

2100mから瀬戸川までの滑りはザラメ雪で快適であった。途中、時間が余ったので、良い斜面を見つけて登り返し、一本滑りを楽しんだ。瀬戸川では、大休止。フリーズドライのトン汁、コーヒー、ポタージュスープを作りのんびりした時間を過ごした後蓮華温泉に戻った。平馬の平に上がる途中の尾根上から、今日初めて雪倉岳の山頂が顔を出した。〔写真参照〕

〔コースタイム〕蓮華温泉6:55−>瀬戸川7:55/8:10−>滝の上1650m8:55/9:10−>1960m10:00−>2100m10:40/11:10−>        瀬戸川12:00/13:30−>蓮華温泉14:30


5月5日(快晴・無風)〔金山沢上部から栂池〕

蓮華温泉を6:40に出発。振り子沢を遡る。今日は快晴。雲一つ無く、風も無い。順調に登り天狗原に9:58着。乗鞍岳にはツボ足で登る。人が多くスキーヤー・ボーダーの一列縦隊である。山頂からは360度の大展望である。以前行った妙高・火打山が見える。大抵の人は乗鞍岳頂上から天狗原へ降りる。我々は小蓮華へ向けてさらに進む。乗鞍岳と小蓮華尾根への鞍部に11:30着。鞍部には雪のブロックを積んだ天幕が数張あった。小休止の後、小蓮華への登りはシールにした。矢野さんが大きくジグを切り40分程の登りで2603mのピークに12:30着いた。
ここからの眺めはまたひとしおであった。白馬・杓子・白馬鑓の三山が間近に迫り、圧巻である。また、後立山連邦全体が屏風のように連立している。足下を見れば、金山沢の喉部につながる40度を越すカール状の大斜面が迫力を持って落ち込んでいる。〔写真参照〕大休止の後、13:15稜線から勇躍その大斜面に挑んだ。思いきってスキーを谷川に落としていく。雪質は、表面は氷化したフィルムでその下は安定したザラメ雪。スキーのエッジでフィルムが割れシャラシャラと音を立てて落ちていく。最高の雪質である。思うようにスキーが曲がる。また、そうでなければとても飛び込む勇気なんて無い斜面である。あっという間に、金山沢のトバ口になる2301mの小高い丘に到着。振り返ると自分のシュプールがはっきりと斜面に刻まれている。その上は青空。白と青のコントラストが美しい。ここから見る白馬三山は間近でさらに迫力がある。

ここで、大休止。ポタージュスープを作ったり、缶ビールを持ってきた人もいて一口ずつお相伴に預かる。ぽかぽか陽気と周りの雄大な景色に大満悦の時を過ごす。14:00、金山沢を詰めても猿倉から二股までの長い歩きが待っているだけのことを考慮し、当初予定を変更し、栂池自然園へ向けて滑降を開始した。
快適な中斜面をバンバン飛ばし、自然園からは雪のついた林道をさながらジェットコースターの如く快適に(腿がパンパンに張ったが)滑り、14:58ロープウェー山頂駅に無事着いた。

〔コースタイム〕蓮華温泉6:40−>振り子沢1630m7:25/35−>振り子沢1843m 8:25/30−>振り子沢2090m9:25/30−> 天狗原9:58/10:10−>乗鞍岳山頂10:50/11:10−> 乗鞍岳と小蓮華尾根の鞍部11:30/45−>小蓮華尾根2603mピーク  12:30/13:00−>小高い丘付近2280m13:15/14:00−> ロープウェー山頂駅14:58

記:作野

 


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