Last Update : May 9, 2000  戻る

鳥海山
湯ノ台コース往復
日程:2000年4月29日・30
メンバー :藤田(L)、鈴木(岳)、丸山

4月29日
 前日の夜10時頃東京を出発して、湯ノ台温泉に到着したのは朝の5時だった。滝の小屋に登る道路は除雪されておらず、640m付近に駐車した。その朝はどしゃ降りで風は吹き荒れており、不安になりながらもとりあえず疲れたし寝ることにする。
仮眠を取り、9時起床。今日は滝の小屋まで登る予定だ。辺りは薄暗く、冬の日本海側特有の雰囲気だったが、雪解けを待ちわびていたかのようなばっけ(ふきのとう)だけが春らしかった。早速今夜の味噌汁の薬味としていただくことにする。
 鳥海の山容はガスで見えないが、午後から天気が回復するというラジオの予報を信じて11時に出発する。書いた天気図でみると、確かに低気圧は遠ざかっているはずだ。
813までは道路と交差しながら登るが、それから上は草津川と荒木川の中間の台地を登る。ここはなだらかで樹木が密生しているので、地形から現在地を特定しにくく注意が必要だった。コンパスと高度計を頼りにひたすら進むと、ガスの中に入ってきた。1000mを超えた辺りから完全にガスに包まれ、5m前が見えない。1250mを超えた辺りの斜度の緩み具合から滝の小屋が近いことを知るが、辺りはまったく見えない。完全なホワイトアウトだ。ガスが少し薄くなったとき、鈴木さんが道標を発見した。小屋の近くにいることは確かだが、視界がまったく利かずにどうすることもできない。小高いところに登って一休みしようとしたとき、一瞬だけガスが晴れた。そのチャンスに辺りを見渡すと、わずか20mほど先に小屋を発見した。うーん、ガスは恐ろしい。
 小屋は2階建てで中は広く、ログハウスっぽい雰囲気だった。夜のメニューはぎょうざ、豚の角煮、それにふきのとうの味噌汁。山にしてはなんとも豪華である。特にふきのとうの味噌汁は絶品だった。藤田さんに感謝!

4月30日
 「晴れてるぞー。」という藤田さんの声で目を覚ました。朝起きて、うす明るい青空と雲海が見える。山ではこの瞬間がたまらなく好きだ。
 お泊まりセットを小屋にデポして表に出る。小屋を出て振り返ると、純白の鳥海山に圧倒され、言葉を失うほどだった。緩む口元を引き締め、6時出発。どこでも登れそうだったので、直線的に七高山方面へ向かう。(下写真) 

     


 1500mを超える辺りから、アイゼンのツボ足登高に切りかえる。1700m付近から部分的にツメしか刺さらないようなくらい凍っている個所があったりして面白い。ピッケルを思いきり突き刺しながらもスピッツェが隠れないときもあり、ヒヤヒヤながらも慎重に登る。
 やっとの思いで外輪山に到着し、千蛇谷をのぞき込む。今年はかなり雪が多いようで、去年は見えていた神社が完全に隠れていた。登山者で賑わっていた七高山には目もくれずに新山に直行し、10時山頂着。まずはお約束の記念撮影をして、感動を分かち合う。
 個人的に悲願であった新山山頂からの滑走をきめ、120%満足する。
 湯ノ台コースのいいところは、日本海を横目に見ながら滑れるというのもあるだろう。外輪山からはまさに「全面滑走可」状態で、写真の鈴木さんの様に気兼ねなく重力と遊ぶことができる。ここはまさに山丸ごとドでかい遊び場だ。ただし、ガスられなければだけど。。。
 ガスられた場合は、コンパスナビゲーションだけでは小屋を探すのは困難だと思った。

    

 雪質は基本的にざらめだが、上部は所々新雪っぽいところもあり最高のコンディションだった。
 滝の小屋にて大休止し、ドリップコーヒーを飲みながら、さっきまでの快感を噛み締めているかのようになぜか皆無言だった。山では思うところが多い、と個人的に感じている。
 滝の小屋から下は、ガスが無ければ緩やかな林間コースだ。無事下山し、湯ノ台温泉で汗を流した。

記:丸山
 

 


山スキー同志会のホームページへ