Last Update : 2001/06/06  戻る

槍ケ岳(新穂高より)
2001年05月26日-27日
メンバー:長谷川

5月3日曇り時々晴れ

深夜1:30に新穂高の無料駐車場につく。仮眠して4:30に出発。温泉街を通り抜け、20分ほどで小鍋谷の橋ゲートに。車はここまで入れるらしい。駐車場から歩かなくてもよかった。右俣林道をひたすら歩き、6:00に白出沢につく。


白出沢 雪はない

林道はここまで。ここから登山道となる。黒い雲に覆われ、今にも降り出しそう。やめようかとかなり弱気に。白出沢には全く雪がなく、どこまで行けばあるのか。とりあえず行くしかない。夏道を黙々と歩くと、沢に雪渓が見え始める。滝谷に着くと、このあたりから雪が多くなり、一安心。


滝谷

さらに夏道を行き、南沢の出合から林の中に入る所で、ようやくシール登行開始。すぐに林を抜け、9:00槍平小屋に出る。この辺りは開放感のある。広々とした雪原

槍平小屋

雪原の川は雪解けで水がかなり出てきている。このころから急速に天気が回復し、青空が。出だしの弱気も吹っ飛び、気分爽快。他の登山者は小屋で一人見かけるのみ。飛騨沢を快調にシールで登る。

飛騨沢下部

飛騨沢は適度な斜度が続き、登りやすいが、稜線近くはガレ場で雪がない。雪渓は2940mまで。そこから歩きにくいガレ場を登った。

飛騨乗越まであと少し



飛騨沢より抜戸岳・穴毛谷を望む

12:00予定通り飛騨乗越3010mに到着。槍ヶ岳が迫る。うす曇で、風がやや強い。槍沢を眺めと、飛騨乗越の大喰岳よりの所から槍沢に滑り込める。出だしは45度の急斜面。滑り出すと軽い表層雪崩れが起こる。斜度が緩くなると、快適な滑り。うす曇で日差しが弱いせいか、ザラメが適度に軟らかく、今シーズン最高の雪質。思うままのターンができる。どこまでも滑りたいところだが、大曲を見下ろす2300mでストップ。十分満足の滑りだった。


 飛騨乗越より槍沢(殺生ヒュッテと大曲りを見下ろす)


ここから今日の宿、殺生ヒュッテ2865mにゆっくりと登り返す。上高地側からは登山者が4,5人登ってくる。スキーは自分1人だけ。


槍ケ岳(槍沢より)


15:00殺生ヒュッテに到着。着くと同時にぽつぽつと雨が降り出す。素泊まり5000円、水2Lを買う(400円)。上高地からきた人と、3人で相部屋。槍沢はババ平くらいまで滑れるとのこと。寝転んでいると、外は風雨が強くなり荒れ模様。食事をして8時には寝る。夜通し強風が吹き荒れ、山小屋がきしむ。明日の天気が心配だ。

5/27 雪のち曇り


5:00に目覚めて外を見ると、白っぽい景色。なんと吹雪いている。小降りになってはいるが、久々に見る雪だ。ところどころ吹き溜まりに10〜20cmほどの湿った新雪。結構な強風が吹いている。槍頂上は無理か。外に出るのもためらう。7:30にアイゼン履いて出発。ガスの中、コンパスと竹竿便りに8:00に槍岳山荘に着く。気温−1℃

槍岳山荘付近

槍頂上はガスと雪で見えない。とりあえず、スキーをデポして槍頂上を目指す。急な岩場を登るが、強風雪とガスの中、ルート取りも良く分からなくなり、頂上はすぐにあきらめ。またの機会に。乗越へと下る。

飛騨乗越からは、視界のない中、切れ切れの雪渓とガレ場を降りて雪渓最上部2940mで滑降準備。スキーを付けていると急速にガスが取れ、実にタイミングよく視界が開ける。雪も止んだ。いよいよ飛騨沢の滑降開始。

気温0℃、アイスバーンにはなってない。ザラメの上に数センチの湿った新雪。滑り出すと、昨日同様、実に快適な滑り。自由にターンをしながら、暴走したくなるところをゆったりと滑る。新穂高からの長いアプローチが報われた感じ。下部の固めの緩斜面を滑り、槍平小屋に着く。ここから林の中をちょっと滑ると南沢に出て、1960mでスキーは終了。標高差で約1000mの滑降だった。

緑の中、夏道をひたすら進み、白出沢に11:30に到着。林道を歩いて13:00に新穂高駐車場に到着。2日間の山行を終える。もう少し雪の多い時に来たいものだが、山スキーの締めくくりとしては、充実した山行となった。

コースタイム 

5/26 5:00小鍋谷のゲート(車ここまで)〜9:00南沢出合付近 (シール登行開始)〜12:00飛騨乗越〜槍沢滑降〜13:00 2300mより登り返し〜 15:00 殺生ヒュッテ泊


5/27 7:30殺生ヒュッテ〜8:00槍岳山荘〜槍〜9:00飛騨乗越〜飛騨沢滑降〜9:30南沢出合(スキーここまで)〜夏道と林道〜13:00小鍋谷ゲート

 


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