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南アルプス三峰岳

2001年8月17日〜18日
メンバー 田中 健、西川 克之

 本来、三峰岳が目標ではなく、当初の計画では、二泊三日で両俣小屋から仙塩尾根、間ノ岳、農鳥岳を経て農鳥小屋に泊まり大門沢を下山する予定だったが、台風の影響で間ノ岳目前で引き返した。

8月17日  晴
 朝の特急で出発し、甲府で広河原行きバスに乗った。人数分は台数を出すので、みな座って行ける。帰りの割引券もくれ、結局これが役に立った。広河原で北沢峠行きのバスに乗り換え、北沢橋野呂川出合で下車して出発。手負い熊が出るとのことで鈴を付けて歩いた。
 林道を延々と歩き、最後は河原の道になって、両俣小屋に着いた。両俣小屋は野呂川上流の谷間にあり、展望もご来迎もお花畑も何もないが、知る人ぞ知る谷間の天国らしい。
 今日はもう小屋の生活を楽しむだけだが、どうやって過ごそうか。普通、小屋では自分の部屋で、ここのように二階全体が寝室で部屋に分かれていないと、自分の寝場所に荷物を持ち込みそこで過ごす。しかし夕食後はもう寝ている人もいるし、スーパーの袋をガサゴソいわせるのははばかられる。アルプスの山小屋では、荷物は入り口の近くに置き、スーパーの籠に最低限の持ち物だけ入れて持ち込み、寝室は本当に寝るだけのところで、そこでは過ごさず、就寝まで食堂で過ごす。でもここは一階にコタツがあるから、そこでネコをかわいがっていればいいわけか。
 台風11号が近づいているので天気が心配。北側800Kmの強風圏にはまだかからないが、明日は持つとしても明後日はもうだめだろうか。

8月18日  晴後上部雨後下部曇り
 小屋を出てまもなく、野呂川を離れ尾根に取り付き、快調なペースで登って野呂川越に着いた。今日の予定は農鳥小屋だが、この調子なら大門沢小屋に行くことにしよう。そうしなければ、明日、稜線で風雨につかまる心配がある。
 天気もよく樹林の中の道を快適に歩き、2699Pを過ぎると木も低くなり、ようやく尾根も急になってくる。しかし霧雨模様になった。もう台風の影響なのか。三峰岳直下は左側を巻いて、間ノ岳との鞍部に出た。とりあえず三峰岳の頂上を往復する。ガスで展望は全くない。鞍部で雨具を着け出発するが、はっきり雨になった。鞍部から10分登ったので3000mは越しているだろう。この先まだまだ長いし、引き返すことにした。2699Pで雨具を脱ぎ、尾根を戻る。
 野呂川越で休憩していると、先ほどすれ違った塩見岳を目指していた女性二人組が戻ってきた。我々が上は雨ですよと言ったのがきいたのだろう。しかし、仙丈も塩見も既に登っていて、今回の目的は仙塩尾根を通すことと蝙蝠に行きたいのだと言う。手っ取り早く百名山を稼ごうとするだけで、山を味わっていないとか、とやかく言われる中高年だが、当会の会員に果たしてこれだけの熱意や意欲があるだろうか。
 野呂川越から駆け下りて、両俣小屋で大休止して出発。小屋のすぐ先に野イチゴがたくさんあり摘んで帰った。小屋でも熊が出ると言われたが、これこそ熊に怒られないだろうか。北沢橋でバスにのり、本物の南アルプスの天然水と野イチゴと信玄餅を土産に帰京した。

 こうしてさぞかし猛威を振るうと期待された台風11号が数日後、ついに首都圏に上陸した。外は暴風雨のはずがずいぶんと平穏だ。ひまわりの画像を見ると、もう雲はすかすかではないか。一体これは何なのだ。

コースタイム
8月17日 北沢橋 12:50 → 両俣小屋 14:45
8月18日 両俣小屋 5:15 → 野呂川乗越5:50/6:00 → 間の岳と三峰岳の鞍部 8:35/9:00 (この間に三峰岳往復)→ 間の岳と三峰岳の稜線 (ここで引き返す) 9:10 → 野呂川乗越 11:40/50 → 両俣小屋 12:15/40 → 北沢橋 14:45

 


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