Last Update : 2011/03/19  戻る

西吾妻(3月定例山行)

2001年3月10日〜11日

メンバー:橋本(L)、藤田(SL),鈴木、寸田、長谷川、槙田、山崎

3月9日 新宿−(夜行バス)→天元台スキー場
3月10日 天元台スキー場(10:00)→西大巓→明道沢状部滑降(14:00)→スキー場 ペンション泊
3月11日 天元台スキー場(9:00)→西吾妻山→西吾妻小屋(12:00)→小和須知沢上部→若女平(15:00)→国民宿舎(21:00)
3月12日 帰京

新宿駅都庁地下発のスキーバスで天元台スキー場へ。ターミナルは若者でごった返している。新宿発のバスの終点は蔵王で、天元台へは米沢で乗り換え、リフトが動くまで白布温泉で温泉と朝食、始発のリフトでスキー場へ。天気は良好。気温はかなり低い。

ペンションに荷物を置き、9時前に出発。リフト終点から西大巓に登る。時々ガスがかかるが、人形石がはっきりと見える。直前に強い寒波が通過し、西吾妻では遭難者騒ぎもあったらしい。

西大巓と人形石中間から、スキー場東の明道沢へ向けて滑降する。雪は良質のパウダーで、口の中に入ってくるほど。ただし転倒するとなかなか起き上がれず苦労する。しだいに樹林が濃くなる中、1500mほどまで滑降し、シ−ルを着けて沢を登り返し、スキー場に戻る。スキー場で寸田さんと合流。

スキー場ではロープを使って人を担ぐ実験と、ビーコントレーニング。ロープで人を担ぐのは、準備は簡単だが、移動するのは非常に体力を消耗する。現実には被救助者がかなり軽い人でなければ難しいだろう。

ペンションでは翌日の天気予報に注目するが、天気は悪い模様。計画では大沢下りに向かうつもりだったが、視界が悪い場合は若女平から白布温泉に向かうこととする。

3月11日 天気はあまり良くない。8:30頃出発、1580mまでリフトで上り、最終リフトはシール登高。視界が悪いので、西吾妻山から若女平を経て白布温泉のコースをとることにする。西大巓を巻いて、鞍部を通り、西吾妻山へ。途中たまたま寸田さんの知り合いの人に会う。昨日若女平コースを滑ったとのこと。

西吾妻山に向かう途中は風が強くガスも濃くなったが、頂上では一時的にガスが晴れ、西吾妻小屋が見える。周辺の地形が平坦なので、視界が効かない時は探すのに苦労するだろう。西吾妻小屋から北北西に向かい、夏道のある尾根の手前で西の沢に滑り込み、沢が西へ曲がりだしたところで北へ進路を変えて若女平に出る筈だった。だが、その手前西側には小さな沢があり、もしそこへ入りこむと進路は大きく西にそれてしまう。そこで、やや北寄りに進路をとり、進む。結果的にはこれが大きな間違いだったが、それが分かるのはもっと後のことである。雪は深く、シールを着けても膝上まで潜る。ほとんど平坦なので、スキーもあまり進まない。

なかなか尾根が見つからないうちに、樹林が濃くなってくる。ようやく斜度がついて来たと思うと結構急斜面で、しばしば転倒して時間を喰う。そのうち鈴木さんから、尾根の北の沢に入っているのではとの意見が出た。とりあえず大勢の判断は「夏道の尾根を越えた筈はない」との意見で、なお沢を下りる。

標高1550m、コースが正しければここで右岸を登れば若女平の筈である。しかし登ってもなかなか平地には出ない。対岸を見ると平地が広がっており、GPSで現在位置を計測してみると果たして小和須知沢という尾根の北側の沢に入り込んでいた。この時点で時刻は15:30.再び小和須知沢を越えて若女平へと戻る。ツアー標識とトレースを見つけて一安心と喜んだが、実はここからが長かった。

ツアー標識とトレースも続けて追うことができず、右手に崖を見るコースもあり、気が抜けない。17時過ぎには暗くなりヘッドランプをつけた。1ヶ所の崖ではロープを出して降りた。この時点で19時をまわっていた。そこから後ははっきりしたトレースがあるが、これはこれでスピードがつきすぎて転倒のもとになる。結局国民宿舎の到着は21時頃。タクシーを待つ間、宿舎の人が出してくれたお茶は大変ありがたかった。米沢では渋る主人を相手になんとか商人宿に泊めてもらい、翌朝の新幹線で帰京。

ヘッドランプをつけて滑るのは今回が初めての経験だった。下山が遅くなった一番の原因はミスコースで次の4つの要因があるだろう。1)リーダの私が体力の不足で先頭に立てなかったこと。2)コースを予定の大沢下りから変更したため、若女平の1/25000図を持っているのが2名だけだったこと。3)手前の沢に入るまいとして、コースを北寄りにとり過ぎたこと。4)尾根を乗り越すことはないと信じ込んでいたこと。視界は十分だったので沢に入る前にツアー道標にもっと気を着けていればよかったと思う。

下山が遅くなった原因としてほかに、新雪で初心者(私)の転倒が多かったこともある。しかし、後半の夜間の行動で怪我人も出ず、翌日は全員(遅刻はしたものの)仕事に復帰できたのは幸いだった。

【コメント】

吾妻天元台の話はビックリだった。こちらはルートの設定ミスなので完全には回避できないが「知らないルート」は地図とコース案内をしっかり見て確実にトレースしよう。ケアレスミスが重大な事態を引き起こしてしまうことを、肝に銘じるべきだ。


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