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栂峰(飯豊)

2002年3月18日

メンバー:武部

朝、稜線は見えるが薄曇りで帰りまで天気が持つかちょっと心配。スキーのトレースは何本かある。少し車道を進むと大きなデブリがあり、これに直撃されたら…という感じ。車道終点からすぐにスノーブリッジが出てきた。長さ2m足らずだが、幅は狭く雪の厚み80cmとちょっと貧弱ではあるが、まだ朝で雪が締まっているからそのままシールで越える。ここから本来のルートは沢沿いではなくそのまま斜面を登っていくはずだが、トレースは右岸をトラバース気味に登って行く。とりあえずトレースを辿る。少し登ると急になり、表面がアイスバーンなのでシールでは登れずツボ足になる。沢は水が出ており、かなりの急斜面で滑落は許されない。するとモナカなので、脛位までボコボコ潜る。頑張って登る。左にカーブし、左から枝沢が合流している。ここからは水は出ていない。トレースはそのまま本流沿いであるが、ゴルジュで不気味。左岸はほぼ90度なので誰も通っていない左からの枝沢にルートを取る。ここは快適に登れる。10分登らないうちに本流のほうで左岸から木が支えられなくなって直径1mものブロックがかなりの量落ちてきた。こちらにルートを取って正解と自画自賛する。登り切るとちょっとしたカールになり、とりあえずここに赤布を付ける。そこをさらに登るとトレースが出てきた。これは先ほど本流沿いにルートを取ったパーティとは別で、おそらくスノーブリッジからすぐに沢を離れたルートを取ったトレースのようだ。

北面であるため、昨日とは変わりアイスバーン気味なのでシールに雪が付き足かせになることもなくペースは結構いい感じ。細い尾根に出て稜線の1100mまで順調。ここからは小屋方面が遠くに見える。また、栂峰の手前の1500mピークも遠くに見える。そんなには大きくないが、雪庇のうねった稜線を登る。下から登る分にはルートを間違えることはないが、下るときは視界が無いと2箇所程間違えそうだ。(当然間違えたら戻れない。)西の山々もだんだん雲で見えなくなり、更に、時折強い風が吹くのが気になる。栂峰の手前の1500mピークでUターンすることにする。上部はアイスバーン気味で慎重に滑る。雪庇のうねった稜線は思ったよりも快適。1100m直下も快適な(でも雪が緩くて転びそうになる。)斜面。細い尾根なので早めに急斜面を左に降りる。陽があたるところはもう雪が重い。どこを滑るか・・・。結局、登った枝沢の左岸の尾根を滑る。だんだん細く急になり、枝沢と本流が合流する上はグズグズの雪をツボ足で降りる。もう木の周りは大きく雪が無いのでちょっとヒヤッとする。無事、枝沢出合いまで降り、スキーを履くがもう雪は水のようにグズグズであり、堰堤の脇は登りなので、滑落して沢に落ちないとも限らないので再びツボ足になる。膝くらい潜りながら沢を渡れそうなところを探しながら降りて行くが、結局スノーブリッジまで来る。いかにして渡るか難問である。スノーブリッジを使わずに、大した水量ではないから渡渉したほうが安全ではあるが、何しろ雪はグズグズで雪壁を登るのは大変。スノーブリッジはこのグズグズ雪ではたしてもつだろうか。崩れてもおかしくない。少し上から腹這いになってスノーブリッジを観察する。高さ1mのところに木の端があり、その上にスノーブリッジがある。厚み80cmといえども、断面は逆三角形で下のほうはまるで強度が無い。向こう側は登り。対岸まで2mのうち1mが危険エリア。板170cm。シールを付ければいけるのではないか。そういう結論に達し、シールを付け渡ることにする。案の定、真ん中では5cm?程度沈んだが対岸に渡れた。おそらく自分が今シーズンの最後にスノーブリッジを渡った人だろう。本ルート最難関はこの帰りのグズグズスノーブリッジをどう渡るかだったと思う。もっと早い時期がいいようだ。

喜多方の辺りで温泉から出ると豪雨となり、それがだんだん猛吹雪となった。早めに下りて正解と思った。明日天気悪いのなら宿にすればよかったと思いながら今日は、チェーン着脱所で泊る。

コースタイム
小屋車道終点7:10→枝沢入り口8:40/9:00→1100m10:05→1500mピーク11:30/50→枝沢入り口13:00→スノーブリッジ13:30/45→小屋

(武部 記)


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