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飛騨沢

2003年4月5−6日

メンバー:L.H、M

4月5日 雪

関東は南岸低気圧で雨だが、車で走っていくと大月から雪景色で、甲府は雨、小淵沢雪、松本雨。標高が上がるたびに雨→雪の繰り返し。新穂高の行き止まりに駐車。付近の新雪は10p。12時ごろシールで林道を歩き始める。出だしの積雪は1mくらいで、昨年3月末と同程度か。雪は小降りとなり、林道の雪は締まって重くなっていく。重い雪にペースは上がらず、白出沢まで2時間半。この時点でかなりバテ気味。ここから夏道沿いに林道をトラバースする。林内は軽い雪だ。チビ谷少し手前から夏道を離れ沢底に降りる。右岸をしばらく行くと崖にあたって進めなくなり、スノーブリッジを恐る恐る渡った。チビ谷出合いは合い変わらすデブリの山だ。

滝谷には17時ごろ。重い雪のため予想以上に時間と体力を使う。滝谷避難小屋泊りも考えたが、この寒々しい小屋にはできれば泊りたくない。先を急ぐ。滝谷を過ぎて標高も2000m近いが、重い雪に足が進まない。雪をよく見ると表面少し下にザラメの層がある。みぞれでも降ったのか?と、がっくり。あわよくばパウダーなどといった期待は吹っ飛んだ。低温のためモナカになり、踏み込んだスキーの先が雪の上になかなか出てこない。先端が沈まないよう、かかとに強く加重すると何とかスムーズにいける。しかし疲れる。脚の筋肉を痛めてしまい、くたくたになって薄暗い中、槍平小屋に着いた。小屋は3棟あるが、冬季小屋がどれだかわからない。ここまで来てツェルト泊か?と思いながら、ライトを付けてうろうろ探すと、奥の小屋が冬季小屋だった。冬季入り口の上の窓から入り込み、ようやく落ち着けた。

[コースタイム]
12:00新穂高〜14:30白出沢〜17:10滝谷〜18:40槍平小屋

4月6日 晴れ

朝4時出のはずが、疲れて眠りこんでしまい6時出発。20p程の新雪だが、すっかり締まった雪。やはり表面は凍ってモナカっぽい。Mさんは幅広板のためか歩いても表層が割れない。しかし自分は表層が割れてずぶずぶと沈み、足も痛くて遅れを取る。こりゃ乗越は無理かな、とあきらめムード。2500m位からモナカはなくなり、アイスバーンや、足首位まで潜る重い雪が上部まで続く。シール登高はしやすいのだが、滑りが思いやられる。時々強風に耐えて、トップを交代しながらなんとか登った。

10時20分、飛騨乗越。ここまでシールで登りきれた。槍の穂先が姿を現す。飛騨沢からくると、ここへ来て初めて槍を拝むことができる。風がとても強いので、ゆったりする間もなく滑降開始。滑ってみると、やっぱり重い雪。一時調子よく滑っても、すぐにこけて体力消耗。しかし笠ヶ岳や双六の雄大な景色が疲れを忘れさせてくれる。途中、新穂高を朝2時に出たという単独のスキーヤーがツボ足で登ってきた。標高差1000mを休み休み滑り、飛騨沢下部に降りる。気温が上がったせいか、下部は右岸から小規模な雪崩が2か所出ていた。11時半に槍平小屋に戻り、デポ荷を回収。槍平から見る滝谷・穂高の景観はアルプスの用に迫力がある。

ここから昨日のトレースを辿る。暑くなってきたが、両岸急斜面の雪は落ち着いていた。滝谷より下部のほうがモナカもなくて滑りやすい感じだ。沢底左岸を白出沢直前まで滑り、シールを付けて林道へあがる。ここからまたほとんど滑らない林道を急ぎ、新穂高まで約1時間。本当にくたびれた。久々の長丁場と重い雪で足はがくがく。深山壮の露天風呂が気持ちいい。飛騨沢はパウダー狙いとしては失敗だったが、展望は良く、山へ行ったという充実感だけはあった。

[コースタイム]
6:00槍平小屋〜10:20飛騨乗越〜11:30槍平小屋12:00〜14:30白出沢15:00〜16:00新穂高

H 記


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