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立山(雷鳥沢ヒュッテをベースに)

2003年5月3−5日

メンバー:梅原、高野、矢野

5月3日 入山と雷鳥沢滑降 快晴(高野、梅原)

久しぶりの中央線夜行列車でまず戸惑った。連休でも夜行列車が無いことを、高野さんからの連絡で知った。唯一の大糸線乗り入れ全指定の臨時快速列車は既に満席だった。ほぼ同時刻に出発する別の全指定快速は取れたが、松本で下車して大糸線を1時間半待たねばならない。この列車も発車前に満席との事だったが、どちらの列車も空席がかなりあった。JRというのはまだまだおかしな会社なのであった。

不便ではあったものの、朝の大糸線の車窓は良い眺めだった。朝日に輝く後立山の峰々が、水を張った田圃に鮮やかだった。花開く前の林檎の薄いピンクも素晴らしかった。

信濃大町から扇沢までのバスはすんなり乗れ、トロリーバスは既に到着していた高野さんが切符を買っておいてくれたので待ち時間なしでクリア―。しかし黒部湖のケーブルと黒部平のゴンドラでは各30分以上のロスとなり、観光客のごったがえす室堂には午前11時近くであった。

雷鳥壮の裏手をまわって雷鳥沢ヒュッテに到着。矢野さんは御山谷方面に出かけているので、この日は高野さんと剣御前小屋へと向かった。

快晴のもと、シャツ一枚でも汗だくになり登り切って、剣と笠ヶ岳・槍辺りの展望を存分に楽しんでから雷鳥沢を滑った。雪が少し重いことと、あまりの人の多さが残念だった。

ヒュッテにまだ3時台に戻った。こんなに早く帰って風呂に入れて爽快な気分になってしまうと、酒量が過ぎてしまうというのが難点であった。

[タイム]
雷鳥沢ヒュッテ11:50−13:45剣御前小屋14:30−15:15雷鳥沢ヒュッテ

5月4日 剣沢を平蔵谷まで・真砂岳から大走りの滑降 快晴 剣沢小屋付近まで(矢野、高野、梅原)/平蔵谷出合い(矢野、梅原)

9時にヒュッテを出発。出かけ際に中高年女性登山者がヒュッテの土間でアイゼンを装着しているので注意した。ここの親父は温厚らしく何も文句を言わないが、この時以外にも石と板の土間に平気でアイゼンのまま入ってくる女性登山者が大勢いるので驚いた。こんなことは登山初心者でも判断できそうだが、今はそれが許される常識なのだろうか。そもそもアイゼンは不要と思うが、せっかく買ったのだから喜び勇んで試したかったのかもしれない。

御前小屋を経て剣沢を滑った。剣沢小屋辺りで高野さんは引き返した。矢野さんと私は、途中雷鳥の歓迎を受けたりしながら、長蔵谷出合いまで滑降した。土砂が長蔵谷の雪渓を7割ほど覆っていた。

剣御前小屋まで登り返し、矢野さんはそのまま雷鳥沢から帰った。私はこのままダイレクトに帰ると酒量が嵩んでしまうので、一人別山へ向かった。稜線上はほとんど雪が無く、特に別山からの下降は兼用靴が不快だった。そして真砂岳に登った。この山にはBITTER SWEETな思い出があり、すでに十年以上前のことと軽く考えていたが、山頂に立つと嘆息を禁じ得なかった。

残雪は稜線から標高50mほど下ってからとなる。大勢に利用されているゲレンデ然とした雷鳥沢よりも、荒らされていない綺麗な雪面であった。人も少なく楽しく滑降できた。

ゆっくり滑って帰ってから入浴してもまだ4時。1階で矢野さん達とビールを飲んでいると、昨晩まで剣沢に泊っていた賀来さんたち一行がやって来た。酒量がますます増えたことは言うまでも無い。夕食に至っても飲み続け、その際の立山の夕景の実に見事だったこと。そして賀来さんにワインをおごっていただいてからの記憶が定かでなく、気がついたときは午後9時でベッドの中であった。

[タイム]
雷鳥沢ヒュッテ9:00−10:40剣御前小屋11:00−11:30長蔵谷出合い11:40−13:00剣御前小屋13:15−13:35別山13:45−14:20真砂岳14:35−15:00雷鳥沢ヒュッテ

5月5日 一ノ越から室堂へ 快晴 (梅原)

ヒュッテを9時頃に出発し、まずは室堂のコインロッカーに余分な荷を預け、一ノ越に向かった。今日も快晴。日焼けで顔がヒリヒリと痛んだ。シールで快調に飛ばし一ノ越で槍・笠ヶ岳方面の展望に名残を惜しんでいると、ヒュッテからダイレクトの矢野さんと高野さんが到着した。山崎カールを滑ってもう一泊する彼らと別れ、御山の西斜面をトラバース気味に滑り、緑が池の下部に出てからシールで室堂まで登り、今回の立山の山スキーの幕を下ろした。連日快晴の立山は楽しかった。真っ赤になった顔はどす黒くなるのだ。

[タイム]
雷鳥沢ヒュッテ9:10-9:20室堂9:30-10:15一ノ越10:50-11:25室堂

貴とは信濃大町からの特急が不快だった。松本までは自由席禁煙車は一両のみ。その車両の混雑を避けてグリーン車両の通路に避難したが、こちらも次第に環境が悪化した。JRの魂胆は指定料金で稼ぐことなのだ。五月連休の混雑は煩わしい限りだ。

梅原 記


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