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涸沢
2003年5月23日-25日
メンバー:作野他1名

5月23日(晴れ後雷雨)
前夜東京を車で発ち、姥捨てSAで仮眠。沢渡で車を村営駐車場に置き、タクシーで上高地へ。今日は、涸沢ヒュッテ泊まりである。のんびりと行こう。
明神、徳沢園、横尾とお決まりのポイントごとの休憩を入れる。道中はお花見散策である。道端にはニリン草の群落がそこここにあり目を楽しませてくれる。ところどころに花びらが3枚という特徴を持つ白と黒のえんれい草も見られ、またエゾ紫も可憐に咲いている。スキーを担いでいる人は皆無である。
横尾谷に入り左にそそり立つ屏風岩を見やって、まもなくすると雪が出てきた。横尾本谷と涸沢の出合いにかかる本谷橋は雪で埋まっている。沢が割れ始め、夏なら右岸を行くところ、雪上に赤ペンキで印があり、左岸の高巻きにルートが付けられ固定ザイルが取り付けられていた。足下は悪く、崩れそうなところをヘツリながらロープを頼りに足元を確認しながら慎重に進む。沢まではそう深くないが落ちれば相当な怪我をすることになる。本谷出合いはまるで氷河のセラック状のように雪塊がせり出し、割れ、うねっていた。ここからシールをつけた。最初は大きなうねりの雪面を行くことになったが、まもなくザラメの比較的平滑な斜面を快適に登った。涸沢ヒュッテ直前で一転俄かに黒雲が空を覆い、雷が鳴り出した。雨がポツポツ当たりだしたが、何とか本降りになる前に涸沢ヒュッテに着いた。今日は涸沢ヒュッテの新館完成記念とかで、鯛の刺身が出た。その他も美味しい食事であった。



〔コースタイム〕
上高地7:26→明神8:13/8:20→徳沢園9:09/9:23→横尾山荘10:17/10:36→1745m地点11:26/11:31→本谷出合12:25/12:51→涸沢ヒュッテ14:05

5月24日(快晴)
今日も快晴。朝涸沢ヒュッテのテラスに出て、最初北穂の頭に光が射し、次々に朝日が岩壁を徐々に染めていくのを楽しんだ。北穂沢、涸沢槍下のカールも綺麗である。また、涸沢ヒュッテから見上げるあずき沢の傾斜はかなり急である。直登ルンゼからと思われるシュプールが見える。
今日は、白出のコルまで。夏ならお花畑となる丘へ経て、しし岩のそばを通過し、ザイテングラードの右側を登る予定である。景色を楽しみながらゆっくり登った。今日このルートを登っているのは我々だけである。あずき沢を元気のいい若者が数人スキーとボードを担いで登っている。ザイテングラードを挟んで反対側であるが、あっという間に我々を追い抜いていった。突如、直登ルンゼからショートスキーを履いた人が現れ、綺麗なシュプールを刻みあずき沢を下っていった。4時間半をかけて白出のコル直下まで来た。もうお昼だし、奥穂高小屋に行ってもしょうがないと2人で勝手に納得し、2935m地点で登るのを止めた。ゆっくり昼食をとる。はるかに常念、大天井も見え最高の眺めである。
さあーいよいよ滑降である。涸沢槍とザイテングラードの間の斜面はシュプールが無い。雪質もザラメで最高である。雪面は綺麗なバーンとなっている。最高のお膳立てである。しし岩まで一気に滑る。そこで、小休止。ここから眺める涸沢槍下のカールも興味がそそられる。しかし、我々ロートルには2本/日はきつい。無理をせずにまた来る時と言い聞かせ、涸沢ヒュッテに戻った。ちょうど正午前ヒュッテ着。あと半日は、生ビールとウイスキーを飲みながらテラスで涸沢カールの岩と雪の景色を楽しんだ。




〔コースタイム〕
涸沢ヒュッテ7:07→2465m8:07/8:17→2640m9:20/9:25→2850m10:40/11:25→2935m11:35/11:45→涸沢ヒュッテ11:55

5月25日(晴)
今日は帰京。6:45にヒュッテを出た。テラス脇から滑り出したが、カリカリの雪。さすがに朝は堅い。足をとられそうになる。涸沢谷は右岸をほとんど前方向への横滑り。ふくらはぎがパンパンに張ってしまった。ほとんど同時に小屋を出発した人達と同時に横尾本谷と涸沢の出合いに着く。この時間と、私の足前では歩きと変わらないのか!
今日は日曜日、横尾から上高地まではお花鑑賞の旅行会社のツアー客、写真を取る人人人。我々がスキーを担いで歩いているのを、怪訝な顔をして見ている。何処で滑れるのですか?と聞く人もいる。この歩きは長い。上高地に昼前に着いた。河童橋の麓は人が一杯。ここは東京六本木かと見まがうスタイルの人もいる。近くの河童橋、岳沢がよく見えるレストランでそばを食べ、生ビールで乾杯。上高地からはシャトルバスで沢渡へ。

〔コースタイム〕
涸沢ヒュッテ6:45→本谷出合7:15/7:23→横尾山荘8:44/9:00→徳沢園9:53/10:05→明神10:50/11:10→河童橋11:45

作野記

 


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