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浅草岳
2006年3月26日

メンバー:L.作野、菅沢、中島

2006年3月26日(日) 高曇り

今回は3月25日(土)夕方現地入りし、浅草山荘で一泊。翌朝山行に出るという余裕を持ったスケジュール。土曜の夕方は温泉とビールを楽しんだ。JR小出駅からの只見線は1日5本運行の典型的ローカル線。2両編成のJR只見線(小出駅にて)乗客もわれわれ3人の他は数えるほど。宿の送迎の人の話によると国鉄時代は4両編成で1時間に1本ぐらいは走っていたとか。その後車社会化が進み、現在のようになっていったとのことであった。
3月26日(日)午前7時05分。浅草山荘を出発。薄日のさす曇り空ではあるが、寒さはなく登山にはまずまずの気候であった。ムジナ沢を目指して左肩斜面をひたすら登って行く。
鳥のさえずりや雪虫から春の訪れが感じられる。フロントの作野さんは結構なペースで登り、1時間ほどで200Mを登ってしまう。8:00ちょっとブレイク。また雪虫を見ながら同じペースで登り、9:08滝上で2回目の休憩。
10:30前岳通過地点で山頂前の一服。ここら辺から個人的に喉が渇き、ときどき雪を食べる。山頂付近は風が強く、クラスト気味やカリカリ斜面だったりで、スキーアイゼンのない私は思うように登れない。菅沢さんのアドバイスで壷足登行に切り替える。10:45浅草岳山頂。強風にあおられながらも、360度見渡せるパノラマ展望は快適だった。東京にいたら、今頃寝床を離れる時刻か?
交代で写真をとり合い、12:35出発。山頂から降りること100Mぐらいのところに滑降に絶好の斜面が現れた。頑張って登ってきた甲斐があったというもの。大回り、小回りとそれぞれの心地よいシュプールを描く。この後快適なスキーで樹林帯を抜け、滝上で11:45。少し休憩を取った。耳を澄ますと自然の音以外は何も聞こえてこない、久々の経験であった。途中、斜面にたたずむカモシカを見て下山した。浅草山草13:25到着。だいぶ時間が空いたので温泉とビールで列車までの時間をくつろいだ。御陰様で、大変有意義で長〜い2日を過ごすことができた。(中島 記)


25日午後に東京を新幹線で出発する。3月も終わりなのに何故か指定席は満席。今日は快晴である。越後湯沢の駅は土曜の午後なのにスキー客があまりいない。上越線の鈍行に乗る。こちらはガラガラ、当地のオバサンが隣のボックス席で大声で喋っている。久しぶりにノンビリした旅である。燦燦とした日の光のもと、石打スキー場の脇を列車は進んでいく。スキー場はガラガラ。雪は一杯あるのに。線路の反対側に越後三山が悠然と聳えている。いい景色である。小出でローカル線の只見線に乗る。今でも、大白川以降は不通である。線路の脇にもまだ、人の高さより高い雪壁がある。平成18年豪雪の後がまざまざと残っていて、今年の雪のすごさを改めて思い知らされた。只見線は我々3人貸し切り状態に近い。のどかである。

大白川の駅はひっそりとしていた。迎えに着てくれたワゴン車に乗り込む。浅草山荘は改装されて豪華で、かつ食事も、温泉もいい宿であった。26年前の3月連休に訪れた時と隔世の感がある。当時は、大白川から2時間半かけて歩いたものである。

7:30からの朝食時間を待っていては帰りが心配なので朝食おにぎりを用意してもらう。7時駐車場脇を出発。昨日は5パーティーほど入ったそうである。今日は我々だけ。ムジナ沢へ尾根を何度も越える。予定の時間でムジナ沢に達する。ムジナ沢に降り立ったところに大穴が開いていた。一路滝を目指す。滝は右を巻く。ここから尾根に取り付くが、尾根は若干風が出てきた。雪は硬い。スキーアイゼンを付けてひたすら登る。1485mピーク(嘉平与のボッチ)を過ぎてから前岳、浅草岳山頂までは風がさらに勢いを増す。雪は風でクラストし、透明の氷になったエビの尻尾がちぎれカラカラとスキーの下で音を立てる。少し斜度をとると後ずさりする。結構疲れた。予定時間より早く10:45に浅草山頂に立った。

山頂からは360度の展望である。高曇りで、太陽がぼやけているが、周りの山々は見える。貉沢カッチ(1452mピーク)鬼ヶ面山の切り立った山容は凄さがある。風が強いので、一服して写真をとり、早々に下る準備に入る。

山頂直下はカリカリのクラストバーン。横滑りで降りる。1度回してみたが、安全航行に勤める。山頂〜前岳〜嘉平与のボッチまでは馬の背のような地形でかつクラストしているので、慎重に滑る。

登ってきた尾根を目前に、前岳と嘉平与のボッチの尾根から発する沢は垂涎の様相を呈している。雪質が心配で、登ってきた尾根に入ろうとしていた時、「ここを滑らないのですか?」との声。3人の足を考えて滑ることにした。地図を見ると、すり鉢状の斜度は沢上部で35度、中間部で30度、下部で25度。上部を大回りパラレルでターンを試みる。エッジが食い込み気持ちよく回ってくれる。これならいけそうだと確信する。大パラ3回。中間点からは雪も少し緩み中パラ。下部は完全にコントロールできる雪質と斜度であるので、ヴェーデルンで決めた。最高の滑りである。今までの苦労がすっ飛んだ。

滝上で大休止。少し太陽がさしてきた。ここから下は悪雪でトレールがワダチのようになってしまう。この状態で回すのは至難の業。振り子状の沢底をひたすらスキーを滑らした。標高900mくらいのところで左手の尾根上のところでカモシカがこちらをジッと見ているのを発見した。後はひたすら温泉とビールのためにスキーを漕いだ。14:25浅草山荘着。

只見線の16:58に乗るべく宿の人に送ってもらった。CS(顧客満足)満点の宿であったことを付け加えておく。



〔コースタイム〕
浅草山荘7:05→標高800m地点(ムジナ沢に入る手前)8:00/8:08→滝上9:08/9:18→前岳10:30通過→浅草岳頂上10:45/11:10→滝上11:45/12:35→浅草山荘13:25着

作野記

 


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