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八甲田スキーツアー

2006年2月4〜6日

メンバー:梅原他4名

友人のグループに加わっての旅行会社のツアーである。大人気のツアーなので半年前から予約したそうである。今回はその友人の自家用車と飛行機・バスを利用できたので、自宅・酸ヵ湯間をほとんど歩かない。温泉とガイド付きの至極快適な山スキーであった。因みに2泊3日で約4万円。

天気は荒れ模様で、羽田8時頃に飛行機に乗る際、青森は視界が悪いので羽田に引き返す可能性のアナウンスがあったが、きわどい差で着陸できた。その後さらに大荒れになり、奥羽線などは不通になっていた。そんな状況でも11時には酸ヵ湯に着き、午後2本の小ツアーをこなした。嘗て夜行「八甲田」で入山したころとは雲泥の差であった。

六日の午前中まで天気が悪かったが、懸念したロープウェイは運行された。表示では山頂は風速22-24m。気温マイナス17-8度。視界は20-50mといったところだ。

ただ、このような気象条件では、ロープウェイ北のフォレストコースに大きく外れることのないツアーしか行われないようで、標高800辺りからは、必ずフォレストコースに滑りこんだ。そんな小ツアーを4日は2本で5日は4本こなした。山頂でツアーの出発を待つ間に、メガネかゴーグルの一方方は両方が曇ってしまうことに苦労した。フェイスマスクに問題があるのかもしれない。

6日午後天候回復。表示の風速は12m。ようやく雪中行軍遭難記念像(通称「銅像ルート」)へと山頂駅午後1時出発。総勢40名。ガイドは数名。少数ながらもボーダーもいて、彼らはスノーシューを担いでいる。それ以外は半数以上が空身である。緩い登りを10分と歩かないうちに田茂萢岳山頂へ。視界は50m程度の中、前嶽方面に広大な緩斜面に続いて、短いながらも急な壁を滑降して小さな沢に。その沢を越えて、樹氷のアイスバーンをトラバースして行く。雪に埋もれてほんの僅かに現れているコース表示の看板をいくつか確認した。

私の前でどこから紛れ込んだのか、高齢の婦人が苦戦していた。うねったアイスバーンのコースは、1m程度のアップダウンが頻発する。それを滑って越えられずに凸部頂点僅か手前で止まってしまった。それでもついたストックに軽く力を入れればいとも簡単に越えられそうだったが、その体力も残っていない様子で、そのまま後ろ向きに滑り落ち四つん這いに倒れてしまった。そして倒れたままほとんど動かなくなってしまった。ガイドにスキーを外してもらい、そのガイドと別行動を取ることとなった。

前嶽の南東のコルまでスキーを付けたまま歩いた。ボーダーはスノーシューなので少し遅れて到着した。さて、この樹木のない広大な南斜面が醍醐味である。腰以上のパウダースノーを満喫して振り返ると、三人に一人はこけていた。中には頭だけ出して雪に埋もれている者もいて、その中でも頭が下になったものはガイドに助け起こされていた。このあたり(標高約900m)でやっとガスの中から抜け出した。この三日で初めて見晴らしが効いた。なんとなく鬱屈とした気分が晴れたようだ。そもそもこの時期に晴天はまれなのだ。ともかくスキーができたことに満足すべし。

前嶽の北斜面の林間に入ってとろとろと滑って行くと、銅像茶屋の除雪された道路に滑り降りた。ガイドが言っていた通り丁度四時であった。すでにバスが待っていてくれるので嬉しい。

数m程度の積雪で、銅像は何処なのか皆目分からなかった。酸ヵ湯着4時半。飛行場までのバスは宿を6時過ぎなので、温泉に入ってビールで寛いだ。


2月初旬なので荒れた天候だったが、ロープウエイが止まらなかったのだから満足しなくては。雪は山頂付近では少し硬い。ガイドによると、風圧で凝縮するそうである。山頂から標高で100mも下ればパウダーとなるので、所によっては全身が隠れそうになるくらいの深雪を、気持ちよく滑ることができた。それは低温の2月故であった。

最後に千人風呂のついて。午後8-9時の女性専用時間以外相変わらず混浴だ。以前のようなロープの仕切りはないが、「これより先男性進入禁止」の看板があった。山田敬三さんを中心に「混浴を守る会」が結成されたようだが、マナーの悪い男性客が多く女性からの苦情が絶えない状況に対する、プロパガンダであろう。会則は「いやらしい目をして入浴するんでねー。平常心で和気藹々と入ろーでねーがー」といったところである。私は日没後入浴したが、湯煙で何が何やら分からず、しかもメガネを外しているので、段差に蹴躓き転びそうになるほどで、とても覗き見る勇気はなかった。矛盾を感じたのは、女性用湯浴み着(500円)を販売していることと、湯治部の売店で販売している雑誌はドギツイ雑誌のみであること。こんなもの読んでたら尚更出歯亀が増えるのではないか?

梅原 記


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