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立山周辺

2006年5月2〜5日

メンバー:武部

5月2日 雨、霧、晴れ

夜行で富山まで来たが、電車の中で雨の音がすでにしている。ゆっくり室堂まで来るが、霧雨で止みそうも無い。それでも、観光客は外に出て行く。自分はベンチで昼寝とする。12時になって外に出る。雨はやんではいるがガスで視界は10m位・出発する。今日は結局雷鳥壮泊まりとする。

夕方、晴れた。立山、大日岳方面が良く見え、夕日がきれいであった。

5月3日 晴れ

朝、そんなに早くはないが、一番に別山乗越しに向けて登りだす。スキーは手に持ってツボ足で登りだす。多くの人にどんどん抜かれながら気にせず登る。天気良く快適。2/3位登ってアイゼンを付ける。山岳警備隊が常駐していた。

計画書は小窓になっていたので単独かつ今の時間帯なので随分しかられた。「行けるところまで。」と言ってもなかなかOKが出ず、結局長次郎出合いでOKをもらった。計画書では、明日は長次郎雪渓から本峰になっていた。これも随分いろいろと言われたが理解できず、明日のことなので保留した。小屋の前でスキーを履いていると小屋の人と思われる人から、「明日の長次郎は止めなさい。」と言われ、なんて答えたか覚えていないが、どういうことかよくわからなかった。

慎重に剣沢を滑っていく。剣沢小屋前の天場には、まだ1つもテントはない。そこで一旦休憩する。一面雪で小屋の屋根まで雪があり、雪が特に多いことが分かる。見える範囲では、雪は安定しているようだ。これからは沢幅も狭くなってくるので、注意しながら慎重に滑る。平蔵出合いから上を見ると、記憶にある平蔵谷よりもなだらかに思える。長次郎出合いまですぐそこだ。長次郎出合いから上を見ると、記憶にある長次郎よりもなだらかに思えた。相当雪が積もったためだと思われる。

八ツ峰の稜線と上部斜面には、まだたっぷり雪がある。それらが落ちてきたら・・・だから、しつこく「明日の長次郎は止めなさい。」と言っていたのがやっとわかった。

後は長い登りをはじめはツボ足で登る。途中からズボズボ雪が潜りだしたので、シールを付けて登りだす。約標高差1000mの登りはなかなか大変。警備隊には、「明日は真砂沢を滑る。」と報告した。

[タイム]
雷鳥壮6:45−−−別山乗越9:15/10:10−−−長次郎出合い10:40/50−−−別山乗越14:50

5月4日 晴れ

小屋はぎゅうぎゅうでいびきがひどく全然眠れなかった。もっと寝ていたかったが、7時頃部屋を追い出され、散歩がてら手ぶらで剣御前に登る。戻ってスキーを引っ張って別山を登る。寝ていないせいもあり全然体力が無い。風があり、雪は柔らかくなりにくい感じだ。途中からの剣はとても素晴らしい角度でよかった。別山の広い山頂をぶらぶら散歩し、滑り出しのコルまでピッケルをもって空身で散歩してくる。広い山頂では、単独のスノーボーダが「こちら(真砂沢)のほうに滑ったら戻れますか」と自分に聞くので、
1)途中で滝が出てきたら登り返し
2)下から登り3時間以上
と答えた。彼はOKという感じでコルに向かった。ほぼ同じに自分もコルに向かう。コルから東側は、風があたらず思ったよりも雪は柔らかい。これならもう少し早く滑り出してもよかったかなという感じだ。特にアイスバーンの心配はない。両側は雪がべったりで安定している感じで申し分なし。スノーボーダの兄ちゃんは、先に滑って下から僕が来るのを待っている。最初の滑り出しは急である。すでに雪は緩くなっているので、スキーに乗った雪を落として深呼吸し、気合を入れて1回目のターンをジャンピングターンで対処する。後は快適で、足の筋肉が張るまでどんどん滑る。スノーボーダの兄ちゃんは、ずっと先に見える。とても追いつけない。中間で広くなり狭まってくるとブロックの跡もあるが、右岸をトラバース気味に滑り特に問題なし。滝壺は雪で埋まり問題なし。剣沢出合い直前でホッとして尻餅をつきそうになるが、何とか転ばずに剣沢まで到着。スノーボーダの兄ちゃんは、スノーボードを縦に分割してシールを付けていた。こういうスノーボードを始めてみた。他にも真砂沢を滑ってきたパーティもあり、ここはかなりの人数になった。のんびり休憩して出発。自分は始めのほうで出発したが、どんどん抜かされゆっくり最後を登る。

今日は剣御前小屋で泊る予定であったが、雷鳥沢を滑って降りることにする。(今の腐った雪なら主にでも滑れるから。)小屋の受付で挨拶(キャンセル)して、デポしてあった荷物でパッキングをやり直して出発。重い荷物で動きは鈍く、慎重に滑る。雷鳥沢と思っていたが、結局ほとんど尾根伝いに滑り、最後に快適なそれなりの急斜面を滑る。ここからの登り30分はきついなと思っていたら、ロープ塔の採集に間に合い、乗ることにする。きっと重そうでフラフラしているように見えたのであろう、係りの人が「ザックをもってあげる」と言うので手ぶらで乗ることができた。(それでも乗るのは難しかった)何とか、雷鳥壮に到着する。

雷鳥壮のフロントで受付している間に梅原さんと会うことができた。それでみんなと同じ部屋に泊ることができた。そろそろ天気も悪くなってくるので、明日東一ノ越経由で下山することにする。

[タイム]
別山乗越7:00−−−別山8:00−−−コル9:00/9:10−−−真砂9:40/10:20−−−武蔵谷上12:00−−−別山乗越14:30/15:00−−−15:40最下点−−−ロープ塔下16:00−−−雷鳥壮16:20

5月5日 曇り

一ノ越に向けて登る。昨日もあまり眠れずすぐ疲れる。すでに大日岳方面には薄い雲がかかり天候の悪化は着実に近づいていることが分かる。今日下山で、ちょうどいい時期だと思った。少し登っては休憩という感じでようやく一ノ越に到着。風は強めだ。地図を見ながら、ルートを確認する。前来たのは10年以上前でもう覚えていない。御山谷は雪がべったりで安定しているように見える。誰かが、田んぼ平で雪崩が発生していると言っていた。

あるパーティが東一の越に向けて出発した。それを抜かす。トラバースになって少しはまだ雪があったが、雪が無くなり対にスキーを外す。かなりの傾斜のところで重荷を背負ったままスキーを外すのはちょっと怖い。何とか滑落しないで夏道に出た。しばらく雪とまだらな夏道を歩いて東一の越(滑降地点)に到着。ここからは急斜面になっていてタンボ平に出る。今年は雪が多いせいか昔より斜度が急に感じる。行けるところまでトラバースして、スキーに溜まった雪を落とす。深呼吸して左にジャンプターン。後は調子が出てきてどんどん滑る。タンボ平に向けてトラバースをするが、もう雪が腐ってターンが難しい。タンボ平の中央付近で休憩。ここなら雪崩は届かない(時間がかかるので逃げられる。)と判断した。時折ロープウェイも通るのが見える。しばらく休んでタンボ平を滑るが、なかなかターンが難しく転びそうになる。タンボ平の終わり、ロープウェイ乗り場のすぐ下で雪に埋まっている沢を渡る。その沢が雪崩れていた。ほとんど傾斜はないのだが、大規模(ずっと長い距離に渡って)に雪崩れていた。なんとかスキーを外さずに渡る。また休憩して、あと一息の滑りに備える。地図を見て、1680m付近からほぼ東に向けてダムを目指して滑る。途中から尾根を外れ、緩やかな沢(木がたくさんあるので雪崩の心配はない。)に入る。その中腹に足跡らしきものが見え、不審に思ったがそのまま滑る。後で思ったのだが、熊の足跡かもしれない。ダムの遊歩道に出る直前、絶壁かもしれないと覚悟していたが、50センチほどで助かった。遊歩道にもまだ雪があり、コンクリートになるまでスキーを引っ張る。

[タイム]
雷鳥壮7:15−−−一ノ越9:15/9:40−−−トラバース10:00−−−東一ノ越10:20/30−−−タンボ平11:00/11:20−−−ロープウェイ下11:30/11:40−−−黒部湖遊歩道12:00

武部 記


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