ヨーロッパ・アルプス
ポリュックス、オーバーガーベルホルン、ナーデルホルン
西川 克之 日時 2009年8月17日(月)〜8月28日(金) 山域 ヨーロッパ・アルプス ツェルマット周辺 ツェルマット 十九年ぶりだったが、第一印象は何より雪の少なさに驚いた。頂上部や北面で以前ならびっしり雪が付いていた所が、かなり岩が露出している。すごいスピー ド で氷河が溶けているようだ。 ツェルマットにはヨーロッパ・アルプスの4000m峰の半分の約30座がひしめくだけに、まず登る山を思案するが、順当に考えればおのずと決まってく る。 今回はテッシュホルンとオーバーガーベルホルンにした。この選択は現地に着いてから見たアルパインセンター・ツェルマット(ACZ)のパンフレットに、” Matterhorn & famous climbs in the Alps” として名前が載っている十座と一致する。十座とはマッターホルン、オーバーガーベルホルン、チナールロートホルン、リンピッシュホルン、テッシュホルン、 ヴァイスホルン、ドーム、リスカム縦走、モンテローザ、ダンブランシュ。この中で七座は登頂している。残る三座のうち、ダンブランシュはアルプス 4000m最難関なので次の機会にすると、テッシュホルンとオーバーガーベルホルンが残る。 テッシュホルンはアルプス4000mでも一番大変かもしれない。登り1800m。モンテローザも1800mあるが、大部分は傾斜の緩い氷河なのに対し て、 テッシュホルンは険しい所が長い。なによりテッシュホルンが大変なのはダイレクトに登れる位置に営業小屋がなく、他の山を迂回して取り付くことである。急 峻そのものに見えるマッターホルン ヘルンリ稜も小屋からすぐに取り付けるので意外と短時間で登れてしまうが、テッシュホルンはそうはいかない。とにかく 長い。テッシュホルン一般ルート南東稜基部にミシャベル・ビバーク・ヒュッテがあるが、営業小屋ではない。なおミシャベル・ビバーク・ヒュッテとミシャベ ル・ヒュッテとは全く別である。今年キン・ヒュッテからダイレクトに登る新ルートができた。しかしキン・ヒュッテは2584m、テッシュホルンは 4491mで、登り1900m以上。またオーバーガーベルホルンも相当難しい山である。もちろん、それは十分わかっていたのだが。 レッチュベルク新トンネル 2007年、ベルナーアルプス越えのレッチュベルク新トンネルが開通し、南北の所要時間は1時間以上短縮された。新旧トンネルの違いは、上越線に例える と 湯檜曽で入る在来線の清水トンネルと高崎を過ぎると入る新幹線にも匹敵する。新トンネルは速いが、これまでの絶景は全てトンネルで通過してしまう。そこで 今回は行きは旧トンネルにした。風光明媚なカンデルシュテークを訪ね、ゴッペンシュタインからは正面にスイス国内最高峰ドームを擁するミシャベル山群を望 み、はるか下方にローヌ川の谷を見下ろしながら航空機のように高度を下げていく。帰りは新トンネルで迅速快適。 スイス・カード 簡単に言えば最初と最後の日の往復+他の日の半額割引切符である。ということは最初と最後の日と他の日を区別しなければならない。最初の日付はチュー リッ ヒ空港駅で乗車する際に記入してもらった。ところが、その日乗り継いだ列車で車掌さんが最後の日付を記入したではないか。有効期限1ヶ月後の日付をであ る。果たして最後の日、ツェルマット駅の窓口で日付が違うのであれこれ言われたが、私ではなくSBBの車掌さんの処理が間違っているのである。しかし取り 返しのつかないことではなく結局ツェルマット駅の係員が修正液で消して書き直してくれた。 8月17日(月) 成田〜バンコク タイ航空TG677で成田発。バンコクでTG970に乗換、18日朝チューリッヒ着。チューリッヒ空港は電車でメイン・ターミナルへ移動するようになっ ていた。 8月18日(火) 快晴 チューリッヒ〜カンデルシュテークからエシネン湖〜ツェルマット チューリッヒ空港駅で荷物をライゼゲペックで送り電車に乗った。ベルン、シュピーツで乗り換え、カンデルシュテークで途中下車。レッチュベルク・トンネ ルを清水トンネルに例えるならカンデルシュテークは水上に当たる位置。少し歩いて町はずれのロープウェイ乗り場へ。ロープウェイを降りて下り坂を20分 で、正面にブリュムリスアルプホルンを望み、濃い青い水のエシネン湖畔。神秘の湖としては明るすぎるような。湖尻経由でロープウェイに戻り、カンデルシュ テークからブリーク経由でツェルマットへ。ブリークは外に出ると日射しが熱い。スイスもいよいよ温暖化して平地の夏は快適ではなさそうだ。ヴァイスホルン 北面が見えたが、頂上部の岩が露出しているのには驚いた。 ツェルマットではホテル・ヴァイスホルン泊。一泊朝食付きで62フラン。ツェルマットでこれより安いところはほとんどないと思う。アルパインセンター・ ツェルマットに行き、オーバーガーベルホルン、テッシュホルンの予約の確認とトレーニングのブライトホルン半縦走の決済をした。 エシネン湖とブリュムリスアルプホルン 8月19日(水) 快晴 エーデルヴァイス・ルート ハイキング ツェルマットにはロープウェイや登山電車がたくさんあるが、西面にはその類は全くなく、全て自分の足で歩かねばならない。エーデルヴァイス・ルートは オー バーガーベルホルンから東に延びる尾根の中腹をトラバースするルートでマッターホルン北壁を正面に望む大変展望のよいルートである。ただし行程は長くエス ケープルートもない。 コープに行って行動食を買ってからツェルマットを9:58発。トリフト方面へはバーンホーフ通りから西側の細い通りに入る。家並みを抜けるとトリフト バッ ハ沿いの道となる。この道を登るのは十九年ぶり、四回目。日射しが強く熱い。地形が開けてくると山岳ホテル トリフトに着き、小休止。この先で道は三方に 分かれる。直進すればロートホルンヒュッテ、右はメッテルホルン、今回は左に行く。斜面を登り尾根を回り込むと正面にマッターホルンが大きく見えてくる。 開けて展望のよい2665pで休止。この先はマッターホルン北壁を眼前に見ながら中腹をトラバースする。トラバース道の最後の2705pはマッターホルン 北壁の真正面で外人が日光浴している。私も大休止。ここからは下りで、オーバーガーベルホルン南面から流れるアルベンバッハの橋まで行ってから反転しツェ ルマットへ向かう。帰り道も非常に長い。 夕方7時過ぎ、アルパインセンターから電話。ブライトホルン半縦走は人数が集まらない。プライベート・ガイドなら行かないと答えた。 コース・タイム ツェルマットのトリフト道入口 9:58 -> エーデルヴァイス・ペンション 10:35/10:38 -> トリフト 2337m 11:26/ 11:58 -> ヘーバルム 2665p 12:49/13:08 -> 2705p 13:55/14:28 -> アルベンバッハの橋 15:05 -> ツェルマット 17:04 エーデルヴァイス・ルート2705Pからのマッターホルン
8月20日(木) 快晴 ブラウヘルトからオーバ−ロートホルン 3415m へハイキング オーバ−ロートホルン頂上には十数人いたが、二〜三人が外人で他は日本人だった。快晴で展望がすばらしい。ここやメッテルホルンのようにツェルマットを 取り巻く4000m峰の内側に位置するピークは展望が大変よい。帰りはシュテリーゼーを経由したが、湖面が波立っていて逆さマッターホルンは映らなかっ た。 夕方7時過ぎ、またアルパインセンターから電話。朝オフィスに行って、ブライトホルン半縦走は明日にしたのだが、人数がいない。ポリュックスなら可能な のでそちらにした。 8月21日(金) 曇 ポリュックス南西稜 4092m ポリュックスは二十一年ぶり二回目になる。6:40にマッターホルン・エクスプレス集合。ガイドはクリスチアン。客は私の他、ゲンフ(ジュネーブ)から来 た女性と男性のヘルムートさん。お二人とも白髪でかなりの年。クライン・マッターホルンの外で、ガイド、女性、私、男性の順でアンザイレンし出発。ポ リュックス南西稜の取り付きまではブライトホルン南面のプラトーを下り気味の長いトラバース。傾斜は緩やかだが氷河にはお決まりのクレバスもあり気楽では ない。 南西稜取り付きにストックをデポし登り始める。岩場の間に明瞭な踏跡があり、ほとんど登山道に近い。しかし岩場の最後は固定ザイルがあり、ここは難所で ある。まずスラブを左へ10mほどトラバースする。幸い足の位置に段差があり、と言うよりその位置を元に固定ザイルを取り付けたのだろうが、バンドが走っ ているので足を置き、両手で固定ザイルを伝って進む。固定ザイルの取り付け点にガイドのザイルもランニング・ビレイしているので、通過の際カラビナにザイ ルのかけかえをする。トラバースが終わると岩の間を直登の固定ザイル。自分が登っている背中にも岩があるので露出感はないが傾斜がきつい。二十一年前、こ こで苦労していると “Matterhorn is like that and very long!” とガイドの声が飛んだのだが、今度はさして苦労しなかった。 固定ザイルが終わって雪上に出た。マリア像に二十一ぶりに再開。よいことがありますように。アイゼンを着け、雪稜をしばらく登るとポリュックス頂上。雲 が多く展望はない。下りはマリア像まで戻りアイゼンを外す。ここから右に下れば同じ固定ザイルのルートだが、別ルートで左側に行く。岩の間の急な踏み跡を 下り、右にトラバースして往路に戻った。南西稜を下り、プラトーを延々と歩いてクライン・マッターホルンに戻った。 コース・タイム クライン・マッターホルン 7:15 -> ポリュックス南西稜取付点 9:15 -> マリア像 9:50 -> ポリュックス 4092m 10:15/10:32 -> クライン・マッターホルン 13:04 ポリュックス ルート図 ポリュックス頂上直下のマリア像
8月22日(土) 晴 ツェルマット〜ロートホルン・ヒュッテ 朝アルパインセンター・ツェルマットに行き、決済しガイドの名前の入ったバウチャーをもらう。アルパインセンター・ツェルマットはこのように小屋に入る 当日の朝詳細を渡す流れのようだ。 ロートホルン・ヒュッテへは1600mの長い登りで四時間かかる。しかし昼間の暑い時に登るのは避けたい。六時がガイドに会う時間なので一時半に出発し た。五回目のトリフト道の登り。トリフトの先のトリフトバッハ支流では渡渉したが、帰りは少し上流なら靴をほとんど濡らさなかった。その先はトリフト氷河 を横に見ながらモレーンの背を延々と登ってヒュッテに着いた。ロートホルン・ヒュッテは二十年前チナールロートホルンへ登って以来。 ガイドはユーエン・ハラルト 35才。ドイツのガルミッシュ・バルテンキルヘン生。オーバーガーベルホルンが一番好きでマッターホルンはその次、理由はマッターホルンは岩だけだが、 オーバーガーベルホルンは岩も雪もありタフなクライミングができるからだと言う。夕食時は四十人ぐらいで、もちろん日本人は他にいない。 コース・タイム ツェルマット 13:30 -> トリフト 2337m 15:07/15:17 -> ロートホルン・ヒュッテ 3198m17:30 ロートホルン・ヒュッテ
8月23日(日) 快晴 オーバーガーベルホルン 一般ルート北東稜 4:41に真っ暗な中を出発。オーバーガーベルホルンまたはヴェレンクッペへ向かうのは約二十人か。ヒュッテから数分でトリフト氷河上に出、アイゼンを 着 ける。右側のトリフトホルンの山稜に沿うように大きく右よりに進んで氷河を左周りに登る。氷河は次第に傾斜が急になりヴェレンクッペ東北東稜の肩に着く。 ヒュッテからは正面の岩がさえぎって見えないが雪のバンドが両側から続いている。アイゼンを外しストックとヘッドライトもデポする。ここからヴェレンクッ ペ東北東稜の岩登り。まず稜の左側の踏み後沿いに、中ほどは傾斜のきつい岩場を越えて稜上へ出、その後はホールド、スタンスの少ないスラブ状の岩を経て雪 に覆われた広いヴェレンクッペ頂上。 広い雪面を一旦西へ下ると狭い雪稜のオーバーガーベルホルン北東稜、グラン・ジャンダルムの下まで行く。固定ザイルを伝って登るが傾斜が強く容易でな い。 最後の三ピッチ目のスラブはアイゼンを岩に当て両手で固定ザイルをつかんで登るが、腕の負担がきつくてなかなか登れずようやくグラン・ジャンダルム頂上ま で登ったものの。ガイドが言うには、この先の雪稜は急だが行けるだろう。しかしその上の頂上岩場はここより傾斜が急で固定ザイルもなく困難だろうと。かく してここまででオーバーガーベルホルン敗退となりました。 引き返す。グラン・ジャンダルムを三ピッチ懸垂下降で下りヴェレンクッペ頂上へ。ここでまだ時間も早く天気も展望もよいので大休止。オーバーガーベルホ ル ン北壁はもちろん、マッターホルン北壁、ダンブランシュが間近に見えるのみならず、ツエルマット周辺の4000m峰、遠景にはグラン・パラディーソ、ピッ ツ・ベルニナも見える大展望。さてテッシュホルンはやはり難しいかと思い、ガイドといろいろ相談した。結局、レンツシュピッツェ〜ナーデルホルンに変更す ることにした。ナーデルホルンは難しくないがレンツシュピッツェはオーバーガーベルホルンと同様に北壁があり、北東稜のグラン・ジャンダルムを越えて登る 山で、マッターホルンよりワン・ランク上。しかしレンツシュピッツェのグラン・ジャンダルムはオーバーガーベルホルンに比べればたいしたことはないとガイ ドは言っている。 ヴェレンクッペからの下降は短い雪稜を終えると岩場になる。ホールド、スタンスの少ない上部岩場を三ピッチほど懸垂下降で下る。適当な場所にボルトがあ る。下部岩場は傾斜は急だが、ホールド、スタンスはあるのでクライム・ダウンして壁の基部に戻り氷河を下ってヒュッテに戻った。 ヒュッテでのんびりしていると、昨夜同じテーブルで食事した別のガイドが負傷しヘリがやってきた。昨日と同じ道をツェルマットへ下山し、アルパインセン ターへ行き山の変更を告げた。 コース・タイム ロートホルンヒュッテ 3198m 4:41 -> ヴェレンクッペ東北東稜の肩 3650m 6:08 -> ヴェレンクッペ 3903m 7:15/7:20 -> オーバーガーベルホルン北東稜グラン・ジャンダルム 3870m 8:00 -> ヴェレンクッペ 8:40/9:10 -> ロートホルン・ヒュッテ 11:30/13:10 -> トリフト 14:41/14:58 -> ツェルマット 16:05 オーバーガーベルホルンとエーデルヴァイス・ルート ルート図 ヴェレンクッペ頂上
オーバーガーベルホルン グランジャンダルム
オーバーガーベルホルン 花とマッターホルン ヴェレンクッペ 8月24日(月) 曇 ツェルマット〜ザース・フェー〜ミシャベル・ヒュッテ 朝8:30 アルパインセンターに行くとレンツシュピッツェ〜ナーデルホルンは長い縦走コースで行けるかどうか初見の客ではガイドが判断できないと言う。それならナー デルホルンに変更した。そこですぐガイドが決まったわけではなく9:30 にまた来てくれと言う。9:30に再度行き、バウチャーを発行した。集合はミシャベル・ヒュッテ18:00である。ミシャベル・ヒュッテはツェルマットか ら登れるのではなく、電車とバスでまずザース・フェーに行き出発する。 ドイツ語ではSは清音なので、サース・フェーではなくザース・フェー。昔の本はザース・フェーだったが、今の本はどれもサース・フェーになっている。 ツェルマットを11:13の列車に乗り、シュタルデンで下車。すぐにポスト・バスに乗り換える。終点のザース・フェーからミシャベル・ヒュッテに登る道 はあるが1550mの登りで長い。ハーニク・アルプのロープウェイを使えば500mかせぐことが出来るので乗り場に向かう。ところが近づいてみると動いて いないではないか。なんと13:30までは昼休みだったので少し待った。 ハーニク・アルプからは西へトラバースし、トーレンバッハの橋を渡りザース・フェーからの道と合流する。ミシャベル・ヒュッテは3340mと高い位置に あ り、そこまでの道も25,000図でも岩記号だらけ。草地の巻き道から稜に出ると果たして両側の落ちた岩尾根にワイヤ・ロープが延々と張り巡らされてい る。困難はないが、下ってくるパーテイーはアンザイレンしている。尾根は展望がよく、対岸のヴァイスミース、ラギンホルン、フレッチホルンがよくみえる が、ヴァイスミースは無残なほど雪が少なく、一般ルートの氷河の通過は大変そうだ。岩尾根を長々と登ってミシャベル・ヒュッテに着いた。ミシャベル・ ヒュッテはSAC (スイス・アルパイン・クラブ)ではなくチューリッヒ大学の山荘なので表にAKADEMISCHER ALPEN CLUB ZUERICH (AACZ)と書いてある。 ガイドはもう来ていた。シュミット・トーマス 39才。明日は昼から天気が崩れるそうだ。 コース・タイム ハーニク・アルプ 約2300m 13:47 -> ミシャベル・ヒュッテ 3340m 16:52 ミシャベル・ヒュッテへの道とザース・フェー
8月25日(火) 上部雪、下部曇 ナーデルホルン一般ルート北東稜ミシャベル・ヒュッテ 4時起床、4:45出発。アンザイレンせずに小屋の立つ岩尾根の踏み跡を登って行く。踏み跡は明瞭だが、真っ暗で両側は落ちているので気をつける。 3600mでアンザイレンしアイゼンを着け右のホーバルム氷河に移るが、このころから小雪が落ちてきた。平らな氷河からヨッホへ急な登りとなる。下部に大 きなクレバスがあり、周りは氷が露出して越えるのが大変。越えてからも固い氷の斜面を登りヴィントヨッホで小休止。雲が立ち込め視界はない。 ヨッホからナーデルホルンの北東稜を登って約一時間。ガイドが立ち止まって言う。予想より早く悪天が来ている。”Thunder storm coming.”この状況で突っ込むのは危険だと。かくしてナーデルホルンもここで退却となった。引き返して、まだ登って来る人とすれ違うのは複雑な気持 ちだが。この日ナーデルホルンを目指したのは四〜五パーティ十数人か。 ヴィントヨッホからの下りの氷の斜面は薄く雪をかぶって楽になり、登りは苦労したクレバスもジャンプ。ガイドは「速く、速く」と昨夜私が教えた日本語で 言う。視界はなく風もないが、ピッケルがジリジリ鳴っているそうだ。稜の道に出ても急いでヒュッテに戻った。これで安心ではなくワイヤ・ロープの道で雷は こわいので、一休みして出発。ワイヤ・ロープが終わるころからは小雨も止んで、二時間でハーニク・アルプに着いた。ザース・フェーからガイドの車でテッ シュまで戻り、そこで分かれて私は電車でツェルマットに戻った。ツェルマットでも夕方はまた雨だった。 コース・タイム ミシャベル・ヒュッテ 3340m 4:45-> ヴィントヨッホ 3850m 6:24/6:33 -> ナーデルホルン北東稜(4150m付近か) 7:30 ->ミシャベル・ヒュッテ 8:39/8:59 -> ハーニク・アルプ 11:09 ヴィントヨッホ
ナーデルホルン ルート図 8月26日(水) 曇後雨 ツェルマットから氷河公園まで散歩。午後遅くはまた雨だった。 8月27日(木) 〜8月28日(金) 快晴 ツェルマット〜チューリッヒ〜バンコク〜成田 今日は朝から雲一つない快晴。ヴィスプでInter City Expressに乗り換え新トンネルを通過してチューリッヒ空港着。チューリッヒ〜バンコクのTG971便はがら空きでとてもくつろげて、ビールやワイン も十分飲んだ。バンコクでTG676に乗り換え成田に着いた。 費用明細
航空券、ホテルは最安レベルだが、アルパイン・クライミングのガイド料金は高いので、それなりの費用になる。予算の出所だが、家計、と言っても全て私 の給料だが、そこからは一円も出ていない。とほほ。全部こづかいを何十年もかけてためた金である。こづかい月27,000円つまり年収32万円でも、 10ヶ年計画、20ヶ年計画でお金を貯めれば海外登山に行けるのである。そのためには皆様が新幹線でも青春18切符は当然。しかし節約も徹底してやると、 人と行動パターンがあわなくなるので程ほどにしなければ。 |