Last Update : 2010/07/13  戻る

薬師岳・黒部五郎岳
2010年5月1日(土)〜5月4日(火)
メンバー L 菅澤、西川、梅原、鈴木、今村、加瀬

4月30日(金) 晴

菅澤さん、西川は光が丘に21:00集合(少し遅れたが)今村車で、梅原さん、加瀬さんは高井戸に集合し鈴木車で出発、談合坂で合流した。

5月1日(土) 快晴 飛越新道より太郎平小屋

飛越トンネルは倒木があり、2km手前の林道に4:30頃到着し仮眠。6:52スキーを担いで出発した。歩25分でトンネル。左の飛越新道の登山道に入る。尾根に上がって少し先でスキーを履いてシールの登りになる。急登で1683p。ここでルートは直角に左に曲がる。林間の緩く長い登りが続く。寺地山をトラバースすると、その先は狭く下りもあり、二年前は苦労したそうだが、今回は雪が多くそれほどでもなかった。

樹林が終わると北ノ俣岳への大斜面の基部に出る。この斜面の上部で左にトラバースするが雪が固くスキーアイゼンを着けた。北ノ俣岳の北側の主稜線に出ると、長い登りは終わり、滑降となる。左よりに行くと2589pの枝尾根なので、真っ直ぐ滑ってから左に曲がり太郎平山へ向かう。太郎平山へは緩い登りでスキーのままでは何度も後ずさりした。太郎平山から一滑りで太郎平小屋。六人で個室が取れた。今日はまだ客が少なく、食堂の一角のコタツにあたり生ビール(1000円)で乾杯しくつろいだ。

5月2日(日) 快晴 薬師岳往復

朝食は7:00。8:03に出発。少し登ってから薬師峠に滑り込む。薬師平への登りはやや急でシュプールの後が固く登りづらい場所がある。薬師平は広いが次の登りにかかると固い所もあり、スキーアイゼンを着けた。主稜線沿いに登り避難小屋を経て薬師岳直前の小ピークは左を巻いた。夏道もここは巻いていたと思う。

11:00 薬師岳頂上。快晴で展望が素晴らしい。頂上からは北へ稜線を少し下ってから中央カールへ飛び込む。大斜面は雪質もよく快適。カールの底で休憩。登り返しは主稜線か東南稜か考えたが、主稜線は最後が非常に急そうなので東南稜にした。かなり急なので、どうせならと梅原さんと私は最初からつぼ足にしたが、雪が柔らかかったので、四人は尾根までシ−ルで上がった。そこから東南稜を進んで主稜線の避難小屋に戻った。

避難小屋からは鳶谷側をトラバース気味に進み鳶谷左岸の尾根を2500mまで滑った。ここから岩井谷へ斜面を下り沢を渡って折立からの道の尾根に出るのを考えていたが、谷が深くかつ幾つも谷を越えなければならないので、左にトラバースして薬師平へ戻った。薬師峠へ滑り、休憩しシールを着けて登り返し太郎平小屋へ戻った。

客が増え、こたつはなくなったが、自炊室は日が射し暖かく、また生ビールで乾杯。

5月3日(月) 晴 黒部五郎岳往復

6時半前に朝食が呼ばれた。7:45に出発。今日も好天で北アルプスのみならず右遠方に白山が見える。北ノ俣岳の稜線は西風が強く、休憩せず進み、赤木岳は左斜面(東面)をトラバースした。トラバースはシールを着けていなければ滑ってすぐに通過できるのだが、シールだと一歩一歩進まねばならず、時間がかかる。この付近は全てスキー向きの斜面なので、時間さえあればトラバースするより滑降し、反対側に登り返すのが楽しそうだ。

快速に進み、黒部五郎岳北西ウマ沢源頭大斜面の基部、25000図で2555pに10:40に着いて、ここでようやく休憩した。ここまで4時間と予想していたが3時間だ。見上げると頂上の左の肩、反対側のカールからの夏道が稜線に出るあたりで、人が向こう側に消えていく。カールを滑ると戻るのが大変なので、頂上に着いてから様子を見て考えることにした。

頂上への登りにかかる。この斜面は右よりがやや急で雪も固め、左側は若干傾斜が緩く雪も柔らかめ。菅澤さんと加瀬さんは右よりをシールで直登、梅原さん、鈴木さん、今村さんは左にトラバースし稜線の肩に出、私は右よりをアイゼンに替えて登った。頂上はカールの側に雪庇が張り出して、道標より高くなっている。今日も北アルプスがよく見える。

肩まで稜線を回り込むように滑り、ウマ沢源頭大斜面に飛び込む。最上部はモナカ気味だったが、下は快適。ウマ沢上部をトラバースし、赤木沢側に出た。ここで赤木沢側に滑り込み、反対側に登り返す案も出たが、沢底がU字状の心配があり見送った。返りながら見ると、赤木沢2237pは適度な傾斜で対岸の逆くの字形の尾根を登れば北ノ俣岳近くへ行けそうだった。次の機会にはこの付近で遊ぶのもよさそうだ。

返りは赤木岳をトラバースせず、稜線をたどった。少しだけ登れば稜線に出、こちらの方が楽である。稜線の中央に割れ目があるが、ここからもう雪庇なのだろうか。北ノ俣岳で休憩して太郎平小屋へ戻る。太郎平山への緩い登り返しは二日前はシールなしでは後ずさりで苦労したので、今回はシールを付けた。しかしシールなしで行った梅原さんによれば、後ずさりしない微妙な角度の登りがあるそうだ。

小屋では今日も当然生ビール。泡が随分盛り上がる。

5月4日(火) 晴 飛越新道を下山

朝食は6:00。起床時は風があったが、7:06の出発時にはおさまった。今日もまた好天か。北ノ俣岳までシールで登り、シールを外して西面の大斜面に入る。幅もあり標高差600mの滑降は楽しい。斜面基部からは登り返しがあり、最初はスキーを着けたまま登ったが、寺地山へは短くないのでつぼ足にした。初めからシールにするのがよかったようだ。

寺地山で休憩。二年前は雪が少なく、修行だったそうだが、今年は雪も多くこの先も林間滑降を結構長く楽しむことが出来た。神岡新道に入らないように注意し、登りかえすと1683p。この先を少し滑り、後はスキーを担いで車まで戻った。

平湯温泉で入浴、松本でラーメンを食べて帰京した。松本〜塩尻、大月〜小仏で渋滞し、光が丘着は21時だった。今回は天候とメンバーに恵まれ最高の山スキーだった。

〔コースタイム〕
5月1日(土)

飛越トンネルの2km手前の林道 6:52 飛越トンネル 7:17 飛越新道 1683p 8:20/8:25 寺地山のすぐ東 1980m 10:10/10:20 北ノ俣岳への大斜面の基部 2020m 11:10/11:17北ノ俣岳西面 2400m 12:05/12:15 北ノ俣岳の北の主稜線 2600m 13:08/13:25 太郎平小屋 14:10

5月2日(日)

太郎平小屋 8:03 薬師峠 8:20/8:30 主稜線2630m 9:35・9:45 避難小屋 10:32/10:40 薬師岳11:00/11:20 避難小屋12:50/13:00 薬師峠 13:40/14:00 太郎平小屋 14:20

5月3日(月)

太郎平小屋 7:45 黒部五郎岳北西斜面基部 2555p 10:40/11:00 黒部五郎岳 11:55/12:15 赤木岳 13:30 北ノ俣岳 14:29/14:30 太郎平小屋 15:20

5月4日(火)

太郎平小屋 7:06 北ノ俣岳 8:30/8:40 北ノ俣岳への大斜面の基部 2020m 8:50 寺地山 9:30/9:40 1683pの手前の小ピーク 10:25/10:30 飛越トンネルの2km手前の林道 11:44/12:05

西川 記

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