Last Update : 2010/08/01  戻る

月山夏山スキー
僅かに残った雪渓でスキーを


2010年7月17日(晴れ/夕方雷雨)〜18日(快晴)

メンバー:梅原ほか3名

7月17日

6月末に物置にしまったスキーを、また引っ張り出すことになった。ゲレンデ・スキーに頻繁に出掛ける長距離走の知人が、7月までたっぷり滑れ、リフトも動いているから月山に行こうと、同行を乞われたからだ。彼等は勘違いしている様子だが、宿は温泉でもあるうえ、まだ登っていない月山の頂上に立てればスキーは出来なくても満足なので、話に乗った。ただ、連休最終の19日が法事なので、2日間のみの参加とした。

17日早朝自家用車で出発。こんな長距離を一人で運転するのは初めてだ。緊張して握るハンドルはすぐに汗で滑る。それでも大泉ICを4:30AMで姥沢に10:45AMに着いた。怖いので基本的に時速100km前後で高速を走る私の運転でも、6時間程である。殆どが高速道路であり、高速の終点・月山ICからは僅かな距離。月山は意外に近いのだ。

山麓は夏の太陽が照り付けている一方、見上げる稜線は厚い雲が現れては消え、次第に悪化していく様子で、夕立の気配だ。それでも他にあてがない。合流するはずの一行は遅れるとのことなので、単独で出発。関門で環境保全のための入山料200円を払い通過。ペアリフト(往復1,000円)の下は夏草が伸びて、足に仕切に当たる。夏真っ盛り。

頭上姥ヶ岳下に雪渓があり、ロープリフトが動いている。僅か70mばかりの斜面でモーグルなどを楽しんでいるスキーヤーもいるが、その雪渓はあまりに小さい。リフト終点隣接の食堂の脇でスキーをザックにフィックスしながら、その雪渓よりは幾らかはましな、月山西面の雪渓を目指そうと考えた。良い具合に牛首から月山の頂辺りからは、雲は飛び去っていた。

歩き始めるとすぐに分岐を右に牛首方面と分かれるのだが、そこでゴロゴロと遠方で雷鳴。西方から暗雲が近づいて来た。兎も角ひと滑りだけでも・・・ 已む無くすぐ上の姥ヶ岳方面に変更。雪渓に入ると更に雷鳴が近づく。急いで牛首下の雪渓上端に登って、雨が降り出すなか慌しく兼用靴を履いてスキーを装着。ガタガタの硬い斜面を滑って、即座にスキーを外してそのまま小走りで先程の食堂に到着した頃には、激しい雷雨となった。

ロープリフトもペアリフトも運休し、続々駆け込む人で忽ち小さな食堂は満杯。あぶれた人はリフト降り場の台の下に逃げ込んだ。45分ほどで雷が治まってリフトは再開した。まだ2時過ぎで天気はすっかり回復した様子だが、睡眠不足と何となくもう一回雷雨が来そうな予感がしたので、下山して温泉とビールということにした。遅れてきた一行とはペアリフトですれ違った。私の予感は当たった。夕方彼等は濡れ鼠で帰って来た。スキーにも満足しなかったらしく、こんな雪ではとてもやっちゃいられない!!と文句たらたらであった。

出発は7時なのでたっぷり睡眠がとれ、快調に登った。降雪があったばかりの様子で、シールが程よく効いた。時折木道が現れているとはいえ、雪は未だ豊富にあり、軽い雪なので楽しい滑降が出来そうでワクワクした。

7月18日

月山志津温泉は五色沼の畔にあり、沼とその後方に月山が青空を背景に鮮やかだ。悪雪に懲りた同行三名は、今日は月山登頂のみが目的でスキーは車中。私のみスキーを携え、勿論シール・スキーアイゼンは持たずに出発。姥沢へは車で約20分あまりだ。

ペアリフトを降りたら姥ヶ岳へのルートを分けて、広大なカール経由で月山を目指した。カールには行く筋もの沢が流れ落ち、小さな湿原が多数ある。今年は残雪が多かったので、高山植物まだこれからだそうだが、コイワカガミなど群生していた。
牛首下の雪渓で、50名ぐらいのスキーヤーが競技の準備をしていた。滑降距離約200mに、ポールが立てられていた。きちんとタイム計測する本格的な競技らしい。

その雪渓はほぼ稜線まで繋がっているので、上端の姥ヶ岳からのルートと合流するやや手前にスキーとスキー靴をデポして、山頂を往復することにした。

急傾斜の登りで効率よく高度を稼ぎ、台地状の広場に登ると、その北端にある小山に社務所が見えた。ありがたいお祓いを受けながら山頂に立つはずだったが、500円ということなので、入口で手を合わせて引返した。

信仰登山の山らしく、リフト駅の売店で八角棒を買って登る人も多い。山頂社務所では登頂記念の焼印を押してくれる。この棒を持ってみると、太くて6尺の長さの割に拍子抜けするほど軽い。私が杖術で使っている4尺(訳120cm)の棒と比べると、情けなくも頼りない。往路を下山する際、すぐ側で太目の中年男性がバランスを崩し、八角棒に全体重をかけた途端、棒はポキッと簡単に真っ二つに折れ、本人もかなり腰を打った。

先程のデポ地点でスキーを装着し雪渓の下端まで滑った。スキーを担ぎ雪渓上端まで戻り、仲間の一人が私のスキーで一度滑った。硬くスプーンで抉られたような凹凸の雪に、ガタガタと音をさせて高々300mにも満たない距離を滑っても、楽しい訳がなかった。

姥ヶ岳へと向かう三人と別れ、もう一度雪渓を滑ってからペアリフトへと戻って、帰途についた。那須・宇都宮間と栃木・佐野間で断続的渋滞があり、二時間近いロスがあった。

[コースタイム]
17日:ペアリフト(月山リフト)上駅12:20−12:40姥ヶ岳頂上直下雪渓上端12:45−ペアリフト上駅13:00

18日:ペアリフト上駅9:15−牛首下雪渓下端9:35−牛首直下(同雪渓上端)9:50−10:30月山山頂10:40−10:30牛首直下10:50−ペアリフト上駅12:35

梅原 記


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