Last Update : 2010/08/01  戻る

鳥首峠から橋小屋ノ頭(有間山)・蕨山さわらびの湯に下山

2010年7月(曇時々晴)

メンバー:梅原

ワールドカップ準々決勝、パラグゥァイ対スペインを午前3時半から観戦してから出発の予定だが、なかなか双方得点が決まらない。延長になったらどうしよう・・・、と困っていたところ、後半83分にビリャが決めた。

西武池袋線は早朝は準急ばかり。その準急も大泉学園から各駅停車。それでも所沢が始発6:44のレッドアローにタイミング良く繋ぐことが出来た。

名栗方面のバスは比較的頻発なので、飯能での乗継は良く、8時過7名の1パーテイーとともに登山口名郷で降りた。彼らは蕨山にダイレクトに向かうらしい。

運動不足でふんだんにこびり付いた贅肉を一気に削ぎ落とすべく、ジョギング開始。

浦山川沿いに林道を緩やかに登っていく。早朝の渓谷では、オートキャンプの子供達が遊んでいた。雨上がりの霞が晴れてきて、新緑が次第に鮮やかさを増していった。

林道は採石場で行止まりだ。採石場家屋前に設置された「鳥首峠へ」の標示に従うと、採石場敷地内立入禁止のチェーンに行く手を阻まれた。戻ってウロウロして、家屋脇の階段が、登山道に繋がることが分かった。

採石場を外れて林の中の登山道を登ると、トロッコのレールがあった。石灰ではなく、上部にあった集落の荷物運搬用レールであった。集落は廃墟として朽ち果てつつあった。

杉林の中、ジグザグに急な登りをこなすと鳥首峠。薄暗い森の中に小さな祠が置かれている。尾根を南に向かう。痩せ尾根で左(東)側は樹木に覆われているのと対照的に、右(西)側は痛々しいまでに徹底的に伐採された斜面が殆どであった(写真は11pに掲載)。

短いが急峻な起伏を何度もこなし、小さいピークを幾つも越えた。出発から誰にも会わないけれど、蝉の喧騒が激しい。これも夏の風物詩と思えば心地よい。

橋小屋ノ頭(1,163m)山頂の木製標示では、“有間山(橋小屋ノ頭)”と、二つの名称が標示されていた。地図によっては、このピークの南南西に位置する隣のタタラノ頭・1,213.5mを有間山としている。有間山はこの辺の山々の総称とのことで、タタラノ頭が最高峰ではあるが、手頃な下山口には繋がらない枝尾根にあり、不遇な扱いを受けている。

最高峰に続く尾根とは別れ、東・名栗湖方面に蕨山・藤棚山・大ヨケノ頭と下る。特徴のない地味な山ばかりで、樹木に覆われ展望も乏しい。名郷から蕨山・名栗湖を基点とした周遊ルートは、登山道はより整備され、ほぼ下りなのでジョギングのスピードも上がった。

下るにつれて、夏の陽射しを受けた草いきれの中に飛び込み、発汗が激しい。単調な風景にも辟易とした頃に、龍泉寺の墓地に飛び出た。墓地に隣接して駐車場広場があり、そこにバス停・軽食と土産物の店・和食店と日帰り温泉施設さわらびの湯がある。

何はさて置き、激しい発汗を補おうと冷たい清涼飲料を自販機から二缶一気に飲み干して、後に腹をこわすことになった。こんな場合は1本ゆっくり空けて、精神的に落ち着つかせなくてはならなかった。

さわらびの湯は小規模な温泉施設なので混雑していた。浴場はまずまずだが、飲食物は全て自動販売機から求め、休憩室で摂取する方式である。自販機のフライドポテトなど美味しいわけはないから、入浴したらさっさと出た方が良い。

広場から飯能行きバスは朝利用した路線と同一で、本数もかなり多い。軽食と土産物の店で缶ビールを買って乗車した。この冷たいビールもいけなかった。

今回の山域は、秩父と多摩の繋ぎ目のような区域にあるが、奥武蔵と呼ぶべきだろうか?その明瞭でない位置から、今まで登っていない山が多くあった。予想たがわず地味な山域であった。ルートは殆ど樹林に覆われ展望はあまり望めない。その樹林も自然林は乏しく、遠方まで見渡せるのは、大規模に伐採された箇所のみ。見晴らしを楽しむより、寧ろ丸裸の大斜面に痛々しさを感じてしまった。

ランニング登山という視点からは、走るには危険な箇所も少なくはなかったが、この種のトレーニングを行う人が最近増え、各所で堅気の登山者とのトラブルも頻発しているらしい。あまり人気のないこの山域なら、安心出来る。今度は大持山・武川山方面がいいかもしれない。但し、晩秋から初春にしたい。夏はもう懲り懲りだ。

[タイム]
名郷8:05‐8:30石灰石採掘場8:40−廃村8:55−9:20鳥首峠9:25−滝入ノ頭9:45−10:05橋小屋ノ頭10:10−10:35蕨山10:40−大ヨケノ頭11:15−11:45金比羅山11:50−龍泉寺墓地12:05−12:10さわらびの湯

梅原 記


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