Last Update : 2010/09/20  戻る

餓鬼岳・有明山


2010年8月28日(土)〜30日(月)

メンバー:菅澤、梅原他2名

6月の総会後の懇親会で、今年の夏はどこに行こうかという話題の時、梅原さんから餓鬼岳・唐沢岳の名前が出て、ついでに有明山も登ることにした。友人2名が同行。

8/27 練馬ic 19:30==22:30豊科ic==23:30中房温泉第一駐車場(仮眠)

Tさんの車で練馬インターから上信道経由で豊科インターに向う。中房温泉では登山口に一番近い駐車場が封鎖されていたので道脇で仮眠態勢に入ったら、旅館の人から登山者用駐車場に停めるように言われ、せっかく張ったテントをたたんで500mほど下の第一駐車場に移動する。星空だった。

8/28 中房温泉第一駐車場(1,450m)5:15-6:30ブナ平-馬羅尾沢-7:20北燕沢出合-9:00東沢乗越(2,253m) 9:10-10:45 2,450mピーク10:55 -12:10剣ズリ―13:35餓鬼岳小屋(2,600m)―13:50 餓鬼岳(2,647m)14:20―14:25餓鬼岳小屋(泊)

駐車場から中房温泉まで歩き、「日本秘湯を守る会」の提灯がやたらとぶらさがっている本館正面の右手にある東沢登山口から宿泊棟の裏手にまわり、東沢右岸沿いに登りはじめる。「秘湯」は評価する側が使うべき言葉で、評価される側が使うと、なんとなくうさんくさいな、などとぼんやり考えていると、突然の猿の警戒音にびっくり。



餓鬼岳から望む唐沢岳

吊橋で左岸へ渡り、ブナ平とある標識へ出たがブナは見かけない。いったん河原に降り、ふたたび左岸を行くと馬羅尾沢に出た。「旨い水」と表示されていたので飲んでみると、あまり冷たくはないが旨かった。北燕沢出合から沢を詰め、急な登りで東沢乗越に着いた。燕岳からのルートが左から合流している。

乗越からは石楠花の多い樹林帯の尾根を緩やかに登る。東沢岳を過ぎるあたりから岩峰を幾つも越えるようになり時間がかかる。剣ズリはもういいだろと言うぐらい下って捲いていて、登り返したハシゴの先で休憩。ここまでくると餓鬼岳、唐沢岳がよく見える。Mさんは体調が悪そうだ。
餓鬼岳小屋の赤い屋根が見えるとひと登りで小屋に到着。さっそく缶ビールを買って空身で5分ほどの山頂へ向う。烏帽子岳から野口五郎の稜線が目の前だ。小屋に戻ってからも屋外のテーブルで歓談を続ける。人が少ないことを期待していたが、団体が次々と到着し35名を超える宿泊者となる。夕食は炊き込みご飯とおでん、グレープフルーツだった。我々4名は個室(6畳ほどのトタン屋根の小屋)に案内されたが布団は湿っていてがっかりだ。後から到着した3名が相部屋となる。夕方からは雷が光り、雨も降った。

8/29 餓鬼岳小屋 6:00――7:00剣ズリ7:15--8:30 2,450mピーク8:40 ---9:55東沢乗越10:15――11:55馬羅尾沢--12:10ブナ平--13:10中房温泉==14:00有明荘駐車場(泊)

快晴の朝を迎えた。遠く白馬から鹿島槍、剣・立山、槍の穂先が大天井の脇に見え、南アルプス・八ヶ岳の間には富士山がひときわ高い。まさに360度の展望が楽しめた。

膝の調子が悪く、またTさん、Mさんも辞退したので、予定していた往復5時間の唐沢岳(2,632m)は中止することにした。提案者の梅原さんには申し訳ないことになる。

弁当にしてもらった朝食はコンビニのお握り二個だけで1000円もしたが、それでもタバコをくれという小屋のお兄ちゃんとの取引が成立して、味噌汁とお茶の提供を受けることができた。

唐沢岳をやめたので時間は十分ある。先行した年輩者中心の11名のパーティに追いつき、前後しながら下って行く。登りの時より休みの時間を長く取りながら東沢乗越でエネルギー補給。

さあ出発という時に、ストックにアゲハ蝶がとまり撮影会となる。

乗越からの急な下りは太陽が正面から当たり暑い。北燕沢の河原をしばらく歩き、馬羅尾沢を渉ると樹林帯に入り少し涼しく感じる。

中房温泉に戻りビールで喉を潤す。15時チェックインの有明荘には早く着きすぎたが、入浴はOKとのことで助かった。部屋も食事も良く、環境差を割引いても似たような料金の餓鬼岳小屋との差異は大きかった。

8/30 有明荘駐車場(有明山登山口1,390m)5:15―6:25四合目(1,829m) ―8:10八合目(2,171m)―8:35有明山頂(中岳2,268m)9:25―9:45八合目―11:10四合目―12:05有明荘駐車場14:00=== 長野自動車道豊科ic ==18:10練馬ic

安曇野から見る有明山は黒々としたどっしりした山でいつも気に掛かっていた。登ってみると標高・登行時間のわりに手強い山だった。

有明荘裏手にある駐車場の登山口には「登山道整備が十分でなく、熊も出る」との注意書きがあったが、登山道は笹薮が切り払われていて、また新しいクサリもあって整備が進んでいるようだ。登り始めて20分ほどで三段の滝への分岐を過ぎると急傾斜の斜面となる。200mほどの標高差をまっすぐ登るのでアキレス腱が痛くなるほどだった。木の根も多く、降雨後は登り下りとも難儀しそうな道だ。急坂を過ぎたあたりで振り返ると中房谷を隔てて合戦尾根が見えてくる。この山も石楠花が多く、開花の頃登ったら見事だと思う。



有明山頂から望む松本盆地

四合目を過ぎ、傾斜が緩くなってほっとする間もなく今度は切れ落ちた岩場のトラバースが連続していた。八合目を過ぎ稜線に出てからも山頂まで小ピークをいくつか越えて結構歩く。

一番手前の北岳山頂に出ると目の前にステンレス製の鳥居が立っていて、「避雷針を兼ねているので雷雲発生時には近づくな」と書かれていた。山頂からは昨日歩いた稜線と燕岳が正面に、東側の絶壁の下には安曇野が見渡せる。150mほど南に行くと三角点があった。その先の中岳と奥社には行かなかった。たっぷり休んで山頂から降り始めたところで単独の人が登ってきた。この日出会った唯一の登山者だった。膝の悪いTさんを先頭にゆっくり下り、途中の分岐から三段の滝を見にしばらく行ってみたが遠そうなので引き返す。温泉で汗を流して帰京。

今回泊まった有明荘も良かったが、浅草山荘、東大雪荘なども好印象の国民宿舎だ。

菅澤 記


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