Last Update : 2010/11/16  戻る

雪倉岳、朝日岳


2010.4.30〜5.4

メンバー:武部

4/30 晴れ 

 雪倉方面に入るのは随分久しぶりのような気がする。夏で15年ぶり、雪のあるときは学生のとき?かも。

今年は大雪でもっと奥まで車で入れるつもりであったが木地屋の少し先から雪があった。栂池スキー場に戻りノーマルに天狗原を越えようかとも思って一旦くじけかけたが、覚悟を決めてここから登ることにする。橋の手前に車を置き、ヘアピンカーブの終盤(標高750m)でシールを付ける。

白池までは特に危険なところはなかった。白池のトラバースは長く感じた。これが終ると斜面が迫ってきて車道はほぼ急な斜面そのものになってきた。まだ誰も通っておらず、ここで滑落したらケガもするし誰も助けてもらえないし、崖なので上がってこられない。安全第一である。ウド川の橋を渡る手前では、スキーを外してツボ足になり、1回目はザックを背負って、2回目はスキーを持ってと1往復半歩いた。難所を通過して八丁坂の途中では、熊?の足跡がありゾッとする。さらにこの坂でも崖で滑落したら最後というところがあり、先程と同様にしてツボ足で通過する。やっとヒワ平に到着した。道路が一部出ているところもあり、今日はもうここで泊まることにした。テントは路肩の土の上に張った。

木地屋11:30――ヒワ平3:50

5/1 晴れ

夜と明け方は風の音がゴーゴーでものすごかった。そのせいか、夜熊に襲われなくてよかった。朝起きるのも遅かったが、パッキングにずいぶん時間がかかってしまった。

ちょっと歩いて、シールとクトーを付ける。ここからはヘアピンカーブでちょっと近道して登る。鉄塔まで登って、道路がわからなくなった。戻って道路を辿る。すると下る方向だと確認して、また鉄塔へ登り返す。すると2人パーティが丁度変な方向から登ってきた。かれらは蓮華からの帰りで、迷ってそこを滑って間違えたことに気づいて登り返したのだと言う。進むコースを教えてあげた。自分もルートがわかり救われた。これで迷わないで済む。「昨日熊の足跡を見た」と彼らに言ったら、「今日熊を見た」と彼らは平然と言う。少し登るとトラバースになり、いやな感じだが進む。先ほどの鉄塔の周辺は雪が緩かったが、ここは北面で日が当らず固い。クトーの裏はもうすでに雪がダンゴになっていて、クトーが効かない。滑落してしまうので、ここでスキーを脱ぐことにした。なんとたかだか数十mのためにアイゼンに履き替えて、そこを昨日と同様に1往復半トラバースし北面のトラバースを切り抜けた。悪戦苦闘でまだちょっとしか来ていないのに、もうすでに11時。すると2組目のパーティが下ってきた。自分の方は今日蓮華に着くのかとちょっと気になる。これからも急なトラバースであったり、途中道路が出ていてザックを下さないと進めないところがあったりと、なかなか時間がかかる。ヤッホー平手前からは下りになり、シールを外す。このままずっと行けるのかと思ったら案外早くまたシールを付けるハメになった。少し進むと対岸にUターンして戻ってくる蓮華へのコースが見える。弥兵衛橋までは日当たりがいいところもあり、道路が出ているところも多々あった。弥兵衛橋は10cm以上水が溜まっていた。スキーとストックを手に持って、高くなっている橋の縁を横歩きで進んで、濡れずに済んだ。橋の上をツボ足で登ると、潜りだしたのでシールにした。少し進むと下りになり、シールを外す。また熊?の足跡があった。休憩している間に熊が来なくて良かった。

ヒワ平9:00――北面トラバース終了11:00――コル11:50――ヤッホー平手前(シール外して滑)1:50――吹雪大池分岐(シール付ける)2:10――弥兵衛橋3:00――弥兵衛橋の上(シール)3:20――シール外す3:40――蓮華4:00

5/2 晴れ 朝日岳

 今日はいい天気。出発して蓮華温泉ロッジをグルっと回ると、登山道が登りになる。そこでちょっと休憩すると、太陽が出てきた。「あっ」サングラスをテントに忘れたことに気づいた。急いでテントまで往復する。ほぼ全員がここから登るが、自分は朝日岳に行くのでスキーを付けてトラバースする。ほとんど人は通っていないし雪が固いのでちょっと手こずるが、予定通りのコースを行けて再びルートに戻った。平馬ノ平から少し登ってまたルートから離れ、ほぼ北にルートを取り瀬戸川を渡る鉄製の橋を目指す。雪倉に行くのにわざわざ平馬ノ平を経由するパーティが多いようだ。コンパスと地図を見ながら慎重にルートを決めて進む。今日は朝日に行くパーティも多く、瀬戸川に下る乗越しでは、大パーティに追いつかれた。ここから瀬戸川への下りはまだまだ雪が固く急斜面で緊張する。もしかしたら、サングラスをテントに忘れて30分ロスした分、雪がわずかに和らいでので滑落しないで助かったのかもしれない。大パーティと前後して瀬戸川を渡る鉄製の橋を渡る。ひょうたん池から二股間は、ルートの取り方があまり良くなく、遠回りしてしまった。今日はたくさんのパーティが朝日に来ている。なかなか朝日は遠い。二股から稜線に出てもなかなか朝日は遠い。上部はシュカブラもあり、シャカブラを拾って登る。やっとこ朝日に着く。雪倉、白馬が良く見える。山頂からは、一直線に二股目がけて谷を滑る。かなり雪が緩くてちょっとうまく滑れない。なんとか半分まで来るとまともに滑れるようになった。ひょうたん池の手前までは広大なルートを快適に滑る。ここからは木が出てきたり、また、狭いコースを行ったりなかなか制限が厳しい。瀬戸川を渡る鉄製の橋まで来ると、後は蓮華までの長い登りを休み休み進む。

蓮華テント場5:45――登山道分岐6:00――蓮華テント場6:10 ――登山道分岐6:20 ――瀬戸川を渡る鉄製の橋8:00/15 ――ひょうたん池9:00――二股11:00 ――朝日岳13:30/14:00 ――二股14:20 ―― ひょうたん池14:50/15:00 ――瀬戸川を渡る鉄製の橋15:20/35 ――乗越し16:00/20――蓮華17:40


朝日・三俣

5/3 晴れ 雪倉岳

今日は、みんなと同じように蓮華の森に登る。ここから朝日へのコースと分かれて、トラバースする。しかし、雪が固い斜面なのでシールでは滑落してしまうので、なかなか思うように進まない。下るようになってやっとシールを外す。瀬戸川に降りるところがわかりにくいが、丁度別パーティが逆ルートから登ってきた(朝日に行くコースを辿り、グルッと回ってきた)ので、彼らが少し藪こぎするのを見習って助かった。ここから、スキーを付けてわずかに滑ると瀬戸川に出る。すでに多くの人が登っていくのが見える。雪はベッタリ付いており、雪崩の心配は特に無いようだ。シールとクトーを付けて登る。

思ったよりも快適に登り、尾根の乗越しに着く。ここでスキーを外して下って、雪に埋まった広い滝ノ沢に出る。もう雪が緩くなっているが、デブリのある急なノド部を登り、沢をどんどん登る。やっと斜度が緩くなると右にトラバース気味に登り回り込む。すると広大な斜面に出た。ここからまだまだ登りがあり、ちょっと緩やかになるとやっと山頂が見えた。白馬、朝日が良く見える。昨日の方が天気は良く、朝日岳はちょっと雲がかかってきていた。なかなか帰る気になれず、しばらくいる。ここも雲が出てきたのであせって下る準備をする。シュカブラになっている斜面を選んで滑る。その方が雪は適度に締まっていて快適だ。快適に滑って狭くなった滝ノ沢上部に出る。ここからは、緊張して確実にゆっくり滑る。デブリ部を通過すると広大な斜面を一気に尾根の乗越しの登り口を目指す。雪倉の大滝の少し上の尾根の乗越しからは、あっという間に瀬戸川との分岐まで滑る。あとは、きつい登り返しをゆっくり登り尾根の上に出る。後は、蓮華温泉目指してシールを付けずにスキーを付けて進む。

蓮華テント場6:35――朝日分岐(夏道)7:00――瀬戸川に降りる8:00/15――尾根の乗越し(雪倉の大滝の少し上;一旦スキーを外す)8:50/9:00 ――回り込んだところ11:00/15 ――雪倉岳13:15/14:05 ――尾根の乗越し(雪倉の大滝の少し上;一旦スキーを外す)14:50/15:00 ―― 瀬戸川分岐15:10/15:20 ――尾根の上15:50/16:00 ――朝日分岐(夏道)17:00――蓮華テント場17:40


雪倉山頂

5/4 晴れ

始めからシールを付けて登る。弥兵衛橋から少し歩くとわずかに下りになっているので、シールを外して滑る。吹雪大池入り口からは、再び登りになりまたシールを付ける。ヤッホー平と栂平の中間でシールを外す。ここからは長い滑りで、途中スキーを外すが、来るときに偵察しているのでどんどん進む。行きの半分の時間でヒワ平に到着した。ここでゆっくり休む。橋から白池終了までは結構遠い。後は、一気に終点まで滑る。

蓮華7:15――弥兵衛橋8:00――シール付ける8:30/40――シール外す9:45/55――コル10:05―鉄塔10:30―ヒワ平10:45/11:35――橋12:00――白池手前(シール)12:20/30――白池終了(シール外す)13:05/10――木地屋上(滑走終了)13:45――車14:05

武部 記


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