Last Update : 2010/11/29  戻る

富士山
(吉田口)


2010 6/10 曇り、晴れ、曇り、霧、曇り

メンバー:武部 慎

約2週間前の富士山の状況からすると、たぶんまだ雪がかなり残っていると思われたが、このところは暑く、雨もかなり降ったのでちょっと心配であった。河口湖付近にくると富士山は雲の中で全く見えない。今回は珍しく富士スバルラインから入った。御庭口にするか、吉田口から入って須走り口登山道の北斜面にするか迷った。御庭口付近に来て、どうも雪はかなり上の方にならないと無さそうなので後者を狙った。

吉田口に着いたころは少し暗い雲で、すぐ上は雲の中で風もあった。登り始めてまもなくしてどんどん雲が晴れ、いい天気になった。最近のエアリアマップの地図には、八角堂からトラバースするルートがあるので、吉田口のときはそれを行って下山道を登ろうと決めていた。しかし、雪の気配がしないのにここから行くのは失敗であった。踏み跡程度のルートを少しずつ下って、2370mから踏み跡すら無いザレザレの中をはるか遠くに見える雪を目指して登るハメになった。雪の末端は2600mでそこから標高差300mも雪が細く続いているのでそれは助かったが、2600mで9時とはたぶんこれまで最も遅い記録。もう雪も緩んでいるのでシールのみで登る。2900m位に来て、昨日、一昨日と下界で降った雨がここでは豪雪であったとわかった。思いもかけない新雪にビックリし、またラッキーであった。3150mからは右斜めに登って、3200mでは一旦吉田口からの登山道に出た。さすがに吉田大沢側は風が強く、雪も固い。ここでクトーを付ける。ここから左にトラバースして須走り口からのルートと合流する。だいぶ山頂が近付いた。風はだんだん強くなるが気にせず登る。クトーの裏が雪だんごになってきたので、慎重に登る。いつの間にかに雲が出てきてアッと言う間に少しの間ホワイトアウトする。あと山頂まで1時間はかからないところまで来たが、滑れないと帰れないので撤退することにする。新雪の積雪は20cm以上あり、スキーは強風の中立てられた。しかしスキーを付けるとウインドクラストで表面は固く、手ごわいアイスバーンだ。風も強くターンすることができない。50m位ギルランデ気味に高度を落として、やっとターンする。まだアイスバーンで恐る恐るターンしている。だんだんターンが普通にできるようになり快適になる。3200mを過ぎると一安心し、ちょっと休憩。ここからは雪質が急激に変わっている。もう新雪が水のようになっており、ターンしても斜滑降でも雪だるまが落ちる状態なので、ゆっくり短く切って慎重に滑る。2900mまで来ると後は標高差300m雪が細く続いている一本道なので、もう迷うことは無いので一休み。するといつの間にかにホワイトアウトしてきて全く安心していられない。滑れなくなってしまう。少し視界が良くなり、なんとか視界が利く中標高差300mを滑る。滑り終わって上を見ると雲の中で今にも雨が降りそう。ここから50m位下って踏み跡程度のトラバース道に出て、それを行く。(20年前のエアリアマップの地図にもあるルート)吉田口からの登山道に出れば広く、雨は大丈夫そうなので、ゆっくり休みながら吉田口へ向かう。

吉田口6:45―2600m(シールを付ける)9:00/30―>2950m 11:00 ― 3200m (クトーを付ける)12:00/20―3550m (スキーを付ける)1:55/2:30―2600m(滑走修了)3:00/15 ―吉田口16:40

武部 記


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