Last Update : 2010/11/30  戻る

北岳〜塩見岳


2010 8/15 曇り

メンバー:武部

広河原の吊り橋からは、遠くに雪渓が見えた。八本歯経由のコースでも、コース上ではほとんど雪は無いとのことで、今回は荷物が重いし結局軽アイゼンはカットした。上部はガスで思ったよりも涼しい。しかし登りだすと汗だくだくで、荷物は思いしもう20分毎に休みという状況だ。休む度にタオルを絞ると雑巾のように水が絞れる感じだ。なんとか登りが終了して、後小屋まで30分の標識を見たときにはホッとした。小屋周辺は高山植物が多く、水も有りいいところだ。

広河原12:10―――白根御池小屋3:10

8/16 晴れ、曇り

朝の涼しいうちに高度を上げたいので、遠回りだが肩経由で登ることにした。傾斜は急で昨日と同じように休み休み登る。暑くなる頃にはなんとか稜線に出ることができ、甲斐駒、仙丈が見えて良かった。北岳に着くころには雲が出て、あまり展望が良くなく残念であった。山頂では、光岳から縦走して2週間目とかいうほとんど空身の元気な学生のパーティが登ってきて、計20日で南ア全山縦走するとのことであった。今日は熊ノ平から往復とのことで、今日は重荷から解放されたピクニックみたいな感じであった。北岳山荘のそばまで下ると、間ノ岳が大きく感じる。暑くてとても登る気がしないので、今日はもう北岳山荘にテントを張ることに決めた。ジフィーズの「そば」を作ったが、あまりうまくはできなかった。でもそれなりにうまかった。

白根御池小屋5:30―――二股からの分岐7:40―――肩ノ小屋8:40/50―――北岳9:40/10:20―――北岳山荘11:30


北岳山頂


北岳山荘からの日の出

8/17 晴れ

今日は昨日の分も登るわけだが、多少荷物が軽くなり、早朝の涼しいときに間ノ岳を登る分楽だ。中白根山からは、はるか遠くに塩見岳が見えた。ここまで登ると思ったよりも早く間ノ岳に到着できた。ここからは、西農鳥岳、塩見岳、さらに赤石、荒川方面まで見えた。熊ノ平分岐まで下って、ここでサブザックになり農鳥岳往復。荷物が軽いということはすごいことであると改めて感じた。西農鳥に登る途中で雷鳥の親子に出会った。帰りもまた出会った。西農鳥から農鳥岳はかなり下るのとそれなりに距離もあって結構遠かった。

農鳥岳ではさすがに人も少なくなり、静かな感じだ。ここから東は雲で何も見えない。間ノ岳、西農鳥岳、塩見岳は見える。西農鳥〜農鳥岳の稜線からは、熊ノ平〜塩見岳間の稜線が良く見え、改めてその長さを感じた。また、塩見岳手前の北俣岳への登りはかなり急そうに見えた。(実際そうだった)西農鳥の下りからは、今日これから行く熊ノ平へのトラバース道が見えるが、出だしが見えない。また、後半の広い沢ではガレが大規模に崩れたことがはっきりわかる。

 熊ノ平分岐からは、どっと下って一気に登り返し、熊ノ平へのトラバース道にたどり着いた。ここからは水場が2回あって、ついつい休んでしまう。ガレ場の通過は長く、崩れたのはもう何年も前の出来事のようだ。三峰分岐からは、お花もあってよかった。

 小屋の天場では隣のテントは学生で、三伏から来たとのことであった。行動時間11時間半で、2時出発とのことであった。

一気に三伏〜熊ノ平を行くのは、やはり学生だからできることだと思う。

北岳山荘5:40――間ノ岳7:30/8:00――熊ノ平分岐8:55/9:05――農鳥岳10:30/55――熊ノ平分岐12:30/50――手前の小さな水場1:30――水場2:00――三峰分岐3:00――熊ノ平小屋3:40


間の岳山頂 バックは塩見岳

8/18日 晴れ、霧、夜雷
 今日もいい天気のようだ。安倍荒倉岳からは塩見岳がよく見える。北荒川岳手前までは、ほとんど樹林帯なので日陰で助かる。北荒川岳のそばで三伏方面から縦走してくる学生のパーティに会う。実は翌日も塩見岳で三伏方面から縦走してくる学生のパーティに会い、ほぼ毎日どこかの学生が三伏〜熊ノ平を通過している感じだ。北荒川岳周辺とその少し先からは森林限界を越えて直射日光が当たるので暑い。腕はもう日焼けで真っ赤なので、タオルを巻いている。この暑さの中で塩見岳への急斜面を登るのはちょっと難しいので、もう泊まることにした。やはり10時頃から3000m峰に登るのは、ちょっと暑すぎると思う。

 自分が稜線から外れてテント場(昔はテント指定地であったが、現在はテント禁止になっている?)に向かう前に、1人の人がその先の水場に向かっていた。テントを張って干し物をしていると、やっとその人(昨日熊ノ平で会った人)がやってきた。(50分位はかかっている)どうも水場までは迷路のようで、水5リッタをかついで「蝙蝠へ行く」とのことであった。暫くして自分も水汲みに行ったが、樹林帯に入ると天場がいくつにも分かれていて迷路であった。結局全て辿ってなんとか沢にたどり着いた。昨日熊ノ平で会った人は、「下に下りだしたら水場へのルートは間違いだ」と言っていたが、いろいろ行ってみたが結構下った。もっといいルートがあるかもしれないが、沢に降りたところには「ケルン」があるので、間違ってはいないようだ。稜線からだと水場往復1時間と見るべきだろう。

 夕方はガスが出て、夜は雷も鳴った。ほとんどが農鳥、北岳方面であったが、塩見周辺にも1発、伊那方面に数発、雷は落ちたようだ。

熊ノ平小屋5:20―――安倍荒倉岳6:00 ―――北荒川岳9:00/10 ―――雪投沢源頭10:00

8/19日 霧、曇り、雨、雷雨

 朝はガスで視界はほとんど無い。もしかして雨になるかも、と危惧してしまう。朝日と共にガスはどんどん晴れ、塩見岳方面が見えるようになった。よかった、よかった。稜線まで急で、稜線に出るとホッとする。右は切れているが、まだあまり気にならない。ピークまで来ると、北股岳までの急斜面がよくわかる。ここからは一気に登る。立ち止まると落ちそうだ。エっと思うほど急で、四つんばいにところどころなって、もう腰が痛いな、と思っても休めないので一気に登る。ハーハーゼーゼー言いながら、やっと北股岳に出る。ここでも塩見から来た学生のパーティに会う。急斜面で彼らと会わなくて良かった。ここからは、蝙蝠岳が良く見える。なるほど蝙蝠の形をしている。昨日の人はどこまで行ったのだろうか。塩見岳へは一部数mのナイフリッジもあるが、落ちずに突破する。なんとか塩見岳東峰に到着する。すぐそこが西峰で、ずいぶん休む。もう雲が多くなり展望はほとんど無い。昨日よりも天気は悪そうだ。曇っている分、涼しくて助かるが。ここでも学生のパーティに会う。彼らは自分と全くの逆コースだとわかった。塩見小屋からは飛ばして、三伏峠ではラーメンを作って食べる。天気が若干怪しいが、明日雨の中を下るのなら今日のうちに下ってしまおう、と思って泊まらずに下る。30分位で雨となる。丸太の階段が10回以上あり、濡れているのでバランスが非常にむずかしい。雨具を付け一旦雨が止んだのでまた雨具を脱いだりして、時間が気になる。大分下ってから本降りになりまた、雨具を付ける。やっと鳥倉口に着いた。まだバスは来ていなかった。

 バスが来ると中年の15人以上の団体が下りたが、これから雨具も付けずに塩見小屋に登るのである。この豪雨の中を・・・。人事ながら、「早く雨具を付けなさい」、と言ってしまったが、どうせ濡れるから付けたくないらしい。こういうのが、遭難するのではないのかと思った。

 バスに乗っていると雷が聞こえた。まあ、下って良かったと思う。

雪投沢源頭5:45――ピーク6:30―― 塩見岳東峰7:20/25――塩見岳西峰8:10 ――塩見小屋9:00――本谷山10:40 ――三伏山11:30 ――三伏峠11:45/12:10 ――鳥倉口2:10

武部 記


山スキー同志会のホームページへ