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ニュージーランド
ケプラートラック(ルクスモア小屋往復)、ルートバーントラック

2010年12月20日〜27日

メンバー:武部

2010 12/20成田 18:30―――

 空港で、AIUの海外旅行保険2、000円をかけ、20,000円分をNZドルに換金する。500mlのお茶を買い、ザックに入れる。NZで使える携帯電話をレンタルしようかと思ったが、意外と大きいので止めた。(すでに40リットルのザックに入りきらない荷物である)

12/21 クライストチャーチ 9:30(30分早く着いた)/12:00(30分遅く出発)―――クイーンズタウン1:00/4:30――バス――途中休憩20分――テアナウ19:00

クライストチャーチでの入国では、登山で4泊する食糧を持っていたので全部見せた。ピーマン、ナス、きゅうりを没収された。米、α米、もち、缶詰め、ラーメン、カステラ、かりんとう、チーズ、カロリーメイト、おせんべい、おふ、乾燥わかめ等はOKであった。★野菜類はすべて没収される。・・・そういう国だそうだ。(持ち込まれた野菜に潜んでいる可能性がある害虫から、ニュージランドの農業を保護するための規則)

クライストチャーチでの国際線から国内線へは数分あるが、遠く感じた。入管でかなり時間がかかったので、クイーンズタウンへの予定の出発時刻11:25まで1時間を切っていた。あせったが、その飛行機が着いたのは、予定の出発時刻の11:25頃であった。

案内所で、WEBの地図を拡大してもらって、クイーンズタウンのDOCの場所を調べてもらった。(しかし、実際は違っていた。)

 クイーンズタウンの空港に着くと、帰りはどのくらい前に着いていないといけないかと質問したら、確か「1時間半前」という回答であった。(―――>帰りの飛行機はすでに予定では乗り遅れるということになる。)荷物の受け取り場所も聞いた。ザックを見つけて、空港を出ると目の前に「Shuttle」がいたので、それに乗ることにした。18NZドルというので、20年前の札を出したら、どうも変な態度であった。やはり古いとのこと。「そんなもの、破って捨てなさい。」という感じで、破るジェスチャーをしていた。昨日成田で換金した20ドル札を出した。DOCセンタと言って乗った。中東系の人たちも乗ってきた。もう一組も乗ってきた。10分位で町に入ると、雨が降ってきた。最初に中東系の人たちをホテルの前で降ろし、次に「ここの2階がDOC」と言って自分を降ろそうとしたが、ここは先ほど案内所でWEBの地図を拡大して調べたクイーンズタウンのDOCの場所ではないので、「違う」と言ったら後回しになった。「どこへ行くの」と言ったら、「また後で戻る」ということであった。別の客を町はずれで降ろし、再度「GREAT WALK DOC」と言ったら、やはりさきほどの場所で合っているとのこと。「ここ(OUTSIDE SPORTという登山用品店)の2階だ」と言って道の反対側で降ろしてもらった。「どうもありがとう」と言ったら、全然気にしていなかった。空港にバスがいるのがわからなかったからShuttleに乗ったが、バスに乗ったらDOCの場所はわからなかったわけで、Shuttleに乗ってよかった。考えてみればラッキーだと思う。

 クイーンズタウンのDOCでは、ケプラートラックのHUTチケットは手に入らないことはわかっていた。2日後のルートバーントラックのHUTチケットを手に入れるつもりであったが、「天候の関係で翌日までの分しかHUTチケットは発行できないことになっている。(規則)」ということであった。「明日は何をやるのか。明日また来なさい。」と言われたので、「明日はケプラートラックに行きます。明日は来られません。テアナウのDOCでHUTチケットはもらいます。」ということを言ったと思う。2階には天気予報があり、質問した。
・シャワーと雨の違いは?シャワーは、天気雨、一時雨、時々雨、降ったり止んだり、止む時があればシャワーとのこと
・WATERQUATER(?)・・・クイーンズタウン、グルノーキのエリアの名前(新潟で言う上越、中越に相当)
・参考 ルクスモアHUTで教わったが、ケプラートラック、ルートバーントラッックの西寄り、ミルフォードトラックは、フィヨルド地方と言う。
今週の天気予報は、雨とシャワーなので、「これでは悪いじゃないか」と言ったら、「シャワーはNot so bad. 」良くはないがそんなにひどくは無い。行けないことはないよ。ということであった。(その通りであった)

1階のOUTSIDE SPORTという登山用品店で、「サンドフライ(蚊)の薬がありますか」と尋ねると、「前か後か」という内容の質問がきた。「Prevent予防」と言ったら、塗るタイプとスプレータイプの2種類が出てきた。スプレータイプが一般的とのことで、スプレータイプにした。(たぶん、ここは薬局ではないので、さされた後の薬は無いのだろう。)(結局天気が悪かったせいか、1度も塗らなかった)

 すぐそばで銀行を見つけたので、20年前の古い札(計30NZドル)を新札に変え、さらに後1万3千円をNZドルに変えた。(Shotoverの通り)

ファーストフードでヌードルを買って食べた。(Shotoverの通り)

テアナウ行きのバスは、Shotoverの通りとCampの通りの交差点のStationから出ると、tracknetからのe-mailで回答があった。そこにバスターミナルがあるものと思い込んでいたが無い。どうやってバスのチケットを手に入れるのか。4時半までにあまり時間は無い。「i」と書いてある店が通りの交差点の3つの角にあるので、その一つに入ってみる。予約番号を言ってバスのチケットを手に入れようとするが、チケットは手に入らない。反対側の「i」と書いてある店に行って同じことを言うと、さっきの「i」と書いてある店は、「Station」だと教えてくれた。(「Station」は屋根に書いてあり、真下からは見えない。また、「Station」の前にはバス停らしいものは無い。)再度「Station」で質問して、「バスのチケットは無くて乗れる」ことがわかった。

 「Station」でテアナウからデバイドまでとルートバーンシェルタからの帰りのバスのチケットは買えると、tracknetからのe-mailで回答があったが、実際は「Station」では買えなかった。でもそこで、数件先のinfotrackのオフィスで買うと教えてもらった。ここではバスの時刻表をもらった。infotrackのオフィスで目的のバスのチケットを2つ買った。「乗り遅れた場合、次のバスに乗れるのか」と質問したら、「(バス会社が違うから)できない」ということであった。

Camp通りのショッピングセンタとその前から空港行きのバス停を確認した。15分置きに出ていて、15:35、15:50になる。

4:30丁度にtracknetのバスが来た。「チケットは?」と言われたが、日本で予約したので持っていませんと言ったらOKであった。(運転手は搭乗者の名簿を持っている)

運転手に、「テアナウのmoptopB&Bで降りる」と言ったら、「もう一人のドライバーに同じことを言ってください」とのこと。(この運転手は最後までは運転しないということだ。)

途中、空港に寄って1人乗せてテアナウに出発。この人はミルフォードトラックに行くそうだ。だいぶ走って、ラムズデンとの分岐を過ぎてトイレ休憩になった。そこで、「デバイドへは今は強風による倒木で、通行止め」とドライバーに教えてもらった。「ケプラートラックは風がすごいですかね。」と聞いたら、「木があるから大丈夫だよ」と教えてもらった。「天候とかでバスに乗り遅れたら、チケットを買い直しになるのですか」と聞いたら、「大丈夫」という答えでホットした。ここで、反対側(テアナウ方面)からきたバスとドライバーが交代した。「テアナウのmoptopB&Bで降りる」と今度の運転手に言った。最初にYHAでもう一人を降ろした。ドライバーはmoptopB&Bを知らないとわかった。テアナウの地図をドライバーが持ってきたので、この辺と印を付けた。(moptopB&Bは、テアナウの地図に載っていない。)ドライバーは「moptopB&Bの住所は?」と聞いたが、まさか見つからないとは思っていなかったので、住所は控えていなかった。「持っていない」と答え、印の辺に行ってもらった。そこにmoptopB&Bは無く、少し先にあった。普通の平屋の民家であった。moptopB&Bの看板は、少し木で隠れていた。お礼を言うと、ドライバーは気にしていなかった。なんとか着いてよかった。

 テアナウの町を散策し、スーパーで、ピーマン2、玉ねぎ1、トマト1と夕食、ミネラルウォータを買った。途中小雨が降り、もう閉店時間にはなっていたが、DOCまで行った。

12/22 雨(シャワー)

 夜から朝にかけて大雨になった。moptopB&Bのおばさんは、天気を非常に心配してくれた。「寒いので、セータを買いに行く。店は何時から開きますか」と尋ねると「10時頃」とのことであった。停滞しておかしくない天気であった。だんだん回復に向かってきたので、ルートバーントラックで使う食糧、帰りの衣類、履いてきた靴などを預けて、10時にmoptopB&Bを出発した。なんとか雨は止んだ。湖の通りでザックを降ろし、雨が降ってもいいようにザックカバーを付ける。手ぶらでスーパーに行き、結局フリース(18NZドル)を買う。また、小雨が降ってきた。ザックまで戻って、すでに9:30の最終便の時刻は過ぎているが、BROD BAY まで船で行こうかと思い船着き場で打診すると、50NZドルとのことなので止めた。DOCでケプラートラックとルートバーントラックのHUTチケットを手に入れ、今日と明日のケプラートラックの登山計画書に相当する「NOTICE OF INTENTION」を提出した。(降りたら半券の下山届を出すことになっている。出さないと捜索隊が出動する。電話は無いので電話番号を書けなかったが、問題にはならなかった。)

ここからコントロールゲート(水門)までは日に何便かバスがあるが、丁度いい時間はないので歩く。湖畔の道を歩く。雨がほとんど止んだので雨具の下を脱ぎ、買い物袋を手に持ってそれを雨具入れにした。(以降毎日雨具入れの買い物袋を手に持って歩いた)すぐにまた雨がまともに降ってきたのですぐに雨具の下を付ける。途中芝生になり、柵があった。右はゆるい下りで湖が見える。左はトラバースなので柵に沿って左を進んだ。後で間違ったことに気づいたが、そのまま車道に出て、車道から行くことにした。(バスはここを通るから)途中、散歩道に戻った。コントロールゲートで、先行していたカップルに写真を撮ってもらった。ここからケプラートラックが始まる。BROD BAY までは湖畔の道だが、シダ、コケの緑の中を歩く。道は1本道なので迷うことは無いが、動物が出てきても不思議ではない感じだ。小さな流れを渡るところには、木の橋が掛けられているが、そのすべてに金網が敷かれているところが日本と異なる。つまり、滑り止めがすべての板に張ってある。雨が良く降るからであろうが、登山者の安全を考えているのは明らかだ。大変な手間である。BROD BAYのシェルター(屋根がある休憩所)でパクパク行動食を食べていると、2パーティに抜かされた。雨の中、結構登る人がいるものだと思った。ここから約3時間の登りになる。湖畔からなので一気に登ると思っていたが、意外と緩やかで登りやすい道であった。だんだん雨も本格的に降ってきて、抜かされた2パーティは雨具をやっと付けているので彼らを抜く。崖まで来ると登りは半分終わった感じだ。さらに登ると樹林帯を抜けて、小屋まで45分の標識が出てくる。(35分で行ける)風は強く、手はかじかむ。稜線からは雨が降っているがBROD BAYが良く見える。もう靴の中はグチャグチャ。なかなかルックスモア小屋は見えないが、見えた時はホッとした。  登山靴以外は持ってこなかったので、小屋の中では素足でいた。トイレは小屋の2階にあり、買い物袋を足に付けてトイレに入った。雨なのに、結構人はいた。チェコスロバキアのカップル、タスマニア、アメリカなど、ガイドウォークではないのにニュージーランド以外の国から来ていた。

テアナウDOC11:00――コントロールゲート12:00/10――BROD BAY13:25/50――石灰岩の崖15:05/20―――樹林帯を抜ける(小屋まで45分の標識)15:55――ルックスモアHUT16:30

・HUTについて(ケプラートラック、ルートバーントラック共通)

0−0 夏季はDOCでHUTを予約し、HUTチケットを手に入れなければならない

0−1 食糧とシュラフは各自持ってこなければならない。
1 蛇口をひねれば水が出る。(生水でも飲めるが、念のため沸騰してくださいと書いてある)
2 コンロが10台?位ある。コンロは日本には無いタイプで、点火にはライターが必要。左に押しながら回して、5秒間左に押して回した状態を保持しつつ、火を近づけていると火がつく。(これがわからないでライターは3日目で使い果たした。あとは予備のマッチ)
3 ベッドがあり、マットがある。ベッドルームは、暖房がないので寒い。
4 ベッドには番号があり、宿泊者は表に名前とベッド番号とHUTチケットの番号を記入する
5 宿泊者名簿にも自分の名前、国、都市を記入する(最終日、宿泊者名簿に書くのを忘れたが、これは遭難時に活用すると何かに書いてあった)
6 管理人が全員のHUTチケットを回収する。
7 HUTの暖房は薪
8 ゴミは持ち帰る
9 黒板に、今後数日間の天気予報が書かれる
10 管理人の説明が20分〜30分ある。何言っているのかよくわからない。
11 日の出5:45頃、夜7時頃まで明るい

夜の間ずっと風雨

12/23 朝まで風雨、曇り、夜豪雨 予報:夕方から雨が強くなる

4時半ころ起きて食事を作る。6時50分にHUTを出発したが、誰も起きてこなかった。

風はあるが、雨はほとんど止んだ。朝日が雲の切れ目からBROD BAYに注がれてすばらしかった。崖ではいっぱい写真を撮った。昨日グチョグチョ靴で必死に登ったせいか、足にマメが出来て痛い。歩くスピードが遅い。ホッとしたせいもありすぐに休憩してしまう。思い出して、ルートバーントラックの「NOTICE OF INTENTION」を書く。BROD BAYに着くと、丁度船が船尾に梯子をかけて砂浜に登山客を下しているところだった。(船着場はない)登山客を降ろし終えると、あっという間に対岸に船は行ってしまった。乗せてもらえば良かったかな?とも思った。写真を撮りながらコントロ−ルゲートに戻る。そこからは散歩道ということになっているが、迷った芝生を確認しつつ、DO近くで日本人とあった。その人はルートバーントラックに行ったが、悪天候のため戻ったとのことであった。人事ではない。

やっとDOCに着いた。ケプラートラックの「NOTICE OF INTENTION」の半券(下山届)と、ルートバーントラックの「NOTICE OF INTENTION」(登山届)を提出した(下山届の半券は自分が持っている)ここで、「テアナウに戻るのか」と聞かれ、「戻らない」と答えると、「下山連絡を(ここに)するように」と言われたので、「クイーンズタウンのDOCで出す」と言ったらOKになった。

あとバスの発車時刻まで30分になり、小走りでmoptop B&Bに行く。預けた荷物をゲットして挨拶して、湖畔のベンチでちょっと休憩。そこのごみ箱に、まず靴を捨てる。買ったミネラルウォータを2リッタのペットボトルの容器に移し替えて、ミネラルウォータの容器もそこのごみ箱に捨てた。DOCに戻るとすでにバスは着ていた。降りる人の荷物をドライバーが渡していた。なんとか間に合った。バスはかなりの人がいた。座った隣の人は、最初日本人かと思って日本語で話したら「KOREAN」と言われた。なんとか英語でいろいろ話したが、その人はガイドウォークでこれからミルフォードトラックに行くとのことだ。天気が悪いのを気にしていた。ミルフォードトラックは一方通行なので、戻れない。天気が悪くても歩き通さなければならない。ミルフォードトラックは超満員なので、天気が悪いから、もう1日泊まることもできない。(もしかしたら、毎日雨の中を歩くことになる。)「自分の場合は、明日は半日行程。明日小屋に着いたら、もう戻らずに行く」と言った。そのグループは、テアナウダウンで降りた。そこからは車内が空いたので、ザックを荷車から車内に持ってきて、パッキングをする。カーブを100km以上で走るので自分とザックが倒れないようにするのが大変だ。デバイドでは大グループが丁度出発した。(ホーデンHUTにはいなかったので、たぶん今からマッケンジー湖HUTまで行ったのだろう)また、雨が少し降ってきた。ほとんど平坦の道でキーサミット分岐に着いた。ザックを置いて登ると、樹林帯を抜けて風がすごい。途中キーサミットの指導票があり、ここがキーサミットなのかな?と思ったが、すぐ先に確か、右:Nature walk、左:Track という指導票があった。はじめ右に行って寄り道する。戻って左に行く。どこまで行くのかちょっと不安になるが、marian湖展望台という標識があるのでここがキーサミットであるとわかった。周りの山にはちょっと雲があるが、マリアン湖周辺はよく見えてよかった。冷たい強風のため、分岐に着く頃は手がかじかんでいた。



23日キーサミット ど真ん中マリアン湖

分岐からホーデンHUTまでは、下りですぐ着いた。雨にまともに降られずにすんで良かった。ホーデンHUTはガラガラだった。トイレは離れにあり、雨の中夜トイレに行くのが非常に面倒であった。今日の黒板の天気予報では、明日は1000m以上で雪。

ルックスモアHUT6:50―――7:25樹林帯に入る―――石灰岩の崖7:55/8:10―BROD BAY9:30/35―――コントロ−ルゲート10:55/11:20―――DOC12:15/45<―――>moptop B&B 1:00、 DOC1:15―――デバイド14:15/35―――キーサミット分岐15:35/16:55<―――>キーサミット(marian湖展望台)16:15、―――ホーデンHUT17:10

12/24 朝まで豪雨、曇り、シャワー、雪、曇り

朝になってもものすごい豪雨。これではマッケンジー湖HUTに行くのも考えてしまう。かなりの雨の中出発した人たちもいた。でもだんだん雨は上がって、自分が出発する頃には雨はほとんど止んだ。ラッキーだった。 

朝出発少し前に、管理人さんに「今日本当に雪が降るの?」と聞いたら、はっきり「降る」と言い、「見せてあげる」と言って、HUTの入り口から仰ぎ見る山の斜面にわずかに残っている雪を見せてくれた。

まもなくパラパラと雨が降ってきた。アーランド滝は轟音を轟かせていた。通常のルートをびしょびしょになって反対側から来るパーティがいくつかあった。写真を撮るためにわずかな時間滝にカメラを向けているだけでびしょびしょになる。これが今日のメーンイベント。自分は増水用ルート(下ってつり橋を渡って登る)でアーランド滝を越える。10分位?進んで振り返るとアーランド滝の遠望が見えた。さらにこまめに振り返りながら写真を撮る。アーランド滝の左にもっと水量の多い滝があるが、落差は木がありよくわからない。大雨だから遠望からでも水量が多い滝のようだ。滝の遠望が終ると雪が降ってきた。このまま降り続けるとマッケンジー湖HUTに閉じ込められるかもしれない。という不安もあった。マッケンジー湖HUTに着く頃に雪は止んだ。

マッケンジー湖HUTは、ほとんど必ず泊まるHUTなので、大賑わいだ。イスラエル人(発音はイズラル)がかなり多くいた。

 夕食後、ホーデンHUTで一緒だったオーストラリアのPAUL、KATHY夫婦達とYAHZIEというゲームをやる。サイコロ5つを使ったポーカのようなものだ。

 9時半からクリスマスパーティが行われ、各自にローソクと焼きたてのビスケット、英語の歌のコピーも配られた。みんなで歌う。歌にはジングルベル、ホワイトクリスマスもあった。
ホーデンHUT10:10――アーランド滝手前11:30、後12:20 ――マッケンジー湖HUT2:30

12/25 曇り、夕方シャワー、夜〜翌朝まで豪雨 予報:夕方からシャワー

 今日雨が降っていないのは、実にラッキーだ。昨日の雪でエメリーピークが雪化粧して実にすばらしい。マッケンジー湖のエメラルドグリーンもまたすばらしい。たくさん写真をとりながら登る。登り終えると西の稜線は雲がかかっており、次のコニカルヒルでは視界が効くか心配になる。ハリスサドルに着いたときは、もうコニカルヒルは雲のなかになってしまった。

デジカメの電池が切れて、予備の電池を見つけようとしたが見つからない。サブザックの準



25日 エメリーピーク

備をして出発。途中一ケ所、ちょっとここ登るルートなのかどうか考えるところがあったが、特に問題無く登る。上部では両手で突っ張って登るところもある。山頂からは何も見えない。山頂周辺を散策し、半分位下って、雲がときどき薄くなるのでしばらく様子見していた。そこへガイドウォークの一団が来た。その一団が行ってしばらくして再度登り返す。さっきよりも視界はよくなっている。ハリス湖も見えるようになっていて、そこのガイドに写真を撮ってもらった。ガイドは2人いて、1人は日本人、もう一人はニュージーランド人で2人共昨日のマッケンジー湖HUTでのクリスマスパーティにも来ていた。ニュージーランド人のガイドは、なんと僕が映っている写真を笑いながら僕に見せた。びっくりした。後でメールを送ってもらうよう翌日頼んだ。(残念ながらメールは来たが受信データオーバで写真は取り出せていない) またさっきのところまで下って、また雲が薄くなったので、今度は山頂まで登ることにする。さっき様子を見て休憩していたときに登ってきたDUANE、MARK(カナダ)が下りてきた。(彼らとは、ルートバーンフラットHUTの徒渉ポイント、帰りのバスも一緒だった)山頂からは1回目よりは少し斜面が見えるが、やはり雲で覆われている。3時過ぎて、もう降りなければと断念する。ハリスサドルに戻り、ルートバーン滝HUTに向かう。雲がどんどん下がってくるのがわかり、いつ雨になるか心配になった。だいぶ降りてついにパラパラ降ってきた。ひどくならないうちにルートバーン滝HUTに着いた。(夜から翌朝にかけてまた豪雨になった。)

 このHUTも超満員で、着いた時間が遅いせいもあり、空いているベッドは後2つであった。初めて2段ベッドの上段になった。今日も夕食後にクリスマスということで手作りのビスケットが配られた。

ベッドの反対側の人は2m以上の長身で、明日は一気にホーデンHUTまで行くとのこと。

 マッケンジー湖HUT7:40――登り終了(乗越し)9:20――ハリスサドル11:55/12:30 ―――コニカルヒル 1回目1:20〜、2回目〜3:10―――ハリスサドル3:55/4:05 ―――ルートバーン滝HUT5:45

12/26 朝豪雨、小雨、曇り

 今日は下山で、2時のバスなのでのんびりだ。6時ではまだ雨がたくさん降っている時であったが、ベッドの反対側の人は起きたので自分も起きた。(彼はまだ結構雨が降っている中を出発していった。)自分が出発するころは、まだ小雨は降っているが大分雨は上がってきた。2時のバスには時間があるので、ルートバーンフラットHUTに寄り、ここから支流にコースがあるので行ってみようと考えた。みんな考えることは同じで、DUANE、MARKは来ていた、POLE夫妻も来た。ところが、ルートバーンフラットHUT前で小川(ルートバーンのバーン、名前の由来でもある)を渡るのであるが、増水のため膝位の徒渉になり渡れない。徒渉ポイントをDUANEが教えてくれた。そこには目印の棒が立っていた。「GREAT WALK以外では、このような徒渉があるのですか?」とPOLEに聞くと、「ミルフォードトラックにも数か所このような徒渉個所がある」とのことであった。ルートバーントラックにしてよかったと思った。後はのんびりトラックから外れて小川に出られるところが数か所あったので、寄りながら下る。フォージフラットにも寄った。途中カメラのフィルムを交換していると、昨日コニカルヒルの途中で合ったガイドウォークの一団が来た。彼らは歩くのが遅いので少し先で追い抜く。やっと2つ目の吊橋になり、あと30分の指導標のところでガイドに自分のe-maleのアドレスを教えて、自分の写真を送ってもらうよう頼んだ。(ガイドウォークの一団も2時のバスに乗ると思い込んでいたら、彼らは乗っていなかった。)

 2時になってもバスはいない。2時過ぎてやっとバスは来た。2時10分出発。乗車率は80%位。途中グルノーキという町で20分休憩。クイーンズタウンでDOCに寄っている時間はないのは予測できた。そこのインフォメーションセンターで「下山届を出したい」と聞いたら、外に登山ポストがあるというので、そこに下山届を入れた。ヒゲも剃った。

 3時50分少し前にクイーンズタウンのinfotrackのオフィスの前に到着した。3時50分の空港行きのバスには丁度乗り遅れた。戻って角のインフォメーションセンターで「タクシーを呼びたい」と言ったら、呼んでくれた。なんとか飛行機には間に合った。空港では、eチケットなので、端末で空港券を各自が出力しなければならない。(やってもらった)

オークランドでは、オークランドKIWI AIRPORT HOTELに泊まるが、電話すれば迎えに来てくれることになっている。その電話の仕方がよくわからない。なんとか電話の仕方を聞いた。「市外局番に相当する番号はかけない」ということであった。やっと電話したら、「今日の営業は終わりました。明日電話してください。」こういう内容のテープが流れた。しょうがないからタクシーに乗ろうとしたら、「そのホテルなら、あそこから無料の送迎バスが出ているよ」と親切に教えてくれた。とりあえずそこ(空港の出口)に行くが、連絡できないから来るわけがない。他の送迎バスが来たので、「これはオークランドKIWI AIRPORT HOTELに行きますか?」と聞くと、「1分待って」と言われた。親切にその人は自分の携帯電話を持ってきた。オークランドKIWI AIRPORT HOTELの電話番号を見せると、そこに電話した。なぜか、彼が電話すると相手が電話に出て、迎えに来てくれるよう頼んでくれた。助かった。

 オークランドKIWI AIRPORT HOTELは日本円で5千円代と安い。(モーニングコールは自分でセットできないが、チェックイン時に聞かれるので言うと電話が鳴る。スリッパで食堂にも行けて登山帰りには適している。翌朝7時に出るので、朝食は食べられない。この朝食代だけは捨てたことになるが、空港まで送迎してくれたので良しとする。)

ルートバーン滝HUT8:55―――ルートバーンフラットHUT9:55/10:20―――1つ目の吊橋11:15―――フォージフラット11:40/12:05―――――2つ目の吊橋の後(散歩道との分岐;あと30分の指導標)1:15―――ルートバーンシェルタ1:40/2:10―――バス―――クイーンズタウン(infotrackのオフィスの前)3:50、タクシー3:55 ―――クイーンズタウン空港4:10/5:20 ―――オークランド

12/27 曇り

 今日の朝食は、残ったα米、お吸い物、ごま、お茶漬けなど。α米からお湯でごはんを初めて作って、簡単に作れるものだと感じた。7時に空港に向かうマイクロバスは満員だ。

 2時間前に空港に着いたが、成田行きのカウンターはかなり混んでいて、40分位荷物を預けるのにかかった。搭乗券は、搭乗ゲートが書かれていない。「表示を見てください。」とのことであった。丁度8時になったので、エアナウのDOCに下山連絡の電話をした。「NOTICE OF INTENTION」の半券(下山届)の整理番号を控えていなかったが、

1 自分の名前と昨日ルートバーントラックから下山した
2 12月23から26日がスケジュール
3 「NOTICE OF INTENTION」をグルノーキのインフォメーションセンターのポストに入れた
と言ったら、「OK」であった。ホッとした。

出国審査ではあまり時間がかからなかったが、表示を見ると「あと5分」となっているので、GATE8を目指して登山靴で走る。ここで乗り遅れたら大変と思った。空いているエスカレータに乗ってしまって隣のGATEに行ってしまい戻る。すると、乗務員がゆっくりとやってきて、「まず、私が乗らなければなりません」と日本語で言う。あせらなくても大丈夫!ということであった。GATE8では多くの乗客が、まだか、まだか、と大勢待っていた。表示の「あと5分」とは全く意地悪なことである。汗を拭きながら、15分以上そこで待った。搭乗開始は出発20分前の8:55であった。日本には1時間早く着いた。日本の帰国検査(荷物検査)は特に無かった。

最後まで気が抜けなかったが、なんとか無事帰国した。

武部 記


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