Last Update : 2011/12/14  戻る

浄土平から家形山・東大巓を経て天元台へ


平成23年8月12日 晴たり曇たり

梅原(単独)

浄土平から天元台へは、谷地平経由と家形山経由とで、嘗て夏季に日帰りでこなした。福島駅午前8時発・浄土平9時過ぎの路線バスを利用すれば、日帰りも可能であった。ところが年々交通事情が悪化し、この夏は運行自体が土日祭日に限られていた。お盆の混雑期に登るくらいならば、家で猫達と昼寝していた方がましなので、敢えて平日出発とした。高湯温泉に泊って、翌日に登山である。

11日、福島駅午後3時発の玉子湯旅館の送迎バスを利用。この日は宿の庭から続く遊歩道を2km程度歩くのみだ。宿の風呂は素晴らしかった。標高800m程度だが、東京の蒸し暑さを忘れさせる涼気に、湯あがりのビールが美味しかった。

12日5:45AM。タクシーで浄土平に。30分なのに五千円もかかった。平日の早朝なので、駐車している車も僅かしかない。下山して米沢でゆったり寛ぎたいので、慌ただしくジョギングで出発。いつも通りの強風でやや寒い。

酸ヶ平は開花している花が少ないのでがっかりして通過。一切経山は強風と濃霧の中で、山頂から五色沼へはルートが判然とせず、慎重に下った。

霧にぼんやりした五色沼を通過すると、東大巓まで展望が乏しく忍耐である。ピークが幾つかあっても、烏帽子山までは起伏は左程ではないのでジョグに適しているはず。しかし次第に笹藪が道に覆いかぶさってきた。そして突然右脛に激痛。浮き上がった木の根が藪に隠れていた。約3センチズボンが裂け、脛に蚯蚓腫れが出来ていた。以降はペースを落とし我慢の歩行であった。烏帽子山・東大巓間は一層藪が顕著で、昭元山山頂から東大巓へのルートを見つけるのに、やや戸惑った程であった。更に巨岩が連なる下りも耐えて、谷地平から登って来る大倉新道が合流すると、やっと湿原のルートになりほっとした。ここまで来たらこっちのものだ!!

東大巓を過ぎれば完全に藪から解放されるか、と思ったが、木道さえも笹藪が覆っていた。震災らの復興に、刈り払いまで手が回らないのかもしれない。それでも、次第に整然する登山道を、湿原の中の解放感に俄然ペースを上げた。こんな快適なジョギング・コースは他にあるまい。

 人形石に正午前。時間的に十分若女平経由で下ることが出来るが戸惑った。尾根道でさえ藪が煩いのに、若女平はどうだろう。リフトやロープウエイのある天元台ではなく、若女平を選択する登山者は稀なはずで、荒れているに違いない。疲れた体は、一刻も早い温泉とビールを渇望している。天元台へと向かった。

 手ぶらの観光客も登って来る登山道だが、大きな石と木の根の段差にウンザリするのは、即下山と決めて精神的な張りがなくなったせいなのか? リフト乗場でまた逡巡。以前はリフト・ゴンドラを使わず白布温泉まで走った。今回の方が時間的余裕は大きい。にもかかわらず、リフト・ゴンドラを選択した。体力・気力とも落ちたものだ。

 天元台はひっそりとして、テニスコートにも全く人影がない。以前あったホテルも無くなっていた。昨年と比べ、3割以上観光客が減っているとのことである。山スキーの重要拠点であるこのスキー場には、是が非でも頑張って頂きたい。

 白布温泉では、ゴンドラ駅すぐ下の「白布森の館」という日帰り入浴施設(銭湯よりも安い。食堂でオデンと瓶ビール一本)で汗を流してからバスで米沢へ。そこは打って変わった酷暑で、城址公園から旧上杉邸へ汗だくになって歩き、そこのレストランで、本当に久方振りにビーフステーキを食べてから、新幹線に乗った。


東十郎へとひた走った

浄土平駐車場6:30−酸ヶ平6:52−一切経山7:13−7:35高湯への分岐7:40−五色温泉分岐7:51−家形山8:03−兵子8:25−ニセ烏帽子山8:36−8:55烏帽子山9:00−昭元山9:31−谷地平分岐10:03−10:10東大巓10:20−明月荘分岐10:25−藤十郎11:08−11:50人形石11:55−天元台スキー場最上部リフト12:16

梅原 記


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