Last Update : 2011/12/14  戻る

中央アルプス縦走


2011年9月17日(土)〜19日(月)

菅澤ほか3名

昨年9月、8名で空木岳〜木曽駒の縦走に行ったが、2日目が悪天候だったので空木岳までで引き返した。

今回は小人数で、桂小場からの逆コースを歩いてみた。2日目、3日目が快晴で楽しい縦走だった。ただ越百山まで足を伸ばしてシオジ平へ下山する予定だったが、下山ルートのハシゴや橋が落ちたままで通行止めだと聞いたので空木岳から池山尾根を下山した。南駒ケ岳と越百山は次の機会までお預けとなった。

9/17

調布ic3:30== 6:00伊那ic==6:20桂小場(1,280m) 6:40――8:10野田場8:20――9:25大樽避難小屋(2,090m) 9:45――胸突ノ頭――12:00西駒山荘 12:30 ――14:35木曽駒ケ岳(2,956m) 14:45 ――15:10中岳(2,925m) ――15:25宝剣山荘(2,825m 泊)

雨/ガス

登山口に向う車中は予報どおりずっと雨だった。桂小場の広い駐車場には先着車が一台。雨具を着けてのスタートは気がめいる。見通しのない樹林の中を歩き「ぶどうの泉」で喉を潤す。旨い水だった。800mほど登って大樽避難小屋でエネルギー補給。雨が激しくなる中、胸突き八丁の急斜面を登り、将某頭山の南側のトラバースルートを進んだ。森林限界を過ぎたあたりで西駒山荘に到着。このころには霧雨状になったので少し助かる。山荘でビールを飲みながら、管理人さんからいろいろな話を聞くことができた。将某頭山は高度順では84番目の山だとか、千畳敷ロープウェイができるまではここがメインルートだったとか、11名が亡くなった大正2年8月の気象遭難事故を契機としてできたこの市営小屋は利用客が少なくなってもつぶすわけにはいかないとか。

腰を上げて外に出るとガスが切れて見通しが利くようになったが、風が強くフードを被って歩く。イワツメクサが白い可憐な花をつけている。山頂近くなると紅葉したクサモミジが見られたがチングルマは綿毛となっていた。左下方の濃ヶ池カールを見ながら山頂に向かう。今日このコースで出会ったのは2名だけ。

山頂には伊那側と木曽側それぞれに駒ケ岳神社が祀られていて、伊那側と木曽側では山の呼び名も違う。

山頂から乗越浄土周辺はロープで区切られた道がいくつも交差していて、ガスの中ではどちらに進んだらよいのか迷いやすい。巨岩の中岳を越え、宝剣山荘に着いたころにはガスガスであった。こんな天気でも山荘は定員一杯の予約だそうで、一階食堂は雨具を着けた登山客でごった返している。幸い予約が早かったせいか二段ベッドの部屋を割り当てられたので詰め込まれずにすんだ。

9/18

宝剣山荘5:00――5:20宝剣岳(2,931m) ――5:50三ノ沢岳分岐――6:00極楽平――7:10濁沢大峰7:25――8:40檜尾岳(2,728m)――10:10熊沢岳(2,778m) 10:20――11:40東川岳(2,671m)――12:05木曽殿山荘12:30――13:55空木岳(2,864m) 14:05――14:10駒峰ヒュッテ(泊)

快晴

小屋の外に出ると満天の星で、月明かりのなか目の前に黒々と伊那前岳が聳えている。朝食は弁当にしてもらい、薄暗いうちに歩き出す。右手に天狗岩を見ながら岩場をよじ登り、右側が深く切れ落ちたクサリをトラバースして左手に廻り込むと岩陰に小さな祠が祀られた宝剣岳山頂に着く。ごく狭いので全員が同時に立つことはできない。30年ほど前の正月に、ここから千畳敷まで切れ落ちた中央稜を登ったことを思い出す。

濡れたクサリを慎重に降り、三ノ沢岳分岐で一服。極楽平から大きく下って、少しの登り返しで濁沢大峰となる。小休止の後、岩場を下り再び登り返して檜尾岳到着。振り返ると宝剣岳が岩峰を天に突き上げている。三ノ沢岳がとても大きく見えた。そこのお花畑はとても見事だと聞くので来夏に行ってみたいと思う。ここから東に派生する尾根上に建つ檜尾避難小屋のドーム型の赤屋根がとても印象的だ。

稜線は木曽側からの涼風が常に吹いていて心地よい。左手に南アルプス全山を眺めながらの快適な稜線歩きだ。白い風化花崗岩の立ち並ぶ急な道を登って熊沢岳に着く。ここから緩やかに下り東川岳、そこから木曽殿越に急降下して木曽殿山荘前で休憩。

左側が切れ落ちた稜線の端を直線的に登り、最後は花崗岩の巨石の間を縫うようにして空木岳山頂に到着。振り返ると宝剣岳のピークが遠くになり、結構な距離を歩いたものだと思う。

駒峰ヒュッテのテラスで夕暮れまでゆったりと宴会が続いた。ヒュッテに着いたころは5名ほどだった泊り客が、夕刻には35名ほどにもなり1、2階とも満員となってしまう。

今日は一日中快晴の素晴らしい天気だった。

9/19

駒峰ヒュッテ4:55―9:20池山9:30=タクシー=10:15桂小場10:45==11:05伊那ic=15:30帰京

快晴

他の登山客が起きだす前に食事を済ませ、ヘッドランプを点けて下山を始める。昨年は長いと感じた下りだが、今回はそれほど感じないうちに池山に到着。池山の林道に出たところでタクシーを呼び、桂小場へ戻った。初日の天候は良くなかったが、終わってみれば久しぶりの快適な山行だった。

菅澤 記


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