Last Update : 2012/2/8  戻る

浜石岳から薩捶峠
元旦に壱富士・弐双子山


2012年元旦 天気:快晴

メンバー:梅原秀一(単独)

 幾らかでも温暖な方がと、静岡市清水区にある標高707m・浜石岳を選んだ。尾根を下れば旧東海道の難所として且つ安藤広重の浮世絵でも名高い、薩捶峠を訪れることが出来ることも、大きな理由である。

 新幹線こだま始発は品川発6:40AM。三島で東海道線に乗換え由比には8時21分。ストレッチの後ジョギングで出発。桜海老のゲートをくぐった。桜海老は四囲を海に囲まれている日本でも、この辺りでしか獲れない海産物である。収穫は主に4月で9月頃にも若干の収穫がある。獲りたて釜揚げが特に美味しいが、この時期は冷凍物しかないので残念だ。

 由比港沿いに北西に約1km北に行ってから左の狭い自動車道を登る。標高零からの登りである。民家が途絶えると蜜柑畑の中の農道。更に針葉樹林の中をジグザグに登る。傾斜は非常にきつく、呼吸は激しくなりアキレス腱が痛みだしても、今回は登りでは絶対に歩かないようにと、心に誓って来たのだ。

 下山してくる2パーティーとすれ違って山頂直下に。初めて土の道を踏み距離にして30mも行けば浜石岳山頂。7.7kmを走行正味1時間13分20秒。天気予報は大外れで、富士山が間近に大きい。黒富士に極々細い白い筋がある富士であった。

 富士ばかりでなく朝日に輝く駿河湾と清水港の景観は見応えあり、30分も留まって体が冷えてきた。南に続く尾根を引き続きジョグで下ることにしたが、下山口に何やら表示がある。薩?峠方面は倒木で荒れているので登山経験が浅い者はこのルートには入らないように。とある。参考にしたガイドブックではそんな注意事項は無かったはず。そのデータは2001年12月に踏査したものであった。昨年の台風の影響であろう。

 途中でエスケープ可能なので、予定通り南下した。尾根沿いの森の中の登山道は明瞭で、多少倒木はあるものの何等問題なし。小さいピークを幾つか越えるが快適なジョギング。この分なら正午には温泉とビールかな?

 尾根を七割ほど下って承元寺への分岐のところで相当数の巨木が倒れていた。承元寺へのルートは前方に倒木の障害はあるものの、広い林道である。一方薩捶峠へのルートは倒木の下敷きになり消えてしまった。周辺をウロウロ歩きまわった末、木に巻かれた赤テープを50mほど離れた所に見つけた。薩捶峠に是非下りたかったので安堵した。

 この後も山道は時折倒木と藪で判然としないので、ジョグから歩行に切り替えテープを確認しながら慎重に下った。尾根を外れ海に向かう急降下に変わると蜜柑畑に入って一安心。海沿いに斜面を巻く農道を横断しその次の農道を右に。遙か下に海を見下ろしてジョグを再開。観光客で賑わっている薩?峠に着いた。広重の浮世絵「由比」とは異なり、東名高速が目立つけれど、切れ落ちた崖の向こうの富士はなかなかであった。

疲れ切った足をひきずるように走り薩?峠の遊歩道を抜けて興津川河口の駿河健康ランドに到着。ところが観光バスも何台か来ている凄まじい混雑なので断念した。

更に興津駅まで走って、帰路は東海道線を静岡駅まで行ってから新幹線を利用した。トイレで汗まみれの衣類を乾いたものに替え、車窓から富士の眺めを楽しみながら駅弁とビールという構想であったのに、既に7合目より上は笠を被っていた。そんな小生の落胆を慰めようと、隣の女性が大きく胸を開いた服で、何度も屈みこんでいる。

元旦に壱富士・弐双子山。こいつは春から縁起がいいやー!!

[コースタイム]
由比駅8:35−曙大橋8:45−野外センター入口9:43−10:06浜石岳10:35−但池分岐10:49−立花分岐11:06−11:30承元寺分岐11:45(ルートを探すのに手間取る)−一本目の農道12:13−二本目の農道12:16−薩捶峠12:35−駿河健康ランド12:53−13:00興津駅

(梅原 記)



薩捶峠から


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